2025年10月7日

秋は犬の換毛期です。冬の寒さから体を守るための大切な準備期間なので、正しくケアしてあげたいですね。この記事では、秋の換毛期に抜け毛が増える理由や、愛犬の冬毛を健康に育てるためのケア方法、トラブルの見分け方を解説します。
犬の換毛期は春と秋の2回!秋は冬毛への生え変わりタイミング
犬の被毛は、春と秋の年2回、大きく生え変わります。これを換毛期(かんもうき)と呼びます。それぞれの換毛期には、以下のような特徴があります。
春の換毛期
冬の厚い毛(冬毛)が抜け、涼しい夏の毛(夏毛)に生え変わります。一般的に、この時期が一年で最も抜け毛が多くなります。
秋の換毛期
夏の薄い毛(夏毛)が抜け、冬の寒さに耐えるための密度の高い厚い毛(冬毛)に生え変わります。春に比べると抜け毛の量は少ないのが一般的です。
秋の換毛期には、これから迎える冬の寒さから体を守るために、体温を外に逃しづらいふわふわで厚い毛が生えてきます。
犬の秋の換毛期はいつからいつまで?
秋の換毛期は9月頃から始まり、11月頃までには冬毛が生え揃うことが多いです。ただし個体差があるほか、住んでいる場所の日照時間や気温によっても時期は前後します。日照時間が短くなって気温が下がってきた頃始まり、本格的な冬を迎える前には終わるイメージです。
とはいえ最近は、室内飼いで1年中快適な室温で過ごせることも増えたので、明確な換毛期が見られないケースや、秋が終わって本格的に寒くなってから毛が生え変わるケースもあります。
秋の換毛期で抜け毛が多くなりやすい犬種
換毛期はすべての犬にあるわけではありません。換毛期があるのは、皮膚を保護するオーバーコート(上毛)と体温調節のためのアンダーコート(下毛)の2種類の被毛を持つ、ダブルコートの犬種です。
皮膚を保護するオーバーコート(上毛)しか持たないシングルコートの犬種は、換毛期による大量の抜け毛はほとんどありません。
抜け毛が多くなりやすいダブルコートの犬種例
- 日本犬・原始犬系:柴犬、秋田犬、北海道犬など
- レトリーバー系:ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー など
- 牧羊犬・使役犬系:ポメラニアン、シベリアンハスキー、コーギー など
抜け毛が少ないシングルコートの犬種例
- トイプードル
- マルチーズ
- ヨークシャーテリア
- ミニチュアピンシャー
- イタリアングレーハウンド など
犬の秋の換毛期が始まったサイン
愛犬に以下のような様子が見られたら、秋の換毛期が始まったサインです。
ブラッシング時に抜け毛が多くなる
普段のお手入れやブラッシングの際に、いつもより明らかに多くの抜け毛がブラシに絡むようになります。
毛の質感が変化する
被毛をめくったときに、オーバーコートの下にある柔らかい綿毛(アンダーコート)が抜け落ちているのが確認できたら、本格的な換毛期のサインです。撫でてあげると、硬くて太い毛(冬毛)の感触も感じ始めます。
寝床に毛が目立つ
愛犬が寝る場所や、ソファ、カーペットなどに、抜け毛が目立って落ちるようになります。
愛犬の冬毛を健康に育てる!正しいブラッシングやケア方法
秋の換毛期は、冬の寒さに備える大切なタイミングです。先にご紹介した換毛期のサインが見られたら、古い夏毛を取り除き、皮膚の血行を促進して、健康な冬毛の成長を促してあげましょう。
ここからは、秋の換毛期に飼い主が行いたいケア方法をご紹介します。
正しいブラッシングで抜け毛を除去する
秋の換毛期で抜け毛が多いときは、基本的に毎日ブラッシングを行いましょう。力を入れてガシガシ行うのではなく、自然な抜け毛を取り除いてあげるように、毛の流れに沿って優しく行います。
毛を適切に除去することで毛玉ができるのを防ぎ、皮膚炎の予防にもなりますし、皮膚の血行が促進されて健康な冬毛の成長をサポートすることにもつながります。
ブラッシングに使うブラシは、以下のようなものがおすすめです。
- スリッカーブラシ: アンダーコートの抜け毛をしっかり掻き出すのに適しています。
- 獣毛ブラシ: 仕上げに使うことで、皮膚の血行を促し、毛にツヤを与えます。特に短毛種におすすめです。
またブラッシングの際には、皮膚に赤みやフケ、かさぶた、しこりなどがないか念入りにチェックしましょう。いつもと違う様子が見られる場合は、動物病院を受診すると安心です。
シャンプーの頻度はいつもどおり
換毛期だからといって、いつもよりシャンプーの回数を増やす必要はありません。いつもどおりの頻度で行いましょう。
換毛期のシャンプーは、毛を濡らす前にしっかりブラッシングを行うことが大切です。抜け毛が多い状態でシャンプーをすると、毛が絡み合って毛玉の原因になります。不要な毛は先に除去してからシャンプーを行いましょう。
乾燥を防ぐ
秋は空気が乾燥するため、犬の皮膚も乾燥しやすいです。皮膚が乾燥すると、フケが出やすくなったり皮膚のバリア機能が低下したりして、冬毛が健康に育たない原因になってしまうことがあります。
冬毛が丈夫に生え揃う土台を作るためにも日頃から以下のようなことを意識して、乾燥を防いであげましょう。
- セラミド、ヒアルロン酸、植物オイルといった保湿成分入りのシャンプーを使う
- ブラッシングの際に、犬用の保湿スプレーや化粧水を軽く吹きかける
- 加湿器を使うなどして、室内の湿度を40~60%に保つ
栄養バランスの良い食事を用意する
換毛期に限った話ではありませんが、愛犬には栄養バランスの良い食事を用意してあげましょう。
換毛期に特に意識したいのは、被毛の主成分であるタンパク質です。新しく丈夫な冬毛を育てるために、しっかり摂取させましょう。動物性タンパク質の含有量が多いフードに変えたり、持病がなければささみや鮭などを与えたりしてもいいでしょう。
トリミングで冬毛をカットしすぎない
秋以降に全身の毛を短く刈りすぎると、冬の寒さに耐えられず体調を崩す原因になります。冬毛への生え変わりが始まったらトリミングはお休みするか、トリマーさんと相談してアンダーコートを刈りすぎないように調整してもらいましょう。
秋の換毛期に注意したいサイン
秋にいつもより抜け毛が多いときは換毛期の自然な脱毛であることがほとんどですが、病気が原因で脱毛している可能性もゼロではありません。以下のサインが見られたら病気の可能性があるため、念のため動物病院を受診しましょう。
- 部分的な脱毛: 体の左右対称ではなく、特定の場所だけ毛が抜けている。
- 皮膚の異常: 脱毛している部分の皮膚が赤く腫れている、ただれている、フケが多い、かゆがっている。
- 毛艶の悪化: 新しく生えてきた毛が明らかにパサついていたり、毛艶が悪かったりする。
犬の換毛期に関する相談はオンラインでも
換毛期に犬の毛が抜けるのは自然な現象ではありますが、愛犬の抜け毛の量や皮膚の状態が気になり「これは正常な換毛期?それとも病気?」と判断に迷うことがあるかもしれません。
そんなときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からビデオ通話で獣医師と繋がり、気になることを相談したり、診察を受けたりすることができます。全国どこからでも利用できるため、困ったときは検討してみてくださいね。