梅雨に犬が体を痒がるのはなぜ?梅雨に起こる皮膚トラブルの原因と正しいケア
2026年6月29日
梅雨に入ってジメジメした天気が続くと、犬がいつも以上に体をかいたり舐めたりすることがあります。梅雨は1年の中でも、犬の皮膚トラブルが急増しやすい季節です。
そこでこの記事では、なぜ梅雨時に犬の皮膚トラブルが増えるのか、その原因や注意すべき犬種、自宅でできる対処法・予防ケアまで解説します。
梅雨になって愛犬が体を痒がる…原因は?梅雨に皮膚トラブルが増える理由
なぜ梅雨になると、犬は体を痒がり始めるのでしょうか?その最大の原因は、梅雨特有の高温多湿にあります。
梅雨に入って湿度が70〜80%を超えると、犬の皮膚の表面にいる常在菌(マラセチア菌やブドウ球菌など)やカビが繁殖しやすくなります。菌が増殖しすぎると皮膚に強い炎症が起き、激しい痒みや赤みを引き起こすのです。
雨の日に散歩に行って濡れてしまい、被毛が生乾きの時間が長くなることも、菌の増殖に拍車をかける原因となります。
梅雨の皮膚トラブルに特に注意が必要な犬種・特徴
梅雨の皮膚トラブルはどんな犬にも起こり得ますが、特に梅雨の影響を受けやすい犬種や身体の特徴があります。愛犬が以下に当てはまる場合は特に注意しましょう。
顔や体に「シワ」が多い犬種
シワが多いと、シワの奥に湿気や汗、汚れが溜まりやすく、雑菌の温床になりやすいです。
フレンチブルドッグ、パグ、シャーペイなどが当てはまります。
耳が垂れている犬種
垂れ耳の子は耳の穴が常に塞がれている状態のため、中の湿度が逃げにくく、耳の中でカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
トイプードル、ミニチュアダックスフンド、ゴールデンレトリバー、コッカー、ビーグルなどです。
長毛種・ダブルコートの犬種
毛量が多いため、雨や湿気で地肌が蒸れると乾きにくく、皮膚がふやけてバリア機能が低下しがちです。
ポメラニアン、コーギー、柴犬などが当てはまります。
アレルギー体質、アトピー性皮膚炎をもつ犬
アレルギー体質の子はもともと皮膚のバリア機能が弱いため、梅雨時期は湿気やカビの増加によって症状が悪化しやすいです。
梅雨に犬に多い皮膚トラブル
梅雨の時期に犬に起こりやすい代表的な皮膚トラブルは、次の4つです。症状や見極めのサインをご紹介します。
指間炎(しかんえん)
足の指の間や肉球の隙間の皮膚が炎症を起こす病気です。 雨の日の散歩などで足先が濡れ、生乾きの状態が続くことで雑菌が繁殖して起こります。
また愛犬が気になって執拗に舐め続けることで、唾液によってさらに湿り、症状が悪化するという悪循環に陥りやすいです。
● 症状やサイン
- 足先や肉球の間が赤く腫れる
- 足先をずっと舐める、噛む
- 炎症の痛みから歩くときに足を少しひきずる
マラセチア皮膚炎
梅雨の高温多湿によって皮脂が増加し、皮脂を餌とする「マラセチア菌」が皮膚上で増殖することで起こる皮膚炎です。
● 症状やサイン
- お腹、脇の下、首回り、足の付け根などが赤くなる
- 皮膚が脂っぽくベタベタになる
- 古い油やツーンとした酸っぱいニオイがする
- 慢性化すると、皮膚がゴワゴワと硬くなる、黒ずむ
膿皮症(のうひしょう)
皮膚に普段からいる常在菌である「ブドウ球菌」が増殖することで起こる皮膚病です。梅雨の湿気で皮膚が蒸れてふやけたり、毛玉が擦れたりして、肌のバリア機能が低下することで起こります。
● 症状やサイン
- お腹や背中、内股などに、ニキビのような小さなプツプツとした黄色い膿や赤みが出る
- 膿が破れるとカサブタが剥がれ落ち、その中心がハゲる
- 痒くて体を舐める、
- ピリピリとした痛みを伴うこともある
外耳炎(がいじえん)
耳の穴から鼓膜までの耳道(じどう)と呼ばれる管が炎症を起こす病気です。原因は様々ですが、梅雨時期は耳の中に湿気がこもって、雑菌やマラセチア菌が繁殖することが原因で起こることが多いです。
● 症状やサイン
- 耳の中が赤く腫れる
- 黒や黄色っぽいベタついた耳垢が大量に出る
- 耳から生臭いにおいがする
- 痒みから後ろ足で耳を必死に掻く、首を激しく振る
梅雨の犬の皮膚トラブルで動物病院を受診する目安
愛犬が体を痒がっているとき、自宅で様子を見ていいのか、それとも動物病院へ行くべきなのか迷ったときは、次の受診の目安を参考にしてください。
自宅で様子を見て良い目安
- ほんの少し赤みがあるが、本人はそこまで気にしていない
- 食事や睡眠、遊びの様子がいつも通りで、元気
- かゆみや赤みが数日で治まった
すぐに動物病院を受診すべき目安
- 皮膚が赤く腫れている、ジュクジュクとただれている
- 患部を掻き壊して血や液が出ている
- 患部を触ろうとすると嫌がる
- 足先を1日中ずっと舐め続けている
- 痒みのせいで睡眠が浅かったり、落ち着きがなかったりする
- 耳垢が大量に出ていて、耳のにおいが明らかに臭い
これらに当てはまらない場合でも、症状が長引くときや心配なときは、一度受診すると安心です。
梅雨時期の愛犬の皮膚トラブルに自宅でできる対処法
ここからは、病院での治療と並行して行いたい、自宅での対処法をご紹介します。病院に行くほどではないけど少し痒そうにしているという初期の段階で行ってみるのもいいでしょう。
痒がっている部分を冷やす
炎症が起きて皮膚が熱を持っていると、痒みが強くなります。保冷剤や氷を清潔なタオルで包み、赤みや痒みがある場所に優しく当てて冷やしてあげると、一時的に痒みが引いて落ち着くことがあります。
ただし冷やし過ぎには注意が必要です。保冷剤は直接当てずに必ずタオルで包み、冷やす時間は数分程度にしてください。
舐めさせない工夫をする
痒みや違和感からしつこく舐めてしまうと、炎症がさらに悪化します。犬用の靴下や包帯を巻く、薄手の服を着せるなど、皮膚トラブルが起きている場所を物理的に覆って舐めないようにしてあげるといいでしょう。
どうしても舐めてしまう場合は、一時的にエリザベスカラーを着用させるのも有効です。ただし犬によってはストレスが溜まることもあるため、動物病院で獣医師と相談しながら着用させてください。
保湿する
ペット用の低刺激なスプレーや、獣医師が推奨するスキンケアローションを使って、こまめに保湿してあげましょう。バリア機能が補われ、改善が早まることがあります。
ただし、人間用の痒み止めや過去に貰った古い薬を塗るのは絶対にNGです。
梅雨の皮膚トラブルを防ぐ!愛犬にやってあげたい予防ケア
皮膚トラブルが起きたときに適切に対処することはもちろん大切ですが、そもそも愛犬に皮膚トラブルが起こらないよう予防してあげることも大切です。
梅雨のジメジメに負けない健康な肌をキープするために、日頃から徹底したい3つの予防ケアをご紹介します。
濡れたらしっかり乾かす
雨の日の散歩後やシャンプー後は、タオルで拭くだけでは不十分です。水分が残ると一気に菌が増殖するため、ドライヤーの弱風を使い、地肌までサラサラになるよう完全に乾かしきってください。
特に指の間、お腹、脇の下、耳の裏を入念にチェックしましょう。
こまめなブラッシングで通気性を確保する
毛玉や抜け毛が体に残っていると、そこに湿気がこもってしまいます。毎日しっかりブラッシングをして、毛の中に風が通るようにしてあげましょう。
エアコンなどで除湿する
梅雨時期に注意したいのが湿度の高さです。エアコンの除湿(ドライ)機能や除湿機などを活用し、室内の湿度を50%前後にキープしましょう。
必要以上の湿気がなくなることで、皮膚をサラサラに保つことができます。
愛犬の皮膚トラブルの相談はオンラインでも
愛犬の皮膚トラブルは、様子を見ていいか病院に行くべきか、判断に迷うこともありますよね。
そんなときは、自宅からスマホのビデオ通話で獣医師に相談できるオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。雨のなか愛犬を病院へ連れて行く負担もなく、自宅でリラックスした状態のまま獣医師の診察を受けることができます。困ったときはぜひ気軽に相談してくださいね。