犬のフィラリア予防薬に副作用はある?知っておきたい症状と安全な使用方法
犬の病気

2026年4月18日

フィラリア予防は大切だけど、薬の副作用が心配という飼い主さんは少なくありません。そこでこの記事では、フィラリア予防薬で起こりうる副作用の症状や、万が一の時の対処法、そして安全に使用するためのポイントを解説します。

犬のフィラリア症とは?

犬のフィラリア症は、正式名称を犬糸状虫症といいます。蚊を媒介して糸状線虫(フィラリア)が犬の体内に入り、心臓や肺動脈に寄生して、重い心肺障害を引き起こします。

放置すると命に関わる危険な病気なので、予防のために、毎年決まった期間に予防薬を投与することが推奨されています。

犬のフィラリア予防薬に副作用はある?

現在流通しているフィラリア予防薬は、何重もの安全試験をクリアしており、正しく使用すれば極めて安全な医薬品です。重篤な副作用が出るのは極めて稀です。
農林水産省に報告されている「動物用医薬品副作用情報」を長年参照しても、フィラリア予防薬による重篤な副作用の報告数は極わずかです。

しかし薬である以上、副作用リスクがゼロではありません。ごく稀に体質に合わないケースや、体調によって反応が出る場合があるのも事実です。

そのためできるだけ副作用が起こらないよう正しく使用することと、副作用の症状を知っておき、いざというときすぐに動物病院を受診できるようにしておくことが大切です。

犬のフィラリア予防薬で起こり得る副作用

犬のフィラリア予防薬を使用すると、まれに以下のような副作用が見られることがあります。

一過性の軽い副作用

錠剤の予防薬を服用後に見られやすい症状です。基本的にはその日様子を見て、翌朝元気なら問題ないケースがほとんどです。

  • 薬の刺激による1回だけの嘔吐、軟便
  • なんとなく元気がなくなる、寝ている
  • 一時的な食欲不振

早めの受診が推奨される副作用

命に別状はないことが多いですが、以下のような症状は、その薬が愛犬の体質に合っていない可能性が高いサインです。翌日まで待たず、早めに動物病院を受診しましょう

  • 激しい痒み・脱毛(スポットタイプ)
  • 何度も繰り返す下痢・嘔吐

命に関わる重篤な副作用

極めて稀ですが、以下のような症状が出た場合は一刻を争います。夜間でも迷わず救急病院を受診してください

  • 顔がパンパンに腫れる、ぐったりして立ち上がれない、呼吸が荒い: 急なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックです。投薬から30分〜1時間以内に起こることがほとんどです。
  • けいれん、ふらつき、目がうつろ: 脳に薬の成分が影響を与えている可能性があり、危険です。

【重要】副作用が起きやすい危険なケースと注意点

フィラリア薬の副作用は、特定の条件が重なった時にリスクが跳ね上がることがわかっています。愛犬が以下の3つのケースに該当しないか、服薬前に必ずチェックしてください。

1. コリー系の犬種

ボーダーコリー、シェットランド・シープドッグ(シェルティ)、オーストラリアン・シェパード、コリーなどの犬種は、遺伝的に「MDR1欠損」という体質を持っている子がいます。

通常、犬の脳には有害な物質が入り込まないようにするバリアがあります。しかしこの遺伝的体質を持っている犬はバリアが弱く、フィラリア薬の成分が脳に直接届いてしまうことがあります。その結果、震えやふらつきといった深刻な神経症状が引き起こされることがあります。

対策として、コリー系の犬には安全な成分の薬を選択するのが一般的です。必ず獣医師に相談し、愛犬に最適な種類の薬を処方してもらいましょう。

2. すでにフィラリアに感染しているケース

体内にフィラリアがいる状態で予防薬を飲むことが、副作用のリスクを最も高めます。

予防薬によって血液中の小さなフィラリアが一斉に死ぬと、その死骸が血管に詰まったり、激しいアレルギー反応を引き起こしたりします。死滅した虫によるショック症状が起こるのです。最悪の場合、投薬から数時間で命を落とす危険性もあります。

これを防ぐために、予防薬を投薬する前に必ず血液検査を受けましょう。血液検査でもし感染が判明した場合は、予防ではなく、獣医師の指導のもと治療計画を立てる必要があります。

3. 体調不良時やワクチン接種前後

健康な時に飲めば問題ない薬でも、愛犬のコンディションが悪い時には体が過剰に反応してしまうことがあります。
下痢や嘔吐がある、熱があるといった免疫力が落ちている状態で薬を投与すると、普段なら跳ね返せるような軽微な刺激でも、重い副作用として現れやすくなります。

また混合ワクチンや狂犬病ワクチンの接種直後は免疫システムが活発に動いているため、その前後1週間ほどは投薬を避けるのが安全です。

フィラリア薬は数日程度であればずらして投薬しても効果に影響はありません。愛犬の体調が万全な日を選んであげてください

フィラリア予防薬の副作用を最小限に抑えるための3つの対策

フィラリア予防薬は、愛犬の健康を守るために大切な薬です。「副作用があるから怖い」と不安になるのではなく、正しい知識を持って安全に投薬することが大切です。

以下の3つの対策を徹底し、副作用のリスクを抑えながら投薬しましょう。

1. 事前検査を必ず受ける

先にご説明した通り、すでにフィラリアに感染している犬に投薬するのが最も危険です。投薬を開始する前に、毎年必ず動物病院で血液検査を受けましょう。

検査を受けずに昨年の残りの薬を投薬するのはリスクが非常に高いため、絶対に避けてください。

 2. 投薬は体調が良い日の午前中に

投薬を忘れないように「毎月〇日に飲ませる」と決める家庭も多いかもしれませんが、その日の愛犬のコンディションや動物病院の診察スケジュールを優先にしてください

少し便がゆるい、食欲がない、なんとなく元気がないなど体調が優れないときは、無理に飲ませず数日延期しましょう。数日程度後ろにずれても、予防効果がなくなることはありません。

また万が一副作用が出ても病院の診察時間内に連絡ができるよう、かかりつけの動物病院の診察時間内、できれば午前中に飲ませるのがベストです。

3. 投薬後2〜3時間は目を離さない

重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)は、多くの場合投薬から数時間以内に現れます。投薬後は愛犬から目を離さず、様子をよく観察してあげてください。そのためにも家を空ける直前の投薬は避け、飼い主が一緒にいてあげられる日を選びましょう

またおやつタイプなどの場合、あとでこっそり吐いてしまう子もいます。吐き出していないかのチェックも行ってください。

4. 愛犬にあうタイプの予防薬を選ぶ

フィラリア予防薬には、以下のようにさまざまな形状があります。無理に飲ませてストレスを与えたり、吐き出させたりしないよう、最適なものを選びましょう。獣医師に相談するのがおすすめです。

  • おやつ(チュアブル)タイプ: 一般的に投与されることが多いタイプ。
  • 錠剤タイプ: 食事制限がある犬や、おやつタイプはアレルギーが出る犬向け。
  • スポットタイプ: 首筋に垂らすタイプ。薬を飲むのが苦手な犬や、お腹が弱い子犬向け。
  • 注射タイプ: 毎月の投薬が難しい犬向け。

フィラリア予防薬で副作用が出たらどうする?

フィラリア予防薬の投与後、先にご紹介した症状がでたり、「いつもと様子が違う」と感じたりしたら、愛犬の安全を保ったうえで動物病院を受診しましょう。無理に吐かせたりする必要はありません。
落ち着いて以下の手順で対応してください。

1. かかりつけの動物病院へ電話する

まずは電話でかかりつけの獣医師の指示を仰ぎましょう。診察時間外の場合は、夜間救急病院へ連絡してください。このとき伝えるべき情報は以下の3点です。

  1. いつ飲ませたか
  2. 飲ませた薬の正式名称
  3. どんな症状が、いつから出たか

2. 必要に応じて受診する

電話で対面で受診するよう指示されたら、病院へ向かいましょう。以下のものが準備できると、診察がスムーズです。

  • 飲ませた薬のパッケージや説明書
  • 吐しゃ物や便の写真
  • 症状の動画

犬の健康に関する相談はオンラインでも

フィラリア予防は大切なことですが、副作用の不安もありますよね。誰に相談していいか分からず、不安を抱えることもあるのではないでしょうか。
そんなときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からビデオ通話で獣医師と繋がり、不安や疑問を何でも相談することができます。フィラリア予防薬の副作用についてももちろん相談が可能です。お困りの際はぜひご検討ください。