2026年4月19日
フィラリア予防は犬の健康を守るために大切なことですが、愛犬がシニア期に入ると、散歩が短くなることや体への負担の心配から、予防薬を飲ませ続けてもいいのか心配になるかもしれません。そこでこの記事では、老犬にフィラリア予防は必要なのかや、体に負担をかけない方法などを解説します。
犬のフィラリア症とは?老犬も予防が必要?
フィラリア症は、「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)」という寄生虫が蚊を媒介して犬の体内に入り、心臓や肺の血管に寄生して起こる病気です。放置すると命に関わる危険性もあるため、蚊が飛ぶシーズン中は月に1回予防薬を投与することが推奨されています。
この予防の必要性は、シニア期でも変わりません。老犬になっても、毎年予防薬を投与するようにしましょう。
老犬にフィラリア予防が必要な理由
前述の通り、老犬でもフィラリア予防は必要です。その大きな理由を3つ解説します。
感染したら治療が難しいから
フィラリアに感染すると、治療のためにはフィラリアを駆逐するための強い薬を使ったり、手術で虫を取り出したりする必要があります。
しかし老犬の場合は、このような治療には体力的に耐えられないことが多いです。感染が発覚したとしても、治療ができない可能性があります。そのため老犬こそ予防薬を投与して、確実に予防する必要があります。
自分で蚊を追い払う力が弱まっているから
老犬は寝ている時間が長く、動きもゆっくりです。そのため家でくつろいでいるときに蚊に狙われてしまうと、自分で追い払うことができず、そのまま刺されてしまう可能性が高いです。
散歩の頻度が低くなったとしても、若い犬以上に感染リスクが高いということを覚えておきましょう。
加齢で見られる状態とフィラリアの症状が似ているから
フィラリアが心臓や肺の血管に寄生すると、血液の流れが悪くなって以下のような症状が出ます。
- 咳が出る
- 息切れする
- お腹が膨らむ(腹水が溜まる)
これらの症状は、老犬によく見られる心臓の老化による症状と似ていて、区別がつきにくいです。子犬や成犬で上記のような症状が出たら心配で動物病院を受診する人が多いと思いますが、老犬の場合「年のせいだろう」と見過ごされかねません。
気づかない間にフィラリアが進行してしまうことを防ぐためにも、予防しておくことが大切です。
老犬に起こる可能性があるフィラリア予防薬の副作用
フィラリア予防薬は非常に安全性が高い薬ですが、シニア期に入ると肝臓や腎臓などの機能が低下することにより、薬の成分を分解・排出する力がゆっくりになるため、若い頃には見られなかった反応が出ることがあります。より慎重な観察が必要です。
投薬から数時間〜24時間以内に、以下のような変化がないかチェックしましょう。当てはまるものがある場合は、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡してください。
嘔吐・下痢・軟便
胃腸の粘膜が弱くなっている場合、薬の刺激で便がゆるくなったり嘔吐したりすることがあります。
老犬が下痢をすると脱水症状を招きやすく、体力を消耗させる原因になるため注意が必要です。こまめに水分を摂らせてください。
元気がない、ぐったりしている
「いつもより寝てばかりいる」「呼びかけても反応が鈍い」「目がうつろ」といった状態にも注意が必要です。
老犬になると寝る時間が長くなるので単にゆっくりしているだけの可能性もありますが、体が薬に反応してぐったりしている可能性もあります。自己判断せずに動物病院に連絡するのが安心です。
皮膚の赤み・かゆみ(スポットタイプの場合)
加齢で皮膚が薄く乾燥しやすくなっている老犬は、スポットタイプの場合、刺激で皮膚炎を起こすことがあります。
呼吸が早い、震えている
老犬の場合、薬が元々持っている持病(心臓病やてんかんなど)に悪影響を与えることがあります。
もし投薬後に「呼吸が速い」「小刻みに震えている」といった異変を感じたら、薬が体に負担をかけているサインかもしれません。
アナフィラキシー症状
最も警戒すべきなのが、アナフィラキシー症状です。非常に稀ではありますが、投薬後数分〜1時間以内に急激なアレルギー反応が起こり、ショック状態に陥ることがあります。老犬は心肺機能が低下しているため、命にかかわる可能性もあり大変危険です。
以下のような症状がある場合は一刻を争うため、すぐに動物病院に連絡し、緊急で受診しましょう。
- 急にバタンと倒れる、立てなくなる
- 苦しそうにハァハァする、喘ぐように呼吸する
- 目の周りや口元がパンパンに腫れ上がる
- よだれが過剰に出る
- 痙攣する
老犬のフィラリア予防で注意したい4つの安全ポイント
シニア犬の体は、若いときに比べて非常にデリケートな状態です。安全に予防できるように、以下のポイントに注意してください。
投薬前に必ず血液検査を受ける
「去年も陰性だったしから」と油断して検査を受けないのはとても危険です。もし万が一知らない間にフィラリアに感染していた場合、検査なしで予防薬を投与すると、激しいショック症状を起こす危険があります。
老犬に限った話では有りませんが、フィラリア予防薬の投与前には必ず血液検査を行ってください。このとき同時に全身の健康診断を行うことを慣例にしておくと、一石二鳥でより安心です。
投薬は動物病院が開いている日の朝に行う
万が一の副作用やショック症状に備えるために、投薬はかかりつけの動物病院が開いている日の朝に行ってください。
重篤な副作用は、投薬後1〜2時間以内に起こることが多いです。何かあったときにすぐに連絡できるようにしておきましょう。
逆に、病院が閉まっている夜や休診日に飲ませるのは絶対に避けてください。
投薬スケジュールは愛犬の体調に合わせる
フィラリア予防薬は毎月決まったタイミングに飲ませる薬ですが、「前回からぴったり30日後」「毎月◯日」という日付にこだわりすぎる必要はありません。
老犬は日によって体調の波があるものです。食欲がない日や元気がない日に無理に飲ませると、体に余計な負荷がかかります。数日ずれても予防効果は変わらないので、ごはんをしっかり食べて、顔つきが良い元気な日を投薬日に選びましょう。
今の愛犬の体に合う薬を選ぶ
シニアになると、これまで飲んでいた薬でも体に負担になることがあります。毎年同じ薬にこだわらず、今年の愛犬の体にあう薬を選びましょう。
たとえばノミ・ダニも一緒に予防できる「オールインワン薬」は便利ですが、シニア犬には成分の種類が多すぎて負担が大きいことがあります。獣医師に相談しながら、最適な薬が選べると良いですね。
愛犬の健康に関する相談はオンラインでも
シニア犬になると健康の心配が増えますが、体力が落ちて通院が難しいこともあるかもしれません。
そんなときには、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅にいながらビデオ通話で獣医師とつながり、愛犬の様子を見せながら受診することができます。診察で必要と判断された場合、お薬の処方も受けられます。困ったときは検討してみてくださいね。