ポメラニアンがなりやすい病気5選|予防方法や受診目安も解説

犬の病気

2026年8月6日

華奢な体にフワフワの毛が愛らしいポメラニアンですが、その体質ゆえに注意が必要なトラブルがあります。愛犬が健康に過ごすために気をつけるべきポイントをあらかじめ知っておくと安心ですよ。
こちらの記事では、ポメラニアンがなりやすい病気の症状や予防方法、受診の目安などをご紹介します。

ポメラニアンの特徴

ポメラニアンには、次のような体質や性格の特徴があります。

華奢な骨と関節

小型犬のポメラニアンは手足の骨がとても華奢で、日常のちょっとした衝撃でも折れてしまうことがあります
また少しの衝撃でも関節がずれやすく、特に後ろ足の膝のお皿が外れやすいのも特徴です。

毛の密度が高い(ダブルコート)

ポメラニアンの毛は、硬くて長い毛(オーバーコート)と柔らかくて密集した毛(アンダーコート)という2種類の毛から成り立つ、「ダブルコート」という構造をしています。
毛の密度が高いため、ケアが不足すると皮膚の通気性が悪くなって皮膚トラブルを引き起こす可能性が高くなります

活発で興奮しやすい

体は小さいですが、運動量が多く興奮しやすいのも特徴です。
興奮すると吠え続けたり呼吸が荒くなったりして、気管や心臓に負担がかかりやすくなるため、持病がある場合は注意が必要です。

甘えん坊な性格

ポメラニアンは、飼い主が大好きで甘えん坊な性格をしています。
そのため長時間の留守番など飼い主と離れる時間が増えるとストレスが溜まり、皮膚を過剰に舐めるなどのトラブルにつながることがあります

ポメラニアンがなりやすい病気・ケガ①膝蓋骨脱臼(パテラ)

どんな病気?

後ろ足の膝のお皿(膝蓋骨)が本来あるべき場所から外れてしまう関節の病気です。「パテラ」と呼ばれることもあります。
ポメラニアンを含む小型犬に見られることが多く、放置して進行するとスムーズに歩けなくなるおそれがあります。

原因は?

膝蓋骨脱臼の原因には、先天性のものと後天性のものがあります。
先天的な原因は、生まれつき膝のお皿がはまる溝が浅いことや、関節周りの靭帯の配置に異常があることです。
ポメラニアンに多いのは、この先天的なケースです。

後天的なものは、滑りやすい床での生活や高い場所からの飛び降りなどによって足腰に負担がかかることが引き金となります。

症状は?

  • 足を引きずって歩く
  • スキップのような歩き方をする
  • ケンケンで歩く
  • 3本足で歩く
  • 腰を落として歩く
  • 痛みで鳴く

受診の目安は?

下記のような様子が見られる場合は、軽度の膝蓋骨脱臼の可能性があるため、一度動物病院で相談すると安心です。

  • スキップのような歩き方をしている
  • 座り方がいつもと違う
  • 後ろ足を頻繁に上げる
  • 痛みで鳴く

下記のような様子が見られる場合は、膝蓋骨脱臼の症状が進行している可能性があるため、早急に動物病院を受診してください。

  • 足を引きずって歩く
  • 3本足で歩く
  • ケンケンで歩く
  • 起き上がれない

予防方法は?

ポメラニアンの膝蓋骨脱臼は遺伝的な要因も大きいため、完全に発症を防ぐのは難しいこともあります。
しかし下記のような環境づくりと体重管理で膝への負担を最小限に抑えることは、発症した場合の症状悪化の予防に繋がります。

自宅の床がフローリングの場合は、滑りにくいようマットやラグを敷きましょう。また高い場所からの飛び降りを防止するために、ソファやベッドには階段やスロープを設置すると良いでしょう。

太ると関節への負担が大きくなるため、フードやおやつの量に気をつけて適正な体重を保つようにしてください。同時にお散歩やバランスボールを使った運動で筋力をつけると良いですよ。

治療方法は?

症状が軽い場合は、痛み止めの内服薬や注射、関節を保護するサプリメントなどを使って治療します。
頻繁に脱臼を繰り返す、痛がって歩かないなど症状が進行している場合は、手術が行われることがあります。

ポメラニアンがなりやすい病気・ケガ②脱毛症

どんな病気?

毛が生え変わるサイクル(毛周期)が止まり、毛が抜けてしまう、ポメラニアンがなりやすい脱毛症のひとつです。
脱毛症は「アロペシアX」「ポメラニアン脱毛症」「毛周期停止」「偽クッシング症候群」などの別名があり、ポメラニアンの飼い主間やSNSでは「ポメハゲ」と呼ばれることがあります。
痒みや痛みを伴わず脱毛だけが見られます。
命に関わる病気ではありませんが、進行すると被毛の質が変化し、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。

原因は?

脱毛症のはっきりとした原因は、現時点では明確になっていません。

ホルモンバランスの乱れや遺伝的な要因が関係しているのではないかと言われています。

症状は?

  • 体が左右対称に脱毛する
  • 顔や足を残し、首周りやお腹、お尻のあたりから脱毛する
  • 被毛が乾燥してツヤがなくなる
  • 脱毛した部分の皮膚が黒っぽく変色する

受診の目安は?

症状の進行を抑えて毛の再生を促すためにも、脱毛症が疑われる症状がある場合はできるだけ早めに動物病院で診てもらいましょう。

予防方法は?

ポメラニアンの脱毛症は原因が解明されていないため、絶対的な予防方法はありませんが、日頃からこまめに毛や皮膚の状態をチェックしてケアを行うことが大切です。
こまめにブラッシングすることで皮膚の血行促進作用も期待できます。

またバリカンを使って毛を短く刈るいわゆる「サマーカット」は、脱毛症の引き金になることがあるため避けた方が良いでしょう。
毛を短くしたい場合は、トリミングサロンや獣医師と相談してハサミで整える程度にとどめておくと安心です。

治療方法は?

ホルモンバランスを調整する薬の服用や、去勢・避妊手術を行うことがあります。
薬を使わず、サプリメントの使用とスキンケアを中心とした治療が行われることもあります。

ポメラニアンがなりやすい病気・ケガ③気管虚脱

どんな病気?

肺に空気を運ぶ「気管」が押しつぶされたように変形し、正常に空気が流れず呼吸が苦しくなる病気です。
症状を放置しておくと徐々に進行し、呼吸困難を引き起こすことがあります。

原因は?

気管虚脱は遺伝的な体質によって起こるとされています。ポメラニアンは遺伝的に気管虚脱を発症しやすい傾向にあります。
肥満や加齢、慢性的な呼吸器の疾患、興奮しやすい性格や首輪で強く引っ張る習慣などは、症状を悪化させる要因となります。

症状は?

  • 「ガーガー」という呼吸音がする
  • 乾いた咳が続く
  • 興奮した後や運動の後に咳き込む
  • 咳の後に吐き気のような素振りをする
  • 呼吸が荒く、しばらく落ち着かない
  • 口を開けて苦しそうに呼吸する
  • 舌や歯茎の色が紫色や青白くなる

受診の目安は?

気管虚脱は放置していると症状が進行する病気です。気管虚脱が疑われる症状が見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
特に下記のような場合は、症状が重度に進行して命に関わる危険があるため、早急に動物病院を受診してください。

  • 口を開けて苦しそうに呼吸している
  • 舌や歯茎の色が紫色や青白くなっている
  • 呼吸が苦しくて倒れてしまう、失神する

予防方法は?

肥満は気道や呼吸器に負担をかけます。愛犬が太りすぎないように、フードはパッケージに記載されている適量を与えるようにしましょう。
暑さも呼吸器に負担をかけるため、エアコンで室温を管理して快適に過ごせるようにしてください。

また首輪を着用させると、気管を直接圧迫してしまうことがあります。お散歩の際は首輪ではなくハーネスを選ぶのも良いでしょう。

治療方法は?

症状が軽度の場合は、咳止めや去痰剤、抗生物質、抗炎症薬などが処方されます。酸素の吸入が行われることもあります。
薬での治療が難しい場合は、気管が潰れないように補強したり気管を広げたりする手術が行われることがあります。

ポメラニアンがなりやすい病気・ケガ④僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

どんな病気?

心臓の「僧帽弁」と呼ばれる血液の逆流を防ぐドア(弁)が閉じなくなることで、血液の逆流が起こる病気です。
初期は無症状ですが、進行すると心不全や肺水腫など命に関わることもあります。

原因は?

現時点ではっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的な体質や加齢によって僧帽弁が徐々に変形することが関係していると言われています。
ポメラニアンは遺伝的に僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種です。

症状は?

初期には目立った症状が見られず、動物病院を受診した際に心雑音が聞こえることで僧帽弁閉鎖不全症が見つかることが多いです。
徐々に進行すると、下記のような様子が見られることがあります。

  • 疲れやすい
  • あまり動きたがらない
  • 食欲が低下する
  • 夜間や明け方に咳が出る

症状が重度に進行すると下記のような症状が現れることがあります。

  • 「ゼーゼー」という呼吸音がする、苦しそう
  • 舌や歯茎が紫色、青白い
  • 失神する

受診の目安は?

僧帽弁閉鎖不全症は、症状に気づいたときには病気が進行していることが多いです。ご紹介したような症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
特に重度の症状が見られる場合は命に関わる可能性があるため、早急に受診してください。

予防方法は?

僧帽弁閉鎖不全症の初期は無症状なので、定期的に健康診断を受けて病気の早期発見をすることが大切です。初期のうちに見つけることができれば、薬で心臓の負担を減らし進行を遅らせることができます。
また肥満は心臓への負担が大きくなります。フードは愛犬のライフステージや体重に適した量を与えましょう。

治療方法は?

心臓のポンプ力を強化する薬や利尿剤、血圧を下げる薬などで心臓の負担を減らす治療をすることが多いです。
症状や病院によっては、僧帽弁を修復して血液の逆流を防ぐ手術が行われることもあります。

ポメラニアンがなりやすい病気・ケガ⑤皮膚トラブル

どんな病気?

犬の皮膚のトラブルには様々なものがありますが、特に起こりやすいのは、特定の食べ物を食べた際に起こる食物アレルギーや、ホコリ、花粉、ダニなどと接触した際に起こるアトピー性皮膚炎、皮膚に元からいるカビが異常に増殖するマラセチア皮膚炎などです。

原因は?

食物アレルギー

牛肉や鶏肉、小麦などアレルゲンとなる食べ物を食べることによって起こります。

アトピー性皮膚炎

ダニやホコリ、花粉などの環境アレルゲンと接触することや、皮膚のバリア機能の低下などが原因で起こります。

マラセチア皮膚炎

マラセチアのエサになる皮脂が多い、高温多湿な環境、皮膚のバリア機能が低下しているなどの条件が重なったときにマラセチアが異常に増殖して起こります。

症状は?

食物アレルギー

  • 皮膚に赤み、痒みが出る
  • 掻くことによって毛が抜ける
  • 皮膚が厚くなる
  • 下痢や嘔吐をする

症状が進行すると下記のような症状が現れる場合があります。

  • 呼吸が荒い、苦しそう
  • 激しい下痢や嘔吐を繰り返す
  • ぐったりする、意識が朦朧とする
  • 顔面や目の周りが腫れる

アトピー性皮膚炎

  • 皮膚に赤み、湿疹、痒みが出る
  • 痒みで掻いたり舐めたりして毛が抜ける
  • 皮膚が分厚くなる、黒ずむ

マラセチア皮膚炎

  • 皮膚に強い痒みが出る
  • 皮膚がベタつく
  • フケが出る
  • 脂っぽい独特の臭いがする
  • 痒みで掻いて毛が抜ける
  • 皮膚が分厚くなる、黒ずむ

受診の目安は?

先にご紹介した皮膚トラブルは自然に治ることはほとんどなく、動物病院での治療が必要です。そのため、先にご紹介したような症状が見られる場合はできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる場合は、重篤なアレルギー反応が起こっていたり炎症が重度に進行していたりする可能性があるため早急に受診してください。

  • 患部を触ると激しく怒る、鳴く
  • 皮膚を掻きすぎて血や膿が出ている
  • 皮膚が赤くただれている
  • 呼吸が苦しそう
  • 顔面や目の周りが腫れている
  • 元気・食欲がない

予防方法は?

愛犬のアレルゲンがわかる場合は、アレルギー用のフードにする、こまめに掃除をする、空気清浄機を活用するなどして、愛犬からアレルゲンを避けるようにしましょう。

またポメラニアンは毛量が多いため、できるだけ毎日ブラッシングをして抜け毛を取り除き、皮膚の通気性を保つことも大切です。

治療方法は?

原因や症状に応じて、抗菌薬、抗真菌薬、抗炎症薬、ステロイドなどが処方されます。薬での治療と並行して、薬用シャンプーでの洗浄やローションでの保湿など自宅でのケアも大切です。
食物アレルギーが原因の場合は、アレルギー対応フードへの変更を指示されることがあります。

ポメラニアンに元気に過ごしてもらうために家庭でできる病気予防

ここからは愛犬が元気に過ごすために、日頃から家庭でできるケア方法をご紹介します。ここまでにご紹介した病気やケガの予防方法と合わせて、毎日の生活の中で意識してみてください。

定期的に健康診断を受ける

目立ったトラブルがない場合でも、定期的に健康診断を受けましょう。
基本的には1年に1回、7歳以降のシニア期に入ったら半年に1回のペースで受けるのが良いでしょう。
健康診断では病気の早期発見ができるほか、愛犬の体質に合ったケアの方法を獣医師から教えてもらうこともできます。

愛犬に合ったフードを適量与える

愛犬の健康を守るためには、バランスのとれた食事を与えるのも大切です。
ライフステージや体質に合ったフードを適量与えましょう。
どのフードを食べさせるか悩んだ場合は、獣医師に相談しながら選ぶのがおすすめです。

また太り過ぎは病気やケガのリスクを高めるため、おやつをあげる量が多かった日はフードを減らすなど、1日の中で調整するようにしてください。

ストレスを発散させる

ストレスが溜まると、自分の皮膚を過剰に舐めたり掻いたりして皮膚トラブルにつながる可能性があります。
長い留守番の後には飼い主と過ごす時間を多めに作る、運動不足のときは長めの散歩をするなど、意識的にストレスを発散させてあげましょう。

ポメラニアンの健康や病気の相談はオンラインでも

愛犬の様子がいつもと違って気になることがあるときは、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛犬の様子を獣医師に診てもらい、症状やケアの方法について相談することができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。