サイベリアンがかかりやすい病気5選|予防方法や受診目安も解説

猫の病気

2026年8月12日

フワフワの毛を持つ大型のサイベリアンは、その特徴ゆえに気をつけたい健康上のポイントやかかりやすい病気があります。こちらの記事では、サイベリアンがかかりやすい病気の症状や予防方法、受診の目安などを解説します。

サイベリアンの特徴

サイベリアンには、下記のような特徴があります。

大型で頑丈な体

サイベリアンは猫の中では大型の部類で、筋肉質で骨太、頑丈な体型が特徴です。
骨格が大きく太りやすい体質でもあるため、関節や心臓への負担がかからないよう、日々の体重管理が重要です。
また成長のスピードが緩やかで、他の猫種が成猫の大きさになるのは約1年ほどですが、サイベリアンの場合は3〜5年ほどかけて大きくなります。

密度が高い毛

サイベリアンの被毛は「トリプルコート」と呼ばれる構造で、3種類の毛がみっしりと生えています。他の猫種の被毛は多くても2種類(ダブルコート)までで、トリプルコートは非常に珍しいです。
3種類の毛には、それぞれ下記のような特徴があります。

  • オーバーコート:1番外側にある毛で、水を弾いたり乾燥を防いだりする
  • ミドルコート:中間層にある毛で、断熱効果がある
  • アンダーコート:1番内側に生えている柔らかい毛で、体温を保つ役割がある

この高い密度の毛によって体に熱がこもりやすいため、暑さに弱い猫種とされています。
また毛づくろい時に大量の毛を飲み込んで胃腸に詰まらせる「毛球症」にも注意が必要です。

好奇心旺盛でアクティブ

サイベリアンは好奇心旺盛でアクティブな性格をしています。
太りやすい猫種でもあるので、おもちゃやキャットタワーを用意して体を動かす遊びをさせてあげると、心身の健康に良いですよ。

サイベリアンがなりやすい病気①ピルビン酸キナーゼ欠損症

どんな病気?

赤血球の中にある「ピルビン酸キナーゼ」という酵素が不足することで、赤血球が壊れやすくなり、慢性的な貧血を引き起こす病気です。

原因は?

主な原因は遺伝です。サイベリアンは遺伝的にピルビン酸キナーゼ欠損症が起こりやすい猫種とされています。

症状は?

貧血が起こることで下記のようなサインが見られます。

  • 耳や歯ぐきの色が白っぽくなる
  • 元気・食欲がなくなる
  • ふらつく
  • 運動すると疲れやすい
  • 呼吸が速い
  • 赤茶色の尿が出る
  • 皮膚や白目が黄色っぽくなる(黄疸)

受診の目安は?

ピルビン酸キナーゼ欠損症が疑われる症状が見られたら早めに動物病院で診てもらいましょう。
特に下記のような場合は貧血が重度に進行している可能性があるため、早急に受診してください。

  • 歯ぐきや舌の色が白っぽくなっている
  • 呼吸が速い、荒い
  • ぐったりしている
  • 食欲が全くない
  • 濃い赤茶色の尿が出る

予防方法は?

ピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝性の病気なので、発症自体を防ぐ予防方法はありません。
発症後に病気の進行を抑えたり生活の質を保ったりするために、自宅でケアをすることが大切です。
十分な栄養を摂取するために、栄養価が高く消化しやすいフードを与えましょう。
また急な環境の変化などのストレスや激しい運動は、貧血を悪化させる可能性があるため避けましょう。

治療方法は?

貧血が軽度の場合は安静に過ごし、運動を制限することで体への負担を減らします。
重度の貧血になった場合は、輸血を行うことがあります。
症状や獣医師の判断によっては、脾臓(ひぞう)を摘出する手術を行うケースがあります。

サイベリアンがなりやすい病気②肥大型心筋症

どんな病気?

心臓の筋肉が異常に分厚くなり、血を全身にうまく送り出せなくなる病気です。進行すると、命に関わることもあり危険です。

原因は?

主な原因は遺伝と考えられています。
サイベリアンは遺伝的に肥大型心筋症になりやすい猫種です。

甲状腺機能亢進症や高血圧などの病気が原因で起こることもあります。

症状は?

肥大型心筋症は初期症状がほぼ見られず、進行することで下記のような様子が見られることがあります。

  • 呼吸が速くなる
  • 口を開けて苦しそうに呼吸する
  • 寝ている時間が増える
  • 元気がない
  • 体重が減る
  • 食欲が落ちる
  • 後ろ足が麻痺して動かない
  • 痛みで鳴く

受診の目安は?

肥大型心筋症が疑われる症状が見られたら、動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる場合は緊急性が高いため、早急に受診してください。

  • 呼吸が速い(1分間に40回以上)
  • 口を開けて苦しそうに呼吸している
  • ぐったりしている
  • 後ろ足が急に動かなくなった
  • 痛みで激しく鳴く

予防方法は?

遺伝が原因で起こる肥大型心筋症は現時点で予防方法はないので、早い段階で発見して病気の進行を防ぐために、少なくとも1年に1回心臓のエコー検査を受けるのが良いでしょう。

甲状腺機能亢進症や高血圧などの病気が原因で起こる肥大型心筋症にも確立した予防方法はありません。
しかし年に1〜2回健康診断を受けて病気の早期発見・治療を行うことや、獣医師に相談した上で愛猫の状態に適した食事を意識することで、肥大型心筋症の予防につながる場合があります。

治療方法は?

症状に合わせて薬を服用し、病気の進行を遅らせることがほとんどです。
血管拡張薬、利尿剤、心筋の働きを助ける薬などが使われることが多いです。

サイベリアンがなりやすい病気③毛球症

どんな病気?

毛づくろいで飲み込んだ猫自身の毛が胃腸の中でかたまり(毛球)になって、体内に留まってしまう病気です。

原因は?

毛球症は、猫が自身の毛を大量に飲み込むことで起こります。
ブラッシングが不足していたりストレスが溜まっていたりすると、毛づくろいの頻度が高まって飲み込む毛の量が多くなるため、毛球症が起こりやすくなります。
サイベリアンは毛の密度が高いため、他の猫種よりも毛づくろいで飲み込む毛の量が多く、毛球症になりやすいとされています。

症状は?

毛球症になると下記のような症状が現れます。

  • 吐き気がある
  • 嘔吐の回数が増える
  • 便が硬い、出にくい
  • 食欲が落ちる
  • お腹を痛がる

重症化すると下記のような症状が現れることがあります。

  • 水を飲んでもすぐに吐く
  • 何度も激しく吐く
  • 何も食べない、飲まない
  • 腹痛でお腹を触られるのを極端に嫌がる
  • ぐったりする

受診の目安は?

毛球症が疑われる症状がある場合は、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような場合は、お腹に毛のかたまりが詰まってしまう「腸閉塞」や重度の脱水を起こしている可能性があり危険です。早急に動物病院を受診してください。

  • 何度も激しい嘔吐を繰り返す
  • 吐こうとするが何も出ない
  • 水を飲んでもすぐに吐く
  • 丸1日以上ご飯を食べない、水を飲まない
  • 24時間以上排便がない
  • ぐったりしている
  • お腹を触られるのを極端に嫌がる

予防方法は?

毛球症の予防には、定期的なブラッシングでいらない毛を取り除くことが大切です。特にサイベリアンは毛が多い猫種なので、こまめにブラッシングを行いましょう。
毛の抜ける量が増える春と秋の換毛期はできるだけ毎日、それ以外の時期も週に2〜3回はブラッシングしてあげられると良いですね。
毛玉ケア用のフードやサプリメントを活用するのもおすすめです。

またストレスが溜まると毛づくろいの頻度が高くなり、毛球症が起こりやすくなります。
サイベリアンはアクティブな遊びを好む子が多いため、高めのキャットタワーを用意したり、猫じゃらしやボールなど追いかけるおもちゃで遊んであげたりして、ストレスを発散させてあげましょう。

治療方法は?

毛球症の治療は投薬や食事療法を行うことがほとんどです。
毛の排出を促す薬や胃腸の働きを助ける薬、便を柔らかくする薬、毛球症用のケアフードなどを使い、便と一緒に自然と排出されることを目指します。
基本的には投薬や食事で改善することが多いですが、毛玉が大きすぎて自力で排出できない場合や毛玉が腸に詰まって腸閉塞を起こしている場合は、全身麻酔を使った手術が必要になる可能性があります。

サイベリアンがなりやすい病気④尿路結石症

どんな病気?

尿の通り道に石のようなもの(結石)ができる病気です。
結石が尿の通り道に詰まってふさがってしまうと、命に関わることもあります。

原因は?

水分不足、肥満、栄養バランスの乱れ、ストレスによって、尿の酸性・アルカリ性のバランスが崩れることが原因で起こります。
サイベリアンは食欲旺盛で肥満になりやすい体質のため、尿路結石症になるリスクが高いです。

症状は?

尿路結石症になると下記のような症状が現れます。

  • 尿の色が濃い
  • ピンク色、赤茶色などの血尿が出る
  • 尿の回数が多い(少量で何度もする)
  • 排尿時に痛みで鳴く
  • トイレ以外の場所で排尿をする
  • お腹を触ると嫌がる

受診の目安は?

尿路結石症が疑われる症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる場合は、尿の通り道が結石で詰まる「尿道閉塞」を起こしている可能性があり危険です。早急に受診してください。

  • 何度もトイレに行くのに全く尿が出ない
  • お腹を触ると極端に嫌がる
  • ぐったりしている
  • 他の尿路結石症の症状とともに嘔吐している

予防方法は?

結石を作らないためには、水分を十分に摂ることが大切です。
水飲み場を自宅に複数用意する、自動給水器で興味を引く、ウェットフードを活用するなど、愛猫が水分をしっかり摂れる方法を見つけられると良いでしょう。
また食事量を管理したり、キャットタワーやおもちゃを使った適度な運動を取り入れたりして、太り過ぎを防ぐようにしましょう。

治療方法は?

症状が軽度の場合は、食事療法や薬で治療します。
結石を溶かして排出することを目的としたフードを与えながら、症状に応じて抗生物質や抗炎症剤を投与します。
尿の通り道に結石が詰まっている場合や結石が大きすぎる場合は、結石を直接取り除いたり詰まりを解消したりするための手術をすることがあります。

サイベリアンがなりやすい病気⑤多発性嚢胞腎

どんな病気?

腎臓に液体が詰まった小さな袋(嚢胞)が多数作られ、それが徐々に大きくなることで腎臓の機能が低下していく病気です。

原因は?

遺伝子の異常が原因で起こります。
サイベリアンは遺伝的に多発性嚢胞腎になりやすい猫種です。

症状は?

初期は目立った症状はありません。
症状が進行して嚢胞が増えると、下記のような症状が見られます。

  • 水を飲む量が増える
  • 尿の量が増える
  • 食欲にムラが出る
  • 体重が減る
  • 毛艶が悪くなる

さらに症状が進行して腎臓の機能が低下すると、下記のような症状が見られます。

  • 食欲が低下する
  • 嘔吐する
  • よだれが出る
  • 動きたがらない、元気がない
  • 口の中が乾燥する、粘つく、眼球がくぼむ(脱水)
  • 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
  • けいれんが起こる

受診の目安は?

先にご紹介した多発性嚢胞腎の症状が見られる場合は、すでに病気が進行している可能性があります。早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような場合は、重症化して腎機能が低下しているおそれがあるため、早急に動物病院を受診してください。

  • 食欲が低下する
  • 嘔吐する
  • よだれが出る
  • 動きたがらない、元気がない
  • 口の中が乾燥する、粘つく、眼球がくぼむ(脱水)
  • 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
  • けいれんが起こる

予防方法は?

多発性嚢胞腎は遺伝性の病気なので、現時点では明確な予防方法はありません。
早めに病気を発見して進行を遅らせるケアをすることが大切なので、半年〜1年に1回は定期健診で腎臓のエコー検査を受けるようにしましょう。

治療方法は?

現時点では多発性嚢胞腎を根本的に治すための治療方法はありません。
症状を緩和したり進行を遅らせたりするために、嚢胞の成長を抑える薬を使う、腎臓の負担を軽くするサプリメントや療法食を取り入れる、点滴で尿量を増やして老廃物の排出を促すなどの治療が行われることがあります。

サイベリアンに元気に過ごしてもらうために家庭でできる病気予防

ここからはサイベリアンが元気に過ごすために家庭でできる病気予防方法をご紹介します。

健康診断を受ける

目立ったトラブルがない場合でも、1年に1回は動物病院で健康診断を受けましょう7歳以降のシニア期に入ったら、半年に1回受けると安心です。
サイベリアンに限らず猫は不調を隠すのが得意なので、定期的に動物病院で診てもらうと飼い主が気づいていなかったトラブルが見つかることもあります。
獣医師に愛猫の体質や性格に合ったケア方法を教えてもらうこともできますよ。

バランスの良い食事を適量与える

サイベリアンのがっしりとした大きな体の健康を維持するためには、バランスの良い食事が欠かせません。
筋肉質な体を支えるための良質なたんぱく質が含まれたフードや、毛球症を予防するためのフードなど、愛猫に合ったものを与えましょう。
ただしサイベリアンは食欲旺盛な子が多く太りやすいため、量は与えすぎないようにしてください。フードのパッケージに記載された量を守りましょう

適度な運動を取り入れる

サイベリアンの筋肉質な体を維持するために、適度な運動も大切です。運動不足は肥満やストレスの素となるため、意識的に運動させるようにしてください。
頑丈で高さのあるキャットタワーで上下運動をさせる、ボールや猫じゃらしを使って走らせるなど、体をしっかり動かす遊びがおすすめです。

室温の管理をする

密度が高い毛を持つサイベリアンは、皮膚に熱がこもりやすく暑さに弱いため、夏場は特に注意が必要です。
エアコンを活用して、室温を25℃以下に保ちましょう。冷感マットを用意するのもおすすめです。

サイベリアンの健康や病気の相談はオンラインでも

愛猫の健康状態に心配な点がある際は、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛猫の様子を診てもらい、症状やケアの方法についてアドバイスがもらえます。医師が必要と判断した際には薬の処方をしてもらうことも可能です。困ったときは利用を検討してみてくださいね。