ラグドールがなりやすい「肥大型心筋症」初期症状や治療方法、原因などを解説
2026年8月13日
ラグドールは遺伝的に「肥大型心筋症」になりやすい猫種と言われています。「肥大型心筋症」は初期症状が見られることが少なく、知らないうちに進行してしまうリスクがあるため、ラグドールを飼う上では知っておきたい病気です。そこでこちらの記事では、「肥大型心筋症」の原因や早期発見のために行う検査、治療法などをご紹介します。
猫の肥大型心筋症とは?
肥大型心筋症とは、心臓の壁を作っている「心筋」という筋肉が、心臓の内側に向かって異常に厚くなる病気です。
心筋が厚くなると、心臓が全身へ血液を十分に送り出せなくなり、進行すると命に関わることもあります。
初期はこれといった症状が出ず、気づいた頃には重症化しているというケースも少なくないため、定期的な検査で早めに病気を発見することが大切です。
ラグドールは肥大型心筋症になりやすい?
ラグドールは、肥大型心筋症になりやすい猫種とされています。
肥大型心筋症の発症には、心筋の働きを司る遺伝子の変異が関わっているとされていて、ラグドールは遺伝的にこの変異が起こりやすいのです。
ラグドールの肥大型心筋症の初期症状と危険な兆候
肥大型心筋症の初期症状はわかりづらく、発症した猫の約3〜5割が初期段階では無症状だと言われています。
病気が進行するにつれて徐々に下記のような症状が現れますが、加齢によるものと思われがちで、発見するのが難しいことも多いです。
- 遊ぶ時間が減る、あまり動かなくなる
- 疲れやすくなる
- 咳をする
- 食欲が低下する
- 体重が徐々に減る
また下記のような症状が見られる場合は、症状が重度にまで進行して、肺に水が溜まって溺れたような状態になる「肺水腫」や血管に血の塊が詰まる「血栓塞栓症」を起こしている可能性があります。
危険な状態なので、早急な受診が必要です。
- 口を開けて苦しそうに呼吸をする
- 呼吸が速い
- 突然後ろ足が動かなくなったり引きずったりする
- 失神する
ラグドールの肥大型心筋症は治るの?
肥大型心筋症は、現時点では完治させる方法は見つかっていません。
しかし早期に病気を発見して適切な対応を行えば、進行を抑えたり症状を緩和したりすることが可能です。
ラグドールの肥大型心筋症は検査が必要?診断方法は?
前述の通り、肥大型心筋症の初期段階は無症状のことが多いです。そのため、定期的に検査をして早い段階で病気を見つけることが大切です。
下記のような検査が発見につながります。
聴診
聴診器で心臓の音を聞く検査です。肥大型心筋症になると、心音に雑音が混じることがあります。
ただし肥大型心筋症の約3割は心雑音が聞こえないと言われているため、聴診だけで診断を確定することはできません。
超音波検査(エコー)
肥大型心筋症の診断をするにあたって最も信頼性が高い検査です。
超音波を当てて心臓の断面をリアルタイムで観察し、心筋の分厚さや血液の流れなどを測ります。
胸部レントゲン検査
レントゲンを撮影し、心臓全体の大きさや形、肺に水が溜まっていないかなどを確認する検査です。
血液検査
血液を採取して、心筋に負担がかかることで分泌されるホルモンの量を測ります。
該当のホルモンの数値が高い場合は心臓病が隠れている可能性が高いです。
遺伝子検査
採血または頬の内側の細胞を採って行う検査です。
肥大型心筋症を引き起こす遺伝子変異を持っているかどうかを調べます。現在発症しているかや、将来必ず発症するかどうかまでは判断できませんが、発症リスクの高さを知るための重要な指標になります。
ラグドールの肥大型心筋症の治療方法と費用
先にもご説明した通り肥大型心筋症を完治させることは難しいですが、症状の進行を抑えたり突然死や麻痺の原因となる血栓症を防いだりするために、症状に合わせた薬で治療を行います。
具体的には、血管を拡張する薬、心拍を整える薬、利尿剤、抗血栓薬などが使われることが多いです。
薬は1回服用すれば終わりというわけではなく、生涯にわたって服用を続ける必要があります。
治療費用は症状や動物病院によって異なりますが、一般的な目安は下記の通りです。
- 診察料:1,000〜3,000円
- 血液検査:5,000〜12,000円
- レントゲン検査:5,000〜10,000円
- 心エコー検査:10,000〜20,000円
- 薬代(1ヶ月分):5,000〜20,000円
これに加えて呼吸困難や血栓症などの合併症が起こると、入院や集中治療が必要になり、数万〜数十万円の治療費がかかる可能性があります。
肥大型心筋症を発症したラグドールに家庭でできるケア方法
肥大型心筋症を発症した場合、毎日の自宅でのケアが愛猫の心臓の負担を軽減する鍵となります。治療と並行して、下記のようなケアを行ってみてください。
安静にしているときに呼吸数を測る
肥大型心筋症が悪化して肺に水が溜まり始めると、呼吸数が増加します。万が一の悪化の兆候を素早くつかむために、日頃から呼吸数を確認するようにしましょう。
愛猫が寝ているとき、またはリラックスして横たわっているときに、1分間でお腹や胸が上下する回数を測ります。
1分間に15〜25回であれば正常とされています。1分間に30回以上、または普段より明らかに呼吸が速い、苦しそうな場合はすぐに動物病院を受診してください。
激しい運動を制限する
急なダッシュや高い場所へのジャンプのような心臓に負担がかかる運動は避けましょう。
高さのあるキャットタワーは撤去して、ジャンプしないようにします。
また猫じゃらしのような連続してジャンプするおもちゃは避け、ボールなど床をゆっくり転がるようなおもちゃで遊ぶと良いですよ。
太らせないようにする
体重が増えると心臓に負担がかかります。フードやおやつを食べさせ過ぎないように注意しましょう。
フードはパッケージに記載されている適量を与えるようにしてください。
ただし運動制限の指示がある場合は、通常のフード量を食べさせると体重が増えてしまうことがあります。獣医師に相談しながら与える量を調整すると良いでしょう。
急な温度変化を避ける
寒暖差が激しいと心臓に負担がかかります。エアコンを活用して、愛猫が生活する空間の温度をできるだけ一定に保ちましょう。また必要に応じてクールマットや毛布を用意し、愛猫が快適に過ごせるような環境を整えてあげてください。
エアコンを設定する際は、夏場は27〜28℃、冬場は20〜22℃、湿度は50〜60%ほどにするのがおすすめです。
落ち着ける場所を用意する
来客や大きな音などの急な刺激は、愛猫の心拍数を急上昇させて心臓に負担をかける可能性があります。
万が一驚いてしまったときでも、すぐに隠れて落ち着ける場所をあらかじめ用意してあげましょう。
すっぽり隠れられる箱や屋根つきのベッドなど、周囲の視線や音を遮断できる場所を家の中にいくつか用意してあげると良いですよ。
ラグドールの肥大型心筋症は予防できる?
肥大型心筋症の原因は遺伝子によるものなので、発症そのものを予防することはできません。
ただし、病気を早期発見して進行を抑えたり合併症を防いだりすることは可能です。
ラグドールをお迎えしたら、若いうちに遺伝子検査を受けて発症のリスクを把握し、日頃から心臓への負担を軽くするためのケアを行ったり、定期的に動物病院で健診を受けたりすることが大切です。
ラグドールの健康の相談はオンラインでも
愛猫の健康で心配なことがあるときに、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、少しの変化で動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛猫の様子を獣医師に診てもらい、健康上の気になることについて相談ができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。