ラグドールがなりやすい病気4選|健康を守るためにできることや受診目安も解説
2026年8月13日
フワフワの毛と大型の体格、穏やかな性格が魅力のラグドール。その体質や性格ゆえに気をつけるべき健康上のポイントや、起こりやすいトラブルがあります。こちらの記事では、ラグドールがなりやすい病気の症状や受診目安、予防方法などをご紹介します。
ラグドールの特徴
ラグドールには下記のような体質や性格の特徴があります。
大型の体格
ラグドールは猫の中でもトップクラスの大きさです。
成猫でオスは6〜9kg、メスは4.5〜6kgほどになり、がっしりとした体型をしています。
一般的に猫は1年ほどで成猫になることが多いですが、ラグドールは骨格や体重が完成するまでに3〜4年ほどかかります。
長く柔らかい被毛
フワフワとしたセミロング(中長毛)の被毛もラグドールの大きな特徴です。
毛量も多いため、美しい毛と皮膚の健康を保つために日頃のブラッシングが欠かせません。
落ち着いていて人懐こい
ラグドールは落ち着いていておっとりとした性格の子が多いです。その性格ゆえに運動量が少なく、太りやすい傾向にあります。
人懐こい性格でもあるので、おもちゃを使って一緒に遊んであげると、運動不足の解消やストレス発散になります。
ラグドールがなりやすい病気①肥大型心筋症
どんな病気?
心臓の壁を作っている筋肉(心筋)が厚くなる病気です。
心筋が厚くなると全身に血液をうまく送り出せなくなり、全身に様々な不調をきたします。
進行すると肺に水が溜まる「肺水腫」、血の塊が血管に詰まる「血栓塞栓症」などを引き起こし、命に関わるケースもあります。
原因は?
肥大型心筋症の主な原因は、遺伝子の異常です。
心筋の動きに関わる遺伝子に変異が起こることが発症に関わっているとされています。
症状は?
肥大型心筋症は、初期段階では無症状であることが多いです。
病気が進行すると心臓がうまく広がれなくなり、血液が肺に滞ることで肺水腫や胸水を引き起こします。その結果、呼吸器に異常が現れ、下記のような症状が見られます。
- 遊ぶ時間が減る、あまり動かなくなる
- 疲れやすくなる
- 咳をする
- 食欲や元気が低下する
- 安静時の呼吸が早くなる(1分間に40回以上)
さらに心臓の機能低下が進行すると血栓ができやすくなり、それが血管を通って全身に飛んでしまうと大変危険な状態になります。次のような症状に注意しましょう。
- 後ろ足が麻痺して動かなくなる、引きずる
- 後ろ足の肉球が白や紫色に変色する
- 強い痛みで激しく鳴く・暴れる
- 足が冷たくなる
受診の目安は?
肥大型心筋症の初期段階はわかりやすい症状がなかなか見られないため、判断が難しいですが「疲れやすくなった」「食欲が低下している」など、いつもと様子が違うと感じたら早めに動物病院を受診してください。
また先にご紹介した肥大型心筋症に当てはまる症状がみられたら、症状が進行している可能性があり危険です。早急に動物病院を受診してください。
予防方法は?
肥大型心筋症は遺伝子の異常による病気なので、発症を完全に予防することはできません。
ただし早期に発見できれば、病気の進行を遅らせたり症状を緩和したりすることは可能です。
若いうちから遺伝子検査や超音波検査(心エコー)を受けて、愛猫の発症リスクを把握しておきましょう。
また日ごろから心臓に負担をかけない生活を心がけましょう。
太りすぎないよう、フードの量はパッケージに記載されている量を守りましょう。
急な温度の変化や高温多湿な環境は心臓への負担になるため、エアコンで室温と湿度を調整してください。
運動については、特に制限する必要はありません。無理のない範囲で過ごさせてあげることが大切です。
治療方法は?
現時点では根本的な治療方法はなく、生涯にわたる投薬によって症状を緩和したり病気の進行を遅らせたりする治療が中心です。
血管を拡張する薬、心拍を整える薬、利尿剤、抗血栓薬などが使われます。
ラグドールがなりやすい病気②尿石症
どんな病気?
尿に含まれる成分が結晶化し、砂や石のようなもの(結石)となって尿の通り道に溜まってしまう病気です。
進行して結石が尿の通り道に詰まる「尿道閉塞」になると、命に関わることもあるため早めの発見と治療が大切です。
原因は?
栄養バランスの乱れ、太り過ぎ、水分不足、ストレス、細菌感染、尿の酸性・アルカリ性のバランスが崩れることなどが原因です。
ラグドールは遺伝的に結石ができやすい体質と言われています。
症状は?
尿石症になると下記のような症状が現れます。
- 尿の色が濃い
- ピンク色、赤茶色などの血尿が出る
- 尿の回数が多い(少量で何度もする)
- 排尿時に痛みで鳴く
- トイレ以外の場所で排尿をする
結石が尿の通り道に詰まって「尿道閉塞」が起こると、下記のような症状が現れます。
- トイレでいきむが、全く尿が出ない
- お腹を触ると極端に嫌がる
- 元気がない、ぐったりしている
- 他の尿路結石症の症状とともに嘔吐する
受診の目安は?
上記でご紹介した尿石症が疑われる症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
特に「全く尿が出ない」「他の尿石症の症状とともに嘔吐する」など「尿道閉塞」を起こしている可能性がある場合は、命に関わる可能性があり危険です。夜間救急なども含め早急に受診してください。
予防方法は?
結石を作らせないためには、十分な水分摂取が大切です。
水飲み場を自宅内に複数用意して、積極的に水分を摂らせましょう。なかなか飲まない場合は、フードに水を混ぜたり、ウェットフードを活用したりするのも良いでしょう。
またストレスの蓄積や運動不足による太り過ぎを防ぐために、低めのステップやトンネルを用いた平面運動、1日10〜15分ほどのボールを転がす遊びなど、適度な運動を取り入れるのも良いでしょう。
治療方法は?
小さい結石や溶かすことが可能な結石の場合、食事療法で改善を試みます。
尿道閉塞を起こしている場合は、早急に詰まりを取り除く必要があります。細菌感染が起こっていたり炎症が強かったりする際は、抗生物質や抗炎症剤などを投与することもあります。
結石が大きすぎて自然に排出できない場合や食事療法で改善が見られない場合、または尿道閉塞が解消できない場合は、結石を直接取り除いたり尿の通り道の詰まりを解消したりする手術を行うことがあります。
ラグドールがなりやすい病気③毛球症
どんな病気?
毛づくろい時に飲み込んだ猫自身の毛が、胃腸内でかたまり(毛球)になって体内にとどまってしまう病気です。
原因は?
毛球症の原因は、猫が自身の毛を大量に飲み込むことです。
ブラッシングが不足したりストレスが溜まったりすると、飲み込む毛の量が多くなったり毛づくろいの頻度が高まったりして、毛球が体内に溜まりやすくなります。
ラグドールは豊かで長い被毛を持っているため、毛づくろいで飲み込む毛の量が他の猫種よりも多く、毛球症になりやすいです。
症状は?
毛球症になると下記のような症状が現れます。
- 吐き気がある
- 嘔吐の回数が増える
- 便が硬い、出にくい
- 食欲が落ちる
- お腹を痛がる
重症化すると下記のような症状が現れることがあります。
- 水を飲んでもすぐに吐く
- 何度も激しく吐く
- 何も食べない、飲まない
- 腹痛でお腹を触られるのを極端に嫌がる
- ぐったりする
受診の目安は?
先にご紹介した毛球症が疑われる症状がある場合は、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる場合は、毛球が腸に詰まる「腸閉塞」を起こしている可能性があり危険です。早急に動物病院を受診してください。
- 何度も激しい嘔吐を繰り返す
- 吐こうとするが何も出ない
- 水を飲んでもすぐに吐く
- 丸1日以上ご飯を食べない、水を飲まない
- 24時間以上排便がない
- ぐったりしている
- お腹を触られるのを極端に嫌がる
予防方法は?
毛球症を予防するには、日々のブラッシングでいらない毛を取り除くことが大切です。特にラグドールは毛が長く毛量も多いため、できるだけ毎日ブラッシングできると良いでしょう。春と秋の換毛期は1日2回できるのが理想です。
毛玉ケアフードやサプリメントを活用するのもいいでしょう。
またストレスが溜まると毛づくろいの頻度が高くなるため、毛球症のリスクも高くなります。
1日に10〜15分の短時間、ボールを転がして一緒に遊んであげたり、トンネルや低いステップなどを使って運動をさせたりするとストレス発散に繋がります。
ストレスを感じた際に愛猫が落ち着ける箱や屋根つきの寝床などを用意しておくのもおすすめです。
治療方法は?
まずは毛の排出を促す薬や胃腸の働きを助ける薬、便を柔らかくする薬、毛球症用のケアフードなどを使って、毛球が自然に排出されるよう促すことが多いです。
基本的には毛球症ケアフードや薬で改善することがほとんどですが、毛球が大きすぎて自力で排出できない場合や腸に詰まって腸閉塞を起こしている場合は、全身麻酔を使った手術が行われることがあります。
ラグドールがなりやすい病気④多発性嚢胞腎
どんな病気?
腎臓に液体が入った小さな袋(嚢胞)が多数でき、それが徐々に大きくなることによって腎機能が低下していく進行性の遺伝病です。
原因は?
多発性嚢胞腎は遺伝病で、生まれつきのものです。どちらかの親に腎臓を構成するタンパク質を作り出す遺伝子の異常があると、子どもにも50%の確率で遺伝します。
ラグドールは遺伝的にこの病気の発症リスクが高い猫種です。
症状は?
初期段階では目立った症状はありません。
症状が進行して嚢胞が増えると、下記のような症状が見られます。
- 水を飲む量が増える
- 尿の量が増える
- 食欲にムラが出る
- 体重が減る
- 毛艶が悪くなる
さらに症状が進行して腎臓の機能が低下すると、下記のような症状が見られます。
- 食欲が低下する
- 嘔吐する
- よだれが出る
- 動きたがらない、元気がない
- 口の中が乾燥する、粘つく、眼球がくぼむ(脱水)
- 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
- けいれんが起こる
受診の目安は?
多発性嚢胞腎は症状が見られるときにはすでに病気が進行してしまっている可能性が高いため、先にご紹介した症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような場合は、症状が進行して腎機能が低下しているおそれがあるため、早急に受診してください。
- 食欲が低下する
- 嘔吐する
- よだれが出る
- 動きたがらない、元気がない
- 口の中が乾燥する、粘つく、眼球がくぼむ(脱水)
- 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
- けいれんが起こる
予防方法は?
多発性嚢胞腎は遺伝性の病気のため、根本的な予防方法は現時点ではありません。
そのため早めに病気を発見して、進行を遅らせたり症状を緩和したりすることが大切です。半年〜1年に1回を目安に、健康診断で腎機能の検査を受けると良いでしょう。
治療方法は?
多発性嚢胞腎を完治させる治療方法は現時点ではありません。
そのため、進行を遅らせたり症状を緩和したりする治療がメインです。腎臓への負担を減らす食事を与える、腎臓病の進行を抑える薬を投与する、老廃物の排泄をサポートする点滴をするなどの治療が行われることがあります。
ラグドールに元気に過ごしてもらうために家庭でできる病気予防
ここからはラグドールが元気に過ごすために飼い主ができる病気予防方法をご紹介します。
ここまでご紹介したなりやすい病気の予防方法と合わせて、日頃のケアに取り入れてみてください。
定期的に健康診断を受ける
目立ったトラブルがないときでも、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
6歳までは1年に1回、7歳以降のシニア期に入ったら半年に1回受けると良いでしょう。
健康診断を受けると、病気の早期発見・治療が可能になります。
特にラグドールがなりやすい「肥大型心筋症」や「多発性嚢胞腎」は初期段階では外見からの判断が難しいため、動物病院での定期的な検査がとても大切です。
バランスの良い食事を適量与える
愛猫の健康にはバランスの良い食事も欠かせません。また太り過ぎると関節や心臓への負担が大きくなるため、フードを与える量にも注意が必要です。
ライフステージに合ったフードを、パッケージに記載されている適量与えるようにしましょう。
おやつを多くあげた日はフードを無理のない範囲で減らすなど、1日の中で調整できると良いですよ。
適度な運動を取り入れる
おっとりとした性格のラグドールは運動不足になって太りやすいため、意識的に適度な運動を生活の中に取り入れてあげるようにしましょう。
とはいえラグドールに激しい運動は必要ありません。1日に10〜15分程度ボールを転がす遊びを行うなど、体を無理に動かさない範囲で遊んであげると良いでしょう。
キャットタワーは段差が緩やかで高いジャンプが必要ないものを用意してあげてください。低めのステップやトンネルを取り入れるのも運動になります。
ラグドールの健康や病気の相談はオンラインでも
愛猫の健康で気になることがある場合、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛猫の様子を獣医師に診てもらい、症状やケアの方法などについてアドバイスをもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。