2026年4月30日
ポカポカ陽気が心地よい春は、愛犬とのお出かけが楽しい季節です。しかし実は春は犬にとって、体調を崩しやすい時期でもあります。
この記事では、予防接種や害虫対策、急な気温の変化で起こりやすい不調など、飼い主さんが知っておくべき春の注意点を網羅的に解説します。
犬が春に気をつけること①フィラリア予防
春に最も重要な健康管理のひとつが、フィラリア症の予防です。
フィラリア症とは、蚊が媒介する寄生虫が犬の心臓や肺の血管に住み着くことで起こる病気です。放置すると命に関わるため、毎年予防薬の投与が推奨されています。
予防薬の投与を始める時期は地域や気候によって異なりますが、一般的には春頃です。ただ近年は地球温暖化の影響で1年にわたって蚊の活動がみられるため、通年予防が理想的ともされています。
飼い主が春にやるべきこと
まずこの季節は、予防薬を飲み始める前の血液検査を動物病院で受けましょう。万が一、体内にフィラリアがいる状態で薬を飲むと、強い副作用が出る危険があるためです。
安全が確認できてから、予防薬の投薬を開始しましょう。詳しくはかかりつけの動物病院で相談してみてくださいね。
犬が春に気をつけること②狂犬病予防接種
毎年4〜6月は、法律で義務付けられている狂犬病予防接種のシーズンです。
狂犬病は、発症するとほぼ100%死に至る非常に危険な病気です。ウイルスを持っている犬や、その犬に噛まれた人間が感染します。犬を飼っている飼い主は、年に1回必ず愛犬に予防接種を受けさせる必要があります。
飼い主が春にやるべきこと
自治体の集合接種会場や動物病院でワクチンの接種を受けましょう。詳しい日程などはお住まいの自治体か、かかりつけの動物病院に確認してください。
ワクチン接種後はまれに元気がなくなったり、アレルギー反応が出たりすることがあります。1日そばでゆっくり様子を見られる日の午前中に接種を受けると安心です。
犬が春に気をつけること③ノミ・ダニ対策
気温が13℃を超えると、ノミやマダニの活動が活発になり、散歩コースの草むらなどで犬が刺される危険があります。
ノミに刺されると、強い痒みが生じて皮膚炎が起こります。また飲み込んでしまうと、お腹の中にサナダムシが寄生してしまうことがあります。
ダニは、血液を介して「バベシア症」などの重い病気を犬に移します。人もダニを介して「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」などの病気に感染するリスクがあります。どちらも命に関わる危険な病気です。
飼い主が春にやるべきこと
ノミやダニは刺された後に対処するのではなく、刺される前に予防するのが鉄則です。春の間に、動物病院で処方される予防薬を投薬しておきましょう。最近はフィラリア・ノミ・ダニを1粒で全部予防できるオールインワンタイプの薬もあります。
また散歩中、背の高い草むらや手入れされていない茂みには入らせないようにしましょう。帰宅時には体をなでて、「粒」や「動く小さな虫」が愛犬の体に付いていないかを確認してください。
犬が春に気をつけること④散歩道での中毒
春の景色は美しいですが、実は犬にとっては中毒の危険が潜んでいます。
春に咲くチューリップ、スイセン、アヤメ、ツツジなどは、犬が口にすると嘔吐、下痢、よだれ、最悪の場合は心不全などを起こす毒性があります。
また暖かくなると公園や庭先に除草剤が撒かれることが増えます。散布直後の場所を犬が歩くと、除草剤が足裏につき、それを舐めてしまう恐れがあり危険です。
飼い主が春にやるべきこと
先にご紹介した植物に近づくのは避けましょう。判別が難しい場合は、公園などの花壇に近づかないのが安心です。
除草剤については「散布中」などの看板に注意を払ってください。また帰宅後はすぐに足裏をきれいに洗うか、ウエットティッシュなどでしっかり拭き取りましょう。
犬が春に気をつけること⑤春の紫外線と熱中症
熱中症は夏に起こるものと思われがちですが、実は春から油断できません。
春の紫外線は、5月頃から真夏並みに強くなります。犬は全身を毛で覆われているため、強い紫外線を浴びると熱がこもりやすく、人間以上に体感温度が急上昇します。
また強い日差しでアスファルトの表面温度も上がるため、人間より地面に近いところを歩く犬は、上からの直射日光と下からの照り返しの両方を受け、熱中症を引き起こすリスクが高まります。
飼い主が春にやるべきこと
日差しが強くなる午前10時〜午後2時頃の散歩は避け、早朝や夕方の涼しい時間帯を選びましょう。直射日光を避けるだけで、体感温度が変わるので、暑い日はひかげを選んで歩くのも効果的です。
また「まだ春だから大丈夫」と油断せずに、散歩中や帰宅後は意識的に水を飲ませてあげてくださいね。
犬が春に気をつけること⑥寒暖差による消化器トラブル
春は寒い日と暖かい日の差が大きいほか、1日の中の気温差も10℃以上になる日が珍しくなく、寒暖差が激しい季節です。
この季節は人間も「なんとなく調子が悪い」となりがちですが、それは犬も同じです。激しい寒暖差で自律神経が乱れ、下痢や嘔吐、食欲不振に繋がることがあります。
飼い主が春にやるべきこと
暖かくなってきたなと感じても、毛布などの防寒グッズはすぐに片付けず、寒いときに愛犬が自分で潜り込める場所を作っておきましょう。
また1日の中でできるだけ寒暖差を感じずに済むように、エアコンなどで室温を調整してあげてください。
胃腸の不調や元気のなさが数日続く場合は、早めに動物病院を受診しましょう。内分泌系の病気などのサインの可能性もあります。
犬が春に気をつけること⑦換毛期
春は、冬毛から夏毛へと生え変わる「換毛期」の季節です。この時期は大量に毛が抜けるのに伴って起こる愛犬の皮膚トラブルに注意が必要です。
抜けた毛が床に落ちきらず体の表面に残っていると、通気性が悪くなり湿疹や痒みの原因になります。また抜け毛で毛玉ができてしまい、皮膚が引っ張られて痛みが生じることもあります。
飼い主が春にやるべきこと
スムーズな換毛のために、毎日こまめにブラッシングしてあげましょう。
抜け毛を取り除くだけでなく、愛犬の体に触れることで皮膚の異常や毛玉を早く見つけることにも繋がります。
犬が春に気をつけること⑧ 環境の変化によるストレス・メンタル不調
春は人間にとって新生活が始まる季節です。飼い主の引っ越しや就職、家族の卒業や入学などで生活リズムや留守番の時間が変化すると、犬はそれを敏感に感じ取ります。
ストレスからイタズラが増えたり、急に吠えたり、元気がなくなったりすることもあります。
飼い主が春にやるべきこと
いつもより意識的にスキンシップの時間を持ち、変わらない安心感を与えてあげましょう。お休みの日にはできるだけ側にいてあげてください。同じ空間にいるだけでも愛犬は安心してくれます。
ストレスが溜まっているようなら、ドッグランなどで思いっきり体を動かせる日を作ってあげるのもいいですね。
犬が春に気をつけること⑨花粉症とアレルギー
人間と同じように、犬も春はスギやヒノキなどの花粉でアレルギー症状を起こすことがあります。
犬のアレルギーでは、皮膚に強いかゆみが現れることが多いです。目をこすりつける、体や足先を執拗に舐める、お腹や耳の付け根が赤くなるといったサインが現れたら、アレルギーの可能性があります。
飼い主が春にやるべきこと
散歩から帰ったら、玄関先で足裏や体に付いた花粉を濡れタオルなどでしっかり拭き取り、軽くブラッシングしてあげましょう。散歩中に花粉が付きにくいツルツルとした素材の洋服を着せるのも、物理的なバリアとして効果的です。
先にご説明したようなアレルギーを疑う症状がひどい場合は、獣医師に相談しましょう。
不安なことはオンラインでも相談できます
春は予防やケアが盛りだくさんの季節です。毎日のブラッシングや散歩の様子をよく観察し、少しでも「いつもと違うな?」と感じたら、早めに獣医師に相談しましょう。
とはいえすぐに動物病院を受診するのが大変なときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からビデオ通話で獣医師と繋がり、愛犬の様子を見せながら相談することができます。獣医師が必要と判断した場合はお薬の処方も可能です。困ったときは検討してみてくださいね。