2026年4月17日
冬が終わって暖かくなってくると気になるのが、犬のフィラリア予防です。多くの動物病院では「4月から始めましょう」と案内されますが、まだ蚊を見かけないのになぜ4月から始めるのか、疑問に思う方も多いかもしれません。そこでこの記事では、フィラリア予防薬を4月から始めるべきなのかや、推奨される理由をご説明します。
犬のフィラリア症とは?
犬のフィラリア症(犬糸状虫症と)は、犬に起こりやすい危険な病気です。蚊に刺されることで、その体内で育ったフィラリア(寄生虫)が犬の体内に入り、重い心肺障害を引き起こします。
フィラリア症は危険な病気ではありますが、毎年決まった期間に予防薬を投与することで、感染を予防することが可能です。犬がいる家庭では、毎年忘れずに予防をするようにしましょう。
フィラリア予防薬は4月から始めるべき?その理由は?
多くの地域で、4月からフィラリア予防薬を投与することが推奨されています。その理由は、フィラリア予防薬は、蚊が出始めてから1ヶ月以内に最初の薬を飲む必要があるからです。
フィラリア予防薬は、蚊が来ないようにする虫よけの薬ではありません。 蚊に刺されることで体内に侵入した幼虫を、血管に到達する前に駆除する薬です。
蚊が多く発生するのは夏から秋にかけてですが、3月の終わりから4月にかけて気温が上がってくると、蚊がポツポツと現れ始めます。4月のうちに1回目の投薬を行うことで、もし3月や4月の早い時期に刺されていたとしても、幼虫が小さいうちに確実に退治できるため、4月スタートが推奨されるのです。
また動物病院が開始時期を判断する際は、「HDU(有効積算温度)」という指標を参考にしています。
フィラリアの子虫は、蚊の体内で「感染できる強さ」に育つために一定の温度を必要とします。近年の温暖化の影響により、日本の多くの地域では4月下旬から5月にかけて、この「感染リスクが発生する温度」に達することが分かっています。
そのため、確実性を期して4月の投薬をスタートラインに設定することが多いようです。
地域によって気温が異なるので、3月以前の開始が推奨されている地域もあれば、5月開始でよいとしている動物病院もあります。
4月からのフィラリア予防開始がベストなケース
先にご説明した通り、4月の予防開始は確実性を期したスケジュールなので、必ずしも4月に開始しなくてもいいケースもあります。ただ住んでいる地域や環境によっては、4月からしっかり予防を始めるべきケースもあります。
以下2点のいずれかに当てはまる場合は、4月から予防を開始することをおすすめします。
1. 都市部や暖かい地域に住んでいる
ビルの地下や地下鉄の構内など、冬でも暖かい場所がある都市部では、蚊の発生が早まる傾向にあります。
また九州や四国などの温暖な地域では、4月の段階ですでに感染リスクが高まっているケースがあります。
2.最後の投薬から時間が空いている
前シーズンの最後の投薬を忘れていたり、早めに切り上げたりした場合は、リスクを下げるために4月から投薬を開始するのが安心です。
4月からの予防開始に当てはまらないケース
フィラリア予防は4月からという目安は、日本の多くの地域に当てはまりますが、気候や環境によってはこのスケジュールが最適ではない場合があります。住んでいる地域が以下の例外に該当しないか確認しましょう。
いつから開始するか迷う場合は、かかりつけの動物病院に相談するのが確実です。
3月開始や通年予防が必要な地域
沖縄や南九州・南四国などの温暖な地域では、蚊の活動開始が非常に早いか、一年中続いています。
沖縄や離島は 冬でも気温が下がりにくいため、1年中感染リスクがあります。そのため多くの動物病院で、1年中予防薬を飲み続けることが推奨されています。
九州・南四国は、3月の段階で感染リスクが発生することがあります。これらの地域では、3月中の投薬開始が必要になる年が珍しくありません。
また都市部のマンションなど冬でも暖かい場所がある環境では、季節を問わず蚊が潜んでいるため、通年予防を選択する飼い主さんも増えています。
5月以降の開始でも間に合う地域
冬が長く春の訪れが遅い地域では、4月に薬を飲ませる必要がないケースもあります。
北海道や東北の一部、標高の高い山間部では、4月になっても平均気温が低く、フィラリアの幼虫が蚊の体内で育つことができません。
これらの地域では、感染リスクが生じるのが5月中旬以降になることも多いため、5月以降に投薬を始めることが推奨されている場合もあります。
4月からのフィラリア予防薬投薬前に、やるべきこと
4月の投薬をスタートする前に、以下の準備を行いましょう。
血液検査でフィラリア陰性を確認する
フィラリア予防薬を投与する前に、必ず血液検査を行い、フィラリアが陰性であることを確認しましょう。
万が一、冬の間にフィラリアに感染していた場合、予防薬を飲むと体内で死滅した虫によるショック症状を起こす危険があります。 必ず毎年検査を受けてください。
投薬の直前に判定する必要があるので、多くの病院では予防薬開始前1ヶ月以内に検査を受けることが推奨されています。
4月から予防を始める場合は、3月後半〜4月の投薬当日までに検査を受けるのがいいでしょう。
狂犬病予防接種のスケジュールを確認する
4月は狂犬病ワクチンの時期です。ワクチンと投薬を一度に済ませたいという方も多いと思いますが、体に負担がかかるため「フィラリア予防薬は、ワクチン接種から1週間ほど経ってスタート」など、間隔を空けることを推奨している病院も多いです。
愛犬の年齢や体調、病院の方針にもよるので、かかりつけの動物病院に事前に確認しておくといいでしょう。
4月からフィラリア予防を始める際のポイント
4月からフィラリア予防を開始する場合は、以下のポイントを抑えておきましょう。
去年余った薬を勝手に飲ませない
開始時期に関わらずですが、去年余ってしまった薬を検査を受けずに投薬するのは非常に危険です。
知らない間に蚊に刺されていた場合、命に関わる副作用を招く恐れがあります。必ず検査を受け、新しい薬を処方してもらいましょう。
フィラリア以外の予防もセットで検討する
4月はフィラリアだけでなく、ノミ・ダニも急激に活発になる時期です。バラバラに管理するのは大変なので、最近では、1錠または1滴でフィラリアとノミ・ダニをまとめて予防できる、オールインワンタイプの薬が人気になっています。
飲み忘れが防げるだけでなく、別々に薬を買うよりも手間や費用を抑えられるケースもあります。4月の受診時に、どのタイプが愛犬のライフスタイルに合うか、獣医師に相談してみましょう。
愛犬の健康に関する相談はオンラインでも
愛犬の健康に関する不安があっても、動物病院は受診のハードルが高かったり、通院するのが難しかったりすることもありますよね。
そんなときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からビデオ通話で獣医師の診察を受け、獣医師が必要と判断した場合はお薬が処方されます。些細な不安や変化についても相談が可能です。困ったときはぜひご検討ください。