ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気6選|予防方法や受診目安も解説
2026年6月30日
胴長短足の愛らしいフォルムが魅力的なミニチュアダックスフンドですが、その体型や体質ゆえに起こりやすいトラブルがあります。こちらの記事では、ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気について、その症状や予防方法、受診の目安などをご紹介します。
ミニチュアダックスフンドの特徴
ミニチュアダックスフンドには、下記のような体質や性格の特徴があります。
胴長短足
ミニチュアダックスフンドは、胴が長く足が短いのが特徴です。
短い足で長い胴全体を支えているため、腰に負担がかかってトラブルが起こることがあります。
垂れ耳
ミニチュアダックスフンドの耳は垂れていて、耳の穴がふさがっています。
そのため耳の中に湿気が溜まって菌が増殖し、耳のトラブルを招くことがあります。
活発で遊び好き
ミニチュアダックスフンドは活発で遊び好きな子が多いと言われています。
小型犬の中では運動量が多く筋肉質なので、散歩やボール遊びなど体を動かす時間を十分に取ってあげる必要があります。。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気①椎間板ヘルニア
どんな病気?
背骨と背骨の間でクッションのような役割を担う「椎間板」が骨の間から飛び出して神経を圧迫し、足や腰に支障をきたす病気です。
原因は?
犬の中には遺伝的に椎間板が硬くなったり脆くなったりしやすい犬種がいます。
ミニチュアダックスフンドはこのタイプで、遺伝的な要因で椎間板ヘルニアになりやすいとされています。
また足が短く胴が長いダックス特有の体型も、椎間板ヘルニアが起こりやすい理由の一つです。
短い足で長い胴を支えないといけないので、ちょっとした衝撃や体重の増加などでも腰や背中(椎間板)に負担がかかりやすくなってしまいます。
遺伝的な体質や特徴的な体型以外に、シニアになり椎間板が弱くなっているところに、激しい運動や落下などの衝撃、太り過ぎによる負担がかかることでもヘルニアが起こることがあります。
症状は?
椎間板ヘルニアになると、下記のような症状や行動が見られます。
背中や腰の痛み
- 背中を触ったり抱っこされたりしたときに鳴く
- 段差の昇り降りを嫌がる
- 背中を丸める
足の麻痺
- 歩くときにふらつく
- 足を引きずって歩く
- 後ろ足が動かない
症状が進行すると下記のような様子が見られることがあります。
- 自力で歩けない
- 自力で排泄ができない
- 足を強くつねっても痛みを感じない
受診の目安は?
椎間板ヘルニアは、そのままにしていると症状が進行してしまいます。
早めに治療を開始することがその後の回復率を良くするので、椎間板ヘルニアが疑われる症状が見られたらできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
予防方法は?
椎間板ヘルニアを予防するためには日常生活の中でできるだけ椎間板に負担をかけないことが大切です。日頃から下記のような対策を行いましょう。
- フードやおやつの量を調整して1歳の頃の体重(適正体重)を保つ
- ソファやベッドなど高さのある場所にスロープを付けてジャンプを防ぐ
- 床にマットやラグを敷いて滑らないようにする
- 抱き上げる際は両手で体全体を支えて、背中と床が平行になるように横向きで抱く(縦抱きはしない)
治療方法は?
椎間板ヘルニアの治療方法は症状の進行度合いによって異なります。
症状が痛みと軽度の麻痺の場合は、ケージでの安静と薬の投与を行うことがほとんどです。
麻痺がひどくなり自力での歩行や排泄が難しい場合は、薬の投与に加えて手術が行われます。手術後はリハビリが必要なケースもあります。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気②外耳炎
どんな病気?
耳の入り口から鼓膜までの通り道(外耳道)に炎症が起こる病気です。
ミニチュアダックスフンドは垂れ耳で耳の中が蒸れやすく、炎症が起こりやすいため特に注意が必要です。
原因は?
外耳炎になる原因には下記のようなものがあります。
- 細菌・真菌(カビ)の増殖
- 耳ダニの寄生
- アレルギー
- 異物混入
症状は?
ミニチュアダックスフンドが外耳炎になると、下記のような症状が見られます。
- 痒みで耳や頭を頻繁に掻く
- 痒みや違和感で頭・首を激しく振る
- 耳垢の量が増える
- ネバネバした耳垢やドロっとした耳垢がある
- 耳垢の色が黒、赤茶色をしている
- 耳に赤み、腫れがある
- 耳から悪臭がする
- 耳だれが出る
症状が進行して中耳炎や内耳炎になると、強い痛みや神経に影響が出て下記のような様子が見られることがあります。
- 耳に触れられるのを激しく嫌がる
- 首が左右どちらか片方に傾いている
- 同じ場所でくるくる回る
- 眼球が小刻みに揺れる
- フラフラする、まっすぐ歩けない
- 常に首を振る
受診の目安は?
外耳炎は自然に回復しないので、先にご紹介したような外耳炎が疑われる症状が見られたら、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が現れている場合は、外耳炎が進行して神経に影響が出ている可能性があり危険です。早急に動物病院を受診してください。
- 首が左右どちらか片方に傾いている
- 同じ場所でくるくる回る
- 眼球が小刻みに揺れる
- フラフラする、まっすぐ歩けない
- 常に首を振る
予防方法は?
1週間に1〜2回を目安に耳の中をチェックするようにしましょう。
耳に汚れがある場合は、洗浄液で湿らせたガーゼやコットンで優しく拭き取ります。このときゴシゴシ擦ったり耳の奥の汚れまで無理に取ったりしないようにしてください。
耳の中に湿気が溜まると細菌や真菌が増殖しやすくなるため、シャンプー後や水遊びの後はタオルやドライヤーで耳をしっかり乾燥させましょう。
愛犬のアレルゲンがわかっているのであれば、フードをアレルギー対応のものにする、花粉やホコリを避けるためにこまめに掃除する、空気清浄機を活用するなど、愛犬とアレルゲンを接触させないのも有効です。
治療方法は?
まずは専用の洗浄液で耳の中を洗浄し、耳垢や異物を取り除きます。
耳の中の毛が多かったり長かったりする場合は、洗浄前に耳の毛をカットすることがあります。
その後、炎症に対して抗炎症薬、細菌や真菌に対して抗菌薬、耳ダニに対して駆虫薬など、原因に応じた薬を投与します。
症状が進行して中耳炎や内耳炎になっている場合は、鼓膜を切開したり耳道の一部を切り取ったりする手術を行うことがあります。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気③歯周病
どんな病気?
歯茎や歯を支える骨など、歯の周りにある組織に起こる病気の総称です。
歯と歯茎の間(歯周ポケット)に細菌が入り込んで炎症を起こします。
原因は?
歯周病は、歯についた食べかすや歯垢が歯石に変化し、そこに歯周病菌が増殖することで起こります。
ミニチュアダックスフンドは顎が小さく歯が密集して生えていることや、永久歯が生えてきた後も乳歯が抜けずに残っている「乳歯遺残」が遺伝的に起こりやすいことから、歯並びが悪くなって歯の隙間に汚れが溜まりやすいです。
そのため溜まった汚れが歯石になって、歯周病が起こりやすくなります。
症状は?
歯周病の症状は進行度合いによって様々です。軽度から重度まで、段階別にそれぞれご紹介します。
軽度の症状
- 歯茎が赤い、腫れる
- 歯磨きや食事中に出血する
- 口臭が強くなる
- 黄色や茶色の歯石が付く
中程度の症状
- 歯茎に明らかな赤み、腫れがある
- 歯磨きや食事中に出血する
- さらに口臭が強くなる
- 歯茎が痩せてくる
- 歯がぐらぐらする
重度の症状
- 歯がぐらぐらする、抜け落ちる
- 歯茎から膿が出る
- 強い痛みで鳴く
- 顔が腫れる
- 顎の骨が折れる
- 鼻水やくしゃみが出る
- 内臓(心臓・腎臓・肝臓)の機能に影響が出る
受診の目安は?
歯周病は、そのままにしていると症状が進行する病気です。先にご紹介した歯周病が疑われる症状があるときは、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる場合は、歯周病が重度にまで進行している可能性が高く危険です。早急に動物病院を受診してください。
- 歯がぐらぐらする、抜け落ちる
- 歯茎から膿が出る
- 強い痛みで鳴く
- 顔が腫れる
- 顎の骨が折れる
- 鼻水やくしゃみが出る
- 内臓(心臓・腎臓・肝臓)の機能への影響が出る
予防方法は?
歯周病を予防するには、歯磨きをして口の中の清潔を保つことが何より大切です。
できるだけ毎日歯磨きを行うのが理想ですが、少なくとも歯垢が歯石に変わる2〜3日に1回行えると良いでしょう。
ミニチュアダックスフンドは歯が密集しているため、細かいところまで磨くのが難しいことがあります。
小型犬用の歯ブラシや歯磨きシートなどを使って、汚れを丁寧に取り除いてあげてください。
歯磨きと並行して、歯磨きガムなどのデンタルケアグッズを活用するのもおすすめです。
治療方法は?
歯周病が軽度の場合は、歯石の除去や歯周ポケットの洗浄、歯の表面の研磨などを行います。
中程度以上に進行している場合は、抜歯や歯茎の一部を切除する手術を行うことがあります。
治療によっては全身麻酔を行うことがあります。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気④アレルギー性皮膚炎
どんな病気?
特定の食べ物や環境中のアレルゲン(花粉、ハウスダストなど)に免疫が過剰に反応して、皮膚に赤みや痒みが出る病気です。
ミニチュアダックスフンドは遺伝的にアレルギー体質の子が多く、アレルギー性皮膚炎を起こしやすいとされています。
原因は?
アレルギー性皮膚炎の原因になるアレルゲンには下記のようなものがあります。
- ダニ、ハウスダスト、カビ、花粉などの環境アレルゲン
- 牛肉、鶏肉、魚、卵、大豆、牛乳、小麦などの食べ物
- ノミ、寄生虫
症状は?
アレルギー性皮膚炎になると、目や口の周り、耳、ワキの下、指の間、下腹部や内股、背中、尻尾の付け根などに下記のような症状が現れます。
- 赤みや痒み
- 発疹
- 湿疹
- 脱毛
- フケ
- 皮膚が厚くなる、かさぶた
受診の目安は?
アレルギー性皮膚炎は自然に回復することはなく、放置しておくと症状が進行してひどくなるおそれがあります。
皮膚の赤みや痒みなどアレルギー性皮膚炎が疑われる症状が数日続くようであれば、早めに動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状が見られる際は、強いアレルギー反応や痒み、痛みが生じている可能性があるため、早急に受診してください。
- 痒みで眠れない、掻き続けている
- 掻きすぎて血や膿が出ている
- 発熱、ぐったりしているなどの全身症状がある
予防方法は?
ダニやハウスダスト、ホコリなどの環境アレルゲンをできるだけ減らすために、こまめに掃除するようにしましょう。空気清浄機を活用するのも良いでしょう。
皮膚のバリア機能を高めるために、月に1〜2回を目安にシャンプーをして皮膚の清潔を保ちます。シャンプー後はしっかり乾かし、保湿剤を使って保湿してください。
ブラッシングでいらない毛を取り除くのも大切です。毛の長い子(ロングコート)はできるだけ毎日、短毛の子(スムース)は週に1〜2回を目安に行えると良いでしょう。
食物アレルギーの可能性を減らすために、獣医師と相談してアレルゲン除去食や療法食を試すのも一つの方法です。
治療方法は?
動物病院を受診すると、症状に応じて抗炎症薬や痒み止めなどが処方されることがあります。
投薬と並行して、薬用シャンプーでの洗浄や保湿、ブラッシングなどの自宅でのケアも大切です。
食物アレルギーが疑われる場合は、原因となるアレルゲンを除去したフードへの切り替えを指示されることがあります。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気⑤副腎皮質機能亢進症
どんな病気?
「副腎」という臓器からストレスに対抗するホルモンが過剰に分泌され、体に様々な不調を引き起こす病気です。
「クッシング症候群」とも呼ばれます。
ミニチュアダックスフンドは遺伝的に副腎皮質機能亢進症になりやすい体質で、7歳以降のシニア期に見られることが多いです。
原因は?
副腎皮質機能亢進症の原因は、副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることです。
コルチゾールは主に下記の3つの理由で過剰に分泌されます。
- 脳の下垂体にできた腫瘍によって副腎からコルチゾールが多量に分泌される。
犬が副腎皮質機能亢進症になるのはこの原因が多いです。 - 副腎自体に腫瘍ができた影響でコルチゾールが多量に分泌される。
- 皮膚病やアレルギーなどの治療で、ステロイド剤を長期間または多量に投与したことで、コルチゾールが多量に分泌される。
症状は?
- 水をたくさん飲んで尿の量が増える
- 食欲が異常に増える
- お腹がたるんで膨らむ
- 毛が薄くなる
- 皮膚が薄くなる
- 足腰が細くなる
- 元気がない、ふらつく
- 呼吸が早くなる
受診の目安は?
先にご紹介した副腎皮質機能亢進症が疑われる症状がある場合は、一度動物病院を受診しましょう。
症状をそのまま放置していると、糖尿病や血栓症などの合併症を引き起こす可能性があり、命に関わるリスクもあります。
特に下記のような症状が見られる場合は症状が進行している可能性があるため、早急に受診してください。
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 元気・食欲が全くない
- 息が苦しそう、呼吸しづらそう
- 歩けない、ふらつきがひどい
- 失神やけいれんが起こる
予防方法は?
腫瘍が原因で起こる副腎皮質機能亢進症は、明確な予防方法が確立されていません。
そのためできるだけ早い病気の発見と治療の開始が大切です。年に1回を目安に血液検査や副腎のエコー検査を受けると良いでしょう。
日常生活の中では水を飲む量や食欲、皮膚の状態、脱毛の有無などを意識的に観察して、異変があれば早めに獣医師に相談してください。
また病気の治療などでステロイド薬を使う場合は、必ず獣医師の指示に従って用法用量を守りましょう。
治療方法は?
副腎皮質機能亢進症の原因がステロイド剤の場合は、ステロイド剤の投与を徐々に中止します。
その他の原因の場合は、コルチゾールの分泌を抑える薬などを服用します。この投薬は生涯にわたって必要になる可能性が高いです。
症状に応じて、副腎を取り出す手術や腫瘍に対する放射線治療を行うことがあります。
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気⑥進行性網膜萎縮症
どんな病気?
目の奥にある「網膜」が徐々に萎縮していく遺伝性の病気です。最終的に失明する可能性もあります。
原因は?
進行性網膜萎縮症の原因は、親から子へと遺伝する特有の遺伝子の異常です。
ミニチュアダックスフンドは、進行性網膜萎縮症を引き起こしやすい遺伝子構成をしているとされています。
症状は?
初期は、暗いところで見えづらそうにする「夜盲」という症状が見られるのが特徴です。
この夜盲によって、下記のような行動が見られることがあります。
- 暗い場所でものにぶつかる
- 暗い場所でつまずく
- 暗い場所で不安がってあまり動かなくなる
- 夕方や夜に散歩に行きたがらない
その後次第に日中や明るいところでも視力が失われていきます。
受診の目安は?
進行性網膜萎縮症は進行性の病気のため、暗い場所で先にご紹介したような行動が見られたらできるだけ早く動物病院を受診してください。
早めに受診して病気の発見ができると、症状の進行を遅らせられる可能性があります。
予防方法は?
進行性網膜萎縮症は遺伝性の病気なので、予防方法はありません。
できるだけ早く病気に気づくことが大切なので、少なくとも1年に1回は動物病院で目の検査を受けましょう。
治療方法は?
現時点では、進行性網膜萎縮症の進行を止める治療法は確立されていません。
ただし失明していなければ、進行を遅らせられる可能性があります。その際は、薬やサプリメントが処方されるケースがあります。
ミニチュアダックスフンドに元気に過ごしてもらうために家庭でできる病気予防
ここからはミニチュアダックスフンドが元気に過ごすために、家庭でできる病気の予防方法をご紹介します。
普段の生活の中で意識的に取り組んで、愛犬の健康を守りましょう。
定期的に健康診断を受ける
目に見えるトラブルが起こっていなくても、1年に1回は動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
7歳以降のシニア期になったら半年に1回受けるのが良いでしょう。
健康上のトラブルの早期発見ができる他、獣医師から愛犬の体質に合ったケア方法などのアドバイスももらえます。
バランスの良い食事を適量与える
バランスの良い食事は、健康的な体づくりに繋がります。
愛犬のライフステージに合ったフードを与えるようにしましょう。
特にダックスフンドは太り過ぎると足腰に負担がかかり、トラブルの素になる可能性があります。
フードのパッケージに記載されている量の目安を守るようにしてください。
適度な運動を取り入れる
ミニチュアダックスフンドは胴長短足で足腰に負担がかかりやすい犬種です。そのため適度な運動を取り入れて、足腰の筋力を維持することが大切です。
散歩はできれば1日2回、1回あたり20〜30分程度できると良いでしょう。ボールやおもちゃを投げて持って来させる、ロープやぬいぐるみの引っ張り合いをするなど、体を動かす遊びもおすすめです。
ただし激しいジャンプや急な方向転換などの動きは、腰に負担がかかりやすいため避けましょう。
ミニチュアダックスフンドの健康や病気の相談はオンラインでも
愛犬の体や様子に違和感を覚えたら、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院に連れて行くのは難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛犬の様子を獣医師に診てもらい、症状やケアの方法について相談することができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。