2026年4月17日
暖かくなってきてお出かけの機会が増えると気になるのが、犬のフィラリア予防です。最近は4月からの予防開始を推奨している動物病院も多いですが、5月からでも間に合うのでしょうか?そこでこの記事では、5月からフィラリア予防を始めてもいいのかや、注意すべきポイントを解説します。
犬のフィラリア症とは?
犬のフィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊に刺されることで感染するリスクがある病気です。蚊の体内で育った糸状線虫(フィラリア)が蚊を媒介して犬の体内に入り、心臓や肺に寄生して重い心肺障害を引き起こします。
放置すると命に関わることもある危険な病気なので、毎年決まった期間に予防薬を投与することが推奨されています。
フィラリア予防薬を「5月から」始めるのは遅い?
結論からいうと、多くの地域において、フィラリア予防薬を5月から開始するのは遅くありません。
フィラリア予防薬は、蚊を寄せ付けない薬ではなく、体内に侵入したフィラリアの幼虫を成長しきる前に退治する薬です。そのため5月に投与すると、4月に蚊に刺されていたとしても、侵入した幼虫を駆除することができます。
4月に蚊が出始めたのであれば、その1ヶ月後である5月に最初の投薬を行うのが、医学的にも合理的なスケジュールです。
またフィラリア予防薬の投薬推奨時期を決める指標に「HDU(有効積算温度)」というものがあります。フィラリアの幼虫が、蚊の体内で感染できる状態まで育つのに必要な熱量を表した指標で、地域の気温に左右されます。
南九州や南四国を除く日本の多くの地域では、4月はこのHDUがまだ基準に達しません。そのため4月中に感染のリスクがないと判断される地域では、5月からの開始がベストともいえます。
お住まいの地域のHDUを詳しく知りたい方は、製薬会社の公開データを参照するか、かかりつけの獣医師に相談してください。
フィラリア予防を5月から開始してもいいケース
特に以下の条件に当てはまる場合は、5月からの予防スタートで間に合うケースが多いです。
寒冷地や標高の高い地域に住んでいる
北海道、東北、北陸の一部、または標高の高い山間部など、4月の平均気温が15℃を下回るような地域では、4月中に蚊が活動することは稀です。たとえ蚊がいたとしても、気温が低いとフィラリアの幼虫が育たないため、5月以降の開始が推奨されます。
4月中に一度も蚊を見かけなかった
お住まいの地域で、4月の終わりまで一度も蚊を見かけず、気温も肌寒い日が続いていたような場合は、5月から投薬を開始しても安全に予防できます。
5月からの予防では遅い可能性があるケース
多くの場合は5月開始で問題ありませんが、お住まいの地域や愛犬の環境によっては、5月からの開始では遅い可能性があります。以下のケースに該当する場合は、4月、あるいはそれ以前からの対策が必要です。
温暖な地域や都市部のマンション
気温が高い地域や特定の住環境では、蚊の活動時期が標準よりもずっと早くなります。
例えば沖縄・南九州・南四国では、3月の時点でフィラリアの感染リスク(HDU)が基準に達することが珍しくありません。3月に刺された場合、5月の投薬では幼虫が成長しすぎてしまい、薬で駆除しきれない可能性があります。
また都市部の地下駐車場やマンションの共有スペース、24時間空調が効いた室内などは、年中温かいため蚊が冬を越して活動しているケースがあります。
こうした環境では、5月を待たずに通年予防を行うのが安全です。
4月の段階ですでに蚊を見かけている場合
「例年は5月からだから」というルールよりも、目の前に蚊がいるかどうかを優先してください。 一般的なフィラリア予防薬は、体内の幼虫が一定の大きさを超えると予防しきれなくなります。刺されてからおおよそ1ヶ月以内程度が、予防できる範囲です。
そのため4月の上旬に蚊を見かけた場合、5月のGW明けに投薬するのでは遅い可能性があります。
昨シーズンの投薬が不完全だった場合
もし昨年、11月や12月の最終投与を忘れていたり、早めに切り上げてしまったりした場合は要注意です。 去年の秋に侵入したフィラリアが、冬の間も体内で成長し続けている可能性があります。
この場合、5月まで待つのは危険です。早急に病院で検査を受け、現状を確認した上で投薬を再開する必要があります。
5月からのフィラリア予防薬投薬前にやるべきこと
5月の投薬をスタートする前には、以下の準備が不可欠です。
血液検査でフィラリア陰性を確認する
5月開始に限った話ではありませんが、フィラリア予防薬を投与する前には必ず血液検査を行い、フィラリアが陰性であることを確認しましょう。
万が一フィラリアに感染した状態で予防薬を飲んでしまうと、幼虫が体内で大量に死滅し、血管に詰まるなどしてショック症状を起こす危険があります。 必ず毎年検査を受けてください。
検査は投薬の直前に行う必要があります。5月から予防を始める場合は、4月後半〜5月の投薬当日までに受けるのがいいでしょう。
狂犬病予防接種や、ノミ・ダニ予防のスケジュールを合わせて組む
5月は狂犬病ワクチンやノミ・ダニ予防の時期とも重なり、病院が混み合います。
「5月になってから病院へ行こう」では予約が取りづらい可能性があるので、4月のうちに、フィラリアの検査とノミ・ダニ薬の受け取り、ワクチン接種の予約を済ませておきましょう。 早めに動くことで5月の混雑を避け、愛犬に負担のないスケジュールで予防を開始できます。
5月からフィラリア予防を始める場合の注意点
フィラリア予防は5月開始で問題ないケースが多い一方で、注意が必要な点もあります。事前に把握して、早めに動けるようにしましょう。
4月に蚊を見かけた場合は早めに投薬する
もし4月に蚊を見かけていた場合は、できるだけ早めに投薬を開始しましょう。
例えば4月初旬に蚊を見た場合、5月のGW明けに投薬を始めると、4月に刺された幼虫がすでに薬が効かないサイズまで成長している可能性もあります。5月の頭に最初の1回目を投薬できるよう、早めに動物病院を受診しましょう。
5月の動物病院は混んでいることが多い
5月は狂犬病の予防接種やフィラリア予防で、動物病院はかなり混雑しています。ゴールデンウィークの影響で、長く休診に入る動物病院もあるでしょう。
予約が取れない、待ち時間が長過ぎるという事態を防ぐためにも、早めの動きだしが大切です。
愛犬の健康に関する相談はオンラインでも
愛犬にちょっとした変化が見られたり、ちょっとした不安があったりしても、動物病院を受診するのはハードルが高いと感じる方も多いですよね。
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