ダックスフンドの椎間板ヘルニア|初期症状や治療方法・費用、家庭でできるケア方法

犬の病気

2026年7月1日

ミニチュアダックスフンドがなりやすい「椎間板ヘルニア」。胴長短足の愛らしい体型ゆえに腰への負担がかかりやすく、急に異変が現れることもあるため、事前に知識を持っておくことが大切です。
こちらの記事では、ダックスフンドの椎間板ヘルニアの初期症状やいざという時の治療方法、家庭でのケア方法などをご紹介します。

犬の椎間板ヘルニアとは?原因は?

椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間でクッションのような役目をしている「椎間板」が、背骨の間から飛び出て神経を圧迫してしまう病気です。
痛みや歩行困難、足の麻痺などの症状が現れます。

椎間板ヘルニアの原因は、大きく下記の2通りに分けられます。

遺伝的要因

犬の中には、遺伝的に椎間板が硬くなったり脆くなったりしやすい犬種がいます。
ミニチュアダックスフンドはこのタイプで、3〜6歳ごろの比較的若い時期にヘルニアの症状が急に現れることが多いです。

環境的要因

太り過ぎや激しい運動・事故による衝撃などによって、腰に負担がかかり、ヘルニアを発症することがあります。
特に歳をとるにつれて椎間板が弱くなり、上記のような要因でヘルニアを発症しやすくなります。

ダックスフンドはなぜヘルニアになりやすい?

ダックスフンドは、他の犬種に比べても椎間板ヘルニアになりやすいといえます。その理由は下記の2つです。

遺伝的にヘルニアを発症しやすい

前述の通りミニチュアダックスフンドは、遺伝的に椎間板が脆くなったり硬くなったりしやすい犬種のため、ヘルニアになりやすいです。

胴長短足

ミニチュアダックスフンドは短い足で長い胴を支えているため、日常のちょっとした衝撃や体重の増加などで椎間板にかかる負担が大きく、ヘルニアを発症しやすい傾向にあります。

【要注意】ダックスフンドの椎間板ヘルニアの初期症状

椎間板ヘルニアは、発症後放置しておくと症状が進行する病気です。できるだけ早い段階で症状に気が付いて治療を始めることで、重症化を防げる他、軽い治療で症状が改善する可能性が高くなります。

下記のような椎間板ヘルニアの初期症状が愛犬に見られないか、日々確認できると良いでしょう。

  • 背中に触られることや、抱っこされるのを嫌がる
  • ソファなどに飛び乗らなくなった
  • 階段の昇り降りを避ける
  • 足を引きずって歩く
  • 歩くのを嫌がる

【グレード別】ダックスフンドの椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアは、症状によってグレード(段階)が分けられています。グレード別にどのような症状が現れるのかをご説明します。

グレード1:痛みのみ

椎間板ヘルニアになると、まずは痛みが現れます。症状が痛みのみの段階は、「グレード1」とよばれます。 痛みによって下記のような行動が見られます。

  • 背中を触ったり抱っこしたりしたときに鳴く
  • 段差の昇り降りを嫌がる
  • 背中を丸める

グレード2:軽度の麻痺

足の力が弱くなり、足先の感覚が鈍くなるといった軽度の麻痺の症状が現れると、グレード2の段階に移行します。
グレード1の症状や行動に加えて、下記のような行動が見られます。

  • 歩くときにふらつく
  • 足を引きずって歩く

グレード3:重度の麻痺

重度の麻痺状態で下記のような様子が見られると、グレード3になります。

  • 後ろ足が動かない
  • 自力で歩けない
  • 後ろ足を引きずって前足だけで歩く

グレード4:重度の麻痺

重度の麻痺状態でさらに症状が進行するとグレード4です。下記のような行動が見られます。

  • 自力で排尿できなくなる
  • 排泄物を垂れ流してしまう

重度の麻痺があるものの多少の感覚が残っているため、強い痛みなどの刺激には反応します。

グレード5:最重度の麻痺

椎間板ヘルニアの最も重度な状態です。完全な麻痺状態で下記のような様子が見られます。

  • 足を強くつねっても反応しない(痛みを感じない)

グレード5に進行してしまった場合は、時間が経つにつれて神経への影響が深刻になるため、早急な手術が必要になります。

ダックスフンドのヘルニアで動物病院を受診する目安

椎間板ヘルニアは進行する病気なので、疑われる症状が見られたらすぐに動物病院を受診して早期の治療を始めることが大切です。
下記のような初期症状が見られたら、速やかに動物病院を受診しましょう

  • 背中を触られたり抱っこされるのを嫌がる
  • 足を引きずって歩く、歩くのが遅い
  • 段差の昇り降りを避ける

下記のような症状が見られる場合は、症状が進行している可能性が高いです。早急に動物病院を受診してください。

  • 後ろ足が動かない、引きずっている
  • 自力で立てない、歩けない
  • 排泄が上手くできない

ダックスフンドのヘルニアは治る?治療方法と費用

椎間板ヘルニアが治るかどうかは、症状の進行度合いや選択する治療、ヘルニアを発症してから治療開始までのスピードによって大きく異なります。
ここからは椎間板ヘルニアの治療方法と回復率についてご紹介します。

ヘルニアの治療方法と回復率

グレード1:症状が痛みだけの場合

症状が痛みだけの場合の治療は、安静にすることと薬の投与が中心です。
炎症や痛みを抑えるために、非ステロイド系の薬やステロイド系の薬を投与することが多いです。

この段階で治療を行った場合の回復率は非常に高く、80〜90%の確率で改善すると言われています。

グレード2:軽度の麻痺がある場合

軽度の麻痺がある場合も、グレード1と同様に安静にして薬の投与を行えば、80〜90%の確率で症状が改善するとされています。

改善しない場合は、手術が行われることもあります。

グレード3〜5:重度の麻痺の場合

グレード3以降になると手術が必要になるケースが多いです。
手術では、神経が圧迫されている部分の背骨を削って、圧迫を取り除きます。手術後に麻痺が残り、リハビリが必要な場合もあります。

このほかに、薬の投与やコルセットの着用、鍼治療など様々な治療方法があります。

グレード3〜4の場合、自力で歩けなくなる重度の麻痺状態になってから48時間以内に手術を行えば、90%ほどの確率で回復が期待できるとされています。
グレード5にまで進行している場合は、手術を受けたとしても回復率は50%ほどと言われています。

さらに足の痛みを感じない重度の麻痺状態になってから48時間を過ぎてしまうと、回復率が数%〜数10%ほどに激減すると言われています。

ヘルニアの治療費用

ここでは手術をしない「内科的治療」と手術をする「外科的治療」に分けて一般的な目安をご紹介しますが、ヘルニアの治療費用は病院や治療内容によっても異なります。詳しくはかかりつけの動物病院で確認しましょう。

内科的治療

グレード1〜2の段階で行われることの多い治療です。
薬の投与やレーザー治療などで50,000〜120,000円ほどになることが多いです。

外科的治療

グレード3以降の段階で行われることの多い治療です。
手術や入院費などを合わせて300,000〜500,000円ほどになることが多いです。

ダックスフンドのヘルニアに家庭でできるケア方法

ここからは愛犬が椎間板ヘルニアになってしまった際に家庭でできるケア方法をご紹介します。
動物病院を受診した上で、少しでも愛犬が楽になるように下記のケアをしてあげてください。

できるだけ安静にさせる

動物病院で安静にするよう指示された場合は、ケージなどの狭い場所で安静に過ごしましょう。
トイレなどで必要なとき以外は動かさないようにして、散歩や家の中での運動はさせないようにしてください。

期間は獣医師の指示によりますが、椎間板が回復するまでの4〜6週間は安静の必要がある可能性があります。

腰の負担が少なくなるように室内を整える

愛犬が過ごす部屋は、できるだけ腰への負担が少なくなるように整えましょう。
滑りやすい床にはコルクのマットやラグを敷く、ソファやベッドにスロープを設置する、飛び降りそうな場所には入れないようにするなど、自宅の危険な場所を見直してみてください。

横向きに抱っこする

縦抱きは愛犬の腰に負担がかかります。ワキの下だけを持って抱っこするのはもちろんNGですが、お尻に手を添えたとしても負担が大きいです。
胸と腰を両手で支えて、地面と背中が平行になるように横向きに抱っこしましょう

適度な固さの寝床を用意する

愛犬用のベッドは、低反発マットのような沈み込みすぎない適度な硬さのものを用意しましょう
柔らかすぎるベッドだと体が沈んで姿勢が崩れ、腰に負担がかかることがあります。

ダックスフンドの椎間板ヘルニアを予防するには?

ダックスフンドが椎間板ヘルニアを発症しないためには、愛犬の腰に負担がかからないように日頃から飼い主が気をつけてあげることが大切です。下記のような予防策を行えるといいですね。

太りすぎないようにする

太り過ぎると、腰に負担がかかってヘルニアを発症しやすくなります。
ダックスフンドの適正体重は、生後12ヶ月ごろの体重が目安です。
その子によって差はありますが、一般的にいわれる平均体重は以下の通りです。

  • カニンヘンダックスフンド:約3〜3.5kg
  • ミニチュアダックスフンド:約3.5〜5kg
  • スタンダードダックスフンド:約9〜12kg

適正な体重をキープするために、フードはパッケージに記載されている適量を与える、おやつの量が多かった日は無理のない範囲でフードを減らす、適度な運動を取り入れるなどすると良いでしょう。

家の中の段差を解消する

ソファやベッドなど高さのある場所からの飛び降りによる衝撃は、ヘルニアの原因になる可能性があります
段差のある場所にはスロープや低い階段などを設置すると良いでしょう。
階段など近づいてほしくない場所にはゲートを設置して、自由に入れないようにするのも一つの方法です。

床で滑らないようにする

フローリングの床は滑りやすく、腰に負担がかかりやすいです。
マットやラグを敷いて、滑りにくいようにしてあげましょう。

また愛犬の足の裏の毛が伸びているとさらに滑りやすくなるので、定期的にカットするようにしてください。

無理な姿勢を取らせない

体を丸めていないといけない場所に長時間入れる、2本足で立って歩かせる、下半身を支えずにワキの下だけを持って抱っこするなど、腰への負担になる無理な姿勢はとらせないようにしましょう。
抱っこをする際は両手で体全体を支え、背中と床が平行になるように横向きに抱えてください

ダックスフンドの健康の相談はオンラインでも

ダックスフンドはヘルニアになりやすい犬種なので、少しの違和感でもできるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院で診てもらうのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛犬の様子を獣医師に診てもらい、症状や必要なケアについて相談することができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。