犬が体をかく・かゆがる原因は?対処法や受診の目安
犬の病気

2025年12月27日

犬が体をかくのは珍しいことではありませんが、なかには治療受診が必要なケースもあるので、原因にあわせて適切に対処することが大切です。この記事では、犬がかゆがる原因や対処法、受診の目安などをご紹介します。

犬のかゆみの原因と、原因別の症状

犬のかゆみの主な原因と、原因別の症状は下記のとおりです。

皮膚の乾燥

犬の皮膚は人間よりも薄くてデリケートなため、乾燥しやすいです。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になってかゆみを生じやすくなります。

かさつきやフケのほか、引っかいて皮膚が傷つくと、赤みや出血を伴うこともあります。これらの症状は、毛が少ないお腹周りや首元、足の付け根などでよくみられます。

アレルギー

アレルギーは強いかゆみが特徴で、体や顔、耳などを引っかく、擦りつける、舐めるといった行動が増えます。繰り返しかいたり舐めたりすることで、皮膚の赤みや脱毛、色素沈着などの症状を伴うこともあります。

犬で代表的なのは食物アレルギー、ノミアレルギー、アトピー性皮膚炎です。

膿皮症

健康な皮膚にもともと存在しているブドウ球菌などの細菌が、増えすぎることで起こる感染症です。かゆみのほか、皮膚の赤みや湿疹、脱毛、かさぶたなどの症状があらわれます。
子犬、基礎疾患や加齢などで免疫力が低下している犬で起こりやすいとされています。

マラセチア皮膚炎

カビの一種であるマラセチア菌が増えると、かゆみ、湿疹、べたつき、脂っぽい独特の臭い、フケなどの症状があらわれます。脇や首、耳、指の間など、通気性が悪く皮脂がたまりやすい部位に多くみられます。

寄生虫

寄生虫によってかゆみが引き起こされることもあります。犬で代表的な寄生虫の病気は以下2つです。

● 疥癬

ヒゼンダニが原因の病気です。顔や耳、肘、お腹など毛が薄い部分に、強いかゆみ、赤い発疹、フケといった症状があらわれます。

● ニキビダニ症

毛穴に寄生しているニキビダニが、皮膚のバリア機能や免疫力の低下をきっかけに過剰に増えることで引き起こされます。全身に症状があらわれるタイプでは、強いかゆみ、かさぶた、色素沈着、激しいフケなどの症状があらわれます。

犬のかゆみで受診する目安

愛犬がかゆそうにしていても、すぐにおさまる場合は自宅でしばらく様子をみてもかまいません。

ただし下記の項目に当てはまるときは治療が必要な可能性があるので、早めに動物病院を受診してください

  • 皮膚の赤み、出血、脱毛、フケなどかゆみ以外の症状を伴う
  • 皮膚がべたつく、脂っぽい臭いがする
  • 同じ場所をしきりにかいたり、舐めたりしている
  • 眠れないほどかゆみが強い
  • かゆみの範囲が広い
  • ケアしても症状が改善しない、または悪化している
  • 触ると痛がる
  • 毎年同じ時期にかゆがる

犬のかゆみで受診するときに伝えること

かゆみの原因を特定するには、見た目の症状だけでなく日頃の生活や病歴といった飼い主からの情報も重要です。
受診の際には下記のことを伝えられるようにしておくといいでしょう。

  • かゆみが出始めた時期
  • かゆがるタイミング(散歩後、寝る前、特定の季節など)
  • かゆがる部位
  • ノミ・ダニ予防薬の使用状況と製品名
  • 食事の内容(フードやおやつの種類、製品名)
  • 使用中の薬、サプリメント
  • 使用中のシャンプー、スキンケア用品
  • これまでの病歴

犬のかゆみの治療方法

犬のかゆみは、原因にあわせて下記のような方法で治療をするのが一般的です。

  • 膿皮症:薬用シャンプー、抗菌薬(外用薬、内服薬)
  • マラセチア皮膚炎:抗真菌薬(外用薬、内服薬)、薬用シャンプー
  • 寄生虫:駆虫薬(内服薬、滴下薬、注射薬) 
  • アレルギー:アレルゲンの除去、シャンプー、抗ヒスタミン薬、犬アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎治療薬
  • 皮膚の乾燥:保湿剤、保湿成分配合のシャンプー

犬の年齢や症状の程度などによっては、上記以外の治療方法が検討されることもあります。

つらいかゆみを今すぐ和らげたいときの応急処置方法

かゆみが強く今すぐ解消したいときは、冷やすことで一時的に和らぐことがあります。冷水で濡らしたタオルや、ハンカチで包んだ保冷剤などを、患部にそっと当てて様子をみましょう。

ただこれはあくまでも応急処置で、かゆみが根本から治ったわけではありません。愛犬がかゆくてつらそうな場合は、早めに動物病院を受診するのが安心です。

人間用の薬はもちろん、犬用であっても市販薬を自己判断で使用するのは避けてください

自宅でできる、犬のかゆみのケア方法

かゆみの原因が病気ではなく程度も軽い場合は、自宅で適切にケアすることで症状が改善することもあります。下記の方法でケアしましょう。

シャンプーで体を洗う

皮膚への刺激となる皮脂やフケなどの汚れをシャンプーで洗い流すことで、かゆみが軽減することがあります。
かゆみがあるときは皮膚が敏感になっているので、シャンプーは低刺激で保湿成分が入ったものがおすすめです。

シャンプーの種類・頻度・方法を見直す

シャンプーで体を洗っているにもかかわらずかゆがる場合は、シャンプーの頻度や方法が適切でなく皮膚への刺激になっている可能性があります。シャンプーをする際は下記のことに気をつけましょう。

  • シャンプーの使用は月に1~2回程度にする
  • すすぎの残しがないように、シャンプーを念入りに洗い流す
  • シャンプー後はすぐにタオルドライし、ドライヤーでしっかり乾かす

肌を保湿する

先述のとおり、皮膚が乾燥していると刺激に敏感になってかゆみを感じやすくなります。特にシャンプー後は皮膚が乾燥しやすい状態なので、犬専用の保湿剤でしっかり保湿しましょう

食事内容を見直す

皮膚の健康維持に必要な栄養が不足することで、皮膚のバリア機能が低下して刺激に敏感になることもあります。特にタンパク質や良質な脂質、ビタミン、ミネラルは積極的に摂取したい栄養素です。愛犬の年齢や体質に適した食事内容になっているか見直してみましょう。

犬のかゆみの予防方法

愛犬のかゆみを予防するには、皮膚を清潔に保ったり乾燥を防いだりして皮膚のバリア機能を維持することが大切です。具体的な方法は下記のとおりです。

こまめにブラッシングをする

ブラッシングには、汚れや抜け毛を取り除いて皮膚を清潔に保ったり、皮膚の新陳代謝を促してバリア機能を維持したりする役割があります。肌トラブルがなければ1日10分程度を目安に、こまめにブラッシングをしましょう

適切な頻度でシャンプーをする

皮膚を清潔に保つためにもシャンプーは必要ですが、頻繁にやりすぎると皮膚が乾燥してかゆみを伴う肌トラブルが起こりやすくなります。シャンプーの使用は、月に1~2回程度を目安にしましょう。

肌を保湿する

乾燥しやすい犬の皮膚を保護するために、空気が乾燥する時期やシャンプー後は保湿ケアが欠かせません。保湿剤は犬専用のものを用意し、毛をかき分けるようにして皮膚に直接塗ってください。

散歩後は全身を拭く

散歩をすると、花粉や砂といった汚れやダニなどが付着しやすく、そのままにしておくと皮膚への刺激となってかゆみを引き起こすことがあります。散歩後は濡れタオルや犬用のウェットシートで全身を拭き、乾いたタオルで水気を取り除きましょう
特に脚の末端はよく洗って、タオルで拭いてあげると良いでしょう。

生活環境を清潔に保つ

生活環境が不衛生だと、細菌やカビが繁殖したりダニやハウスダストが溜まったりして、肌トラブルやアレルギーの原因になります。愛犬が使う寝具やタオルは定期的に洗濯し、部屋もこまめに掃除して清潔な状態を保つようにしましょう。

栄養バランスの整った食事を摂る

皮膚を健康に保つためには、毎日の食事内容も重要です。対処法でご紹介したタンパク質や良質な脂質、ビタミン、ミネラルなどを中心に、普段からバランスよく栄養が摂れるように心がけましょう。

犬のかゆみの相談はオンラインでも

犬のかゆみの対処法などをご紹介しましたが、症状のあらわれ方には個体差があるので、受診のタイミングやケア方法を専門家に相談したいときもあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受けることができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。