犬の耳トラブルでよく使われる薬
犬の病気

2025年12月11日

愛犬に耳のトラブルがあるとき、薬での治療が必要なのか、どのような薬が使われるのか気になることもあるかと思います。こちらの記事では、犬の耳トラブルでよく使われる薬についてご紹介します。

ただしこの記事で紹介する薬剤はあくまで一例です。実際の治療では、獣医師が個々の症状や状態に応じて適切な薬を選択します。自己判断での投薬は絶対にやめましょう。

薬での治療が必要な犬の耳トラブルの例

薬での治療が必要な犬の耳トラブルには下記のようなものがあります。

細菌や真菌による外耳炎

細菌や真菌が耳の中で異常に増殖することによって炎症が起こり、痒みや痛みから耳を掻く・頭を振る、悪臭、耳垢の増加などを引き起こします。

耳ダニによる外耳炎

耳ダニというダニが耳の中に寄生することで炎症が起こり、激しい痒みと耳垢の色の変化や量の増加などを引き起こします。

アレルギー性皮膚炎

特定の食べ物やホコリ、花粉などへのアレルギー反応で皮膚に炎症が起こって、痒みや赤みが出ることがあります。

落葉状天疱瘡

免疫機能が誤って自分の皮膚を攻撃してしまうことで起こる、比較的稀な自己免疫性疾患のうちの一つです。
耳にかさぶたやフケ、ただれ、膿を含んだ湿疹、痒みなどの症状が現れます。耳だけでなく、鼻や目の周り、肉球などの皮膚が弱い部分にも症状が現れることがあります。

中耳炎、内耳炎

外耳炎が進行して、鼓膜の奥にある中耳や内耳にまで炎症が起こった状態です。外耳炎以外にも、腫瘍や異物、外傷などが原因となることもあります。

症状は、耳の痛みや不快感、耳からの分泌物、悪臭などです。内耳炎になると、首が傾く、ふらつくなどの神経症状が出ることもあります。

それぞれのトラブルでは似た症状が出ることもありますが、原因によって効果的な薬が異なります。次の章から、トラブル別に治療でよく使われる薬をご紹介します。

犬の細菌や真菌による外耳炎で使われる薬 

細菌や真菌による外耳炎で使われる薬には、下記のようなものがあります。

抗菌薬

細菌が原因の外耳炎で、増殖した細菌を抑制または殺菌するために使われる薬です。後からご紹介する抗真菌薬や抗炎症薬と組み合わせた点耳薬が使われることが多いです。
点耳薬だけでは効果が不十分な場合や、感染が奥まで広がっている場合は、内服薬が使われることもあります。

よく使われる薬剤

点耳薬:モメタオティック、オスルニア、ウェルメイトL3、ネプトラなど
内服薬:セファクリア錠、リレキシペットA錠、クラバセプチン錠、ゼナキル錠など

抗真菌薬

マラセチアなどの真菌が原因の外耳炎で、真菌の増殖を抑える、または殺菌するための薬です。抗菌薬や抗炎症薬と組み合わせた点耳薬が処方されることが多いです。
真菌の増殖が著しい場合や、全身の皮膚にも広がっている場合は、内服薬が使われます。

よく使われる薬剤

点耳薬:モメタオティック、オスルニア、ウェルメイトL3、ネプトラなど
内服薬:イトリゾールなど

抗炎症薬(ステロイド)

耳道の炎症や腫れ、痒みを抑えて、耳の中の環境を改善するための薬です。抗菌薬や抗真菌薬と組み合わせた点耳薬が出されることが多いです。
炎症が非常に激しい場合は、炎症を抑えるために、治療の初期段階で短期間だけ内服薬を使うことがあります。

ステロイドは適切に使用すれば有効な薬ですが、長期使用には注意が必要なため、獣医師の指示に従って投与することが重要です。

よく使われる薬剤

点耳薬:モメタオティック、オスルニア、ウェルメイトL3、ネプトラなど
内服薬:プレドニゾロンなど

犬の耳ダニによる外耳炎で使われる薬

耳ダニによる外耳炎で使われる薬には下記のようなものがあります。

駆虫薬

耳ダニを耳の中から駆除するための薬です。
背中の皮膚に垂らすスポットオン製剤と飲み薬が主流ですが、患部に直接垂らす点耳薬タイプもあります。

投与は1回で済むこともありますが、耳ダニのライフサイクルを考慮して複数回必要になる場合もあります。獣医師の指示に従って、確実に駆除を完了させることが大切です。
駆虫薬での治療と同時に、洗浄液を使って耳の中の洗浄を指示される場合があります。

よく使われる薬剤

レボリューション、アドボケート、シンパリカなど

アレルギー性皮膚炎で使われる薬

アレルギー性皮膚炎で使われる薬には下記のようなものがあります。

かゆみ止め

かゆみを発生させる物質の働きを抑えるために使われる薬です。飲み薬や注射で投与する薬があり、症状や原因に応じて使い分けられます。

よく使われる薬剤

アポキル錠、サイトポイント注射薬など

免疫抑制剤

免疫機能の過剰な反応を抑制し、炎症を抑えるために使われる薬です。 飲み薬や注射で投与する薬、塗り薬などがあり、症状や目的によって使い分けます。ステロイド剤と非ステロイド剤があります。

ステロイド剤は、症状が重い場合に一時的に使うことが多いです。非ステロイド剤は、治療が長引くときにステロイドの使用量を減らす目的や、ステロイドの副作用が懸念される場合に代替として使われることが多いです。

よく使われる薬剤

アトピカ、プレドニゾロン(免疫抑制量)など

落葉状天疱瘡で使われる薬

落葉状天疱瘡で使われる薬には下記のようなものがあります。

免疫抑制剤

免疫機能を抑制させ、誤って皮膚に攻撃するのを防ぐために使われる薬です。

まずは強い抗炎症作用をもつステロイド剤が使われることが多いです。飲み薬の他に、塗り薬や薬浴(お風呂に薬を入れる方法)などがあります。
症状が改善してきたら、副作用を避けるためにステロイドの使用量を徐々に減らしていきます。ただし自己判断で投薬を中止すると症状が悪化する恐れがあるため、減量のペースは獣医師が慎重に判断します。

ステロイドだけでは効果が不十分な場合や、ステロイドの使用量を減らしたい場合、強い副作用が出た場合には、ステロイド以外の免疫抑制剤を使用することもあります。飲み薬や塗り薬があり、症状の範囲や目的によって使い分けられます。

よく使われる薬剤

ステロイド剤:プレドニゾロン、デキサメタゾンなど
非ステロイド剤:アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス軟膏など

中耳炎、内耳炎で使われる薬

中耳炎、内耳炎で使われる薬には下記のようなものがあります。

抗菌薬

細菌が原因で中耳炎や内耳炎が起こっている場合に、殺菌または静菌のために使われます。内服薬が処方されます。

よく使われる薬剤

セファメジン、クラバモックスなど

抗真菌薬

真菌が原因で中耳炎や内耳炎が起こっている場合に、真菌の増殖を抑えるまたは殺菌するために使われる薬です。飲み薬が処方されます。

よく使われる薬剤

イトリゾールなど

駆虫薬

耳ダニが原因で中耳炎や内耳炎が起こっている場合に、耳ダニを駆除するために使われる薬です。

よく使われる薬剤

レボリューション、シンパリカなど

抗炎症薬

痛みや腫れ、神経障害の改善のために使われます。飲み薬が処方されます。

ステロイド剤と非ステロイド剤があり、ステロイド剤は治療の初期の段階で使われることが多いです。非ステロイド剤は、治療が長引くときやステロイド剤を減量する目的で使われることが多いです。痛みの軽減に有効ですが、長期の使用や他の薬との併用には注意が必要です。

よく使われる薬剤

ステロイド剤:プレドニゾロン、デキサメタゾンなど
非ステロイド剤:リマダイル錠、メタカムなど

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