2025年12月12日
愛猫の耳にトラブルが起こっていると、薬での治療は必要なのか、どのような薬を使うのかなど疑問に思うことがあるかもしれませんね。こちらの記事では、動物病院での薬での治療が必要な猫の耳のトラブルや、治療に使われる薬についてご紹介します。
ただしこの記事で紹介する薬剤はあくまで一例です。実際の治療では、獣医師が個々の症状や状態に応じて適切な薬を選択します。自己判断での投薬は絶対にやめましょう。
薬での治療が必要な猫の耳トラブルの例
薬での治療が必要な猫の耳トラブルには、下記のようなものがあります。
細菌や真菌による外耳炎
細菌や真菌が耳の中で異常に増殖することによって炎症が起こります。耳垢の色や質感の異常、耳からの悪臭、耳の痒みなどの症状が現れます。
耳ダニによる外耳炎
耳ダニというダニに感染することによって起こる外耳炎です。黒い耳垢が大量に出るのが特徴で、強い痒みを伴います。
中耳炎・内耳炎
外耳炎が悪化して、鼓膜の奥へ炎症が広がることで起こります。外耳炎以外にも、腫瘍や異物、外傷などが原因で発症することもあります。
症状は、耳の痛みや膿のような耳垢、悪臭、顔が傾く、口や顔の筋肉が動かせないなどで。内耳炎になると、ふらつく、円を描くように回るなどの平衡感覚の異常や眼球の異常などが現れることもあります。
落葉状天疱瘡
免疫機能が誤って自分の皮膚細胞を攻撃してしまうことで起こる、自己免疫性疾患のうちの一つです。
猫がなるのは稀ですが、発症すると耳たぶにかさぶたや赤み、膿を含んだ発疹などが現れます。耳以外にも鼻や目の周り、肉球などにも症状が現れることがあります。
それぞれ症状は似ている部分がありますが、トラブルの原因によって効果的な薬は異なります。次の章から、治療によく使われる薬をトラブル別にご紹介します。
猫の細菌や真菌による外耳炎で使われる薬
猫の細菌や真菌による外耳炎で使われる薬には下記のようなものがあります。
抗菌薬
細菌の殺菌や増殖を抑制する薬です。トラブルの原因になっている細菌の種類にあわせて処方されます。
後からご紹介する抗真菌薬や抗炎症剤(ステロイド剤)と組み合わせた点耳薬が使われることが多いです。
抗真菌薬
マラセチアなど真菌の増殖を抑える薬です。痒みの軽減や耳垢の改善、悪臭の緩和なども期待されます。
抗菌薬や抗炎症剤(ステロイド剤)と組み合わせた点耳薬が処方されることが多いです。
抗炎症剤(ステロイド剤)
外耳道の腫れや赤み、炎症を抑えたり、強い痒みを早く緩和したりする薬です。
抗菌薬や抗真菌薬と一緒になった点耳薬のほか症状によっては一時的に内服薬(飲み薬)が処方されることがあります。
猫の耳ダニによる外耳炎で使われる薬
耳ダニによる外耳炎で使われる薬には下記のようなものがあります。
駆虫薬
外耳炎の原因である耳ダニを駆除する薬です。
背中の皮膚に液体を垂らす「スポットオン製剤」が使われることが多いです。
耳ダニだけでなく、ノミ、フィラリアなど複数の寄生虫をまとめて駆除、予防できる薬が多いのも特徴です。
よく使われる薬剤
レボリューション、アドボケート、ネクスガードキャットコンボなど
猫の中耳炎・内耳炎で使われる薬
猫の中耳炎や内耳炎で使われる薬には下記のようなものがあります。
抗菌薬
細菌が原因で中耳炎や内耳炎が起こっている場合に使われる薬で、菌の感染を抑えます。
中耳炎や内耳炎は炎症が鼓膜の奥深くまで広がっていて点耳薬では薬が十分に届かない可能性が高いので、内服薬(飲み薬)を使うことが多いです。
よく使われる薬剤
エンロクリア錠、バイトリル錠、ベラフロックス猫用経口液/錠など
抗真菌薬
真菌が原因で中耳炎や内耳炎が起こっている場合に、菌の感染を抑えるために使われる薬です。
抗菌薬と同じく、点耳薬では患部まで届かないことがあるため、内服薬(飲み薬)が使われることが多いです。
よく使われる薬剤
イトラベット錠、イトラファンゴールなど
抗炎症剤(ステロイド剤)
炎症による腫れを抑え、痛み、顔が傾く、平衡感覚の異常などの症状を緩和するために使われます。
効果が強いですが、多飲多尿、多食、嘔吐や下痢などの副作用が出る可能性もあるため、獣医師の指導に基いて使用することが大切です。
よく使われる薬剤
プレドニゾロンなど
猫の落葉状天疱瘡で使われる薬
猫の落葉状天疱瘡で使われる薬には下記のようなものがあります。
免疫抑制剤
免疫機能を抑制させて、誤って皮膚細胞に攻撃してしまうのを防ぐ薬です。
まずは強い抗炎症作用と免疫抑制作用を持つステロイド剤が使われることが多いですが、症状が改善してきたら、副作用を避けるために、獣医師の判断のもと徐々に減量していきます。
ステロイドだけでは効果が不十分な場合、ステロイドの使用量を減らしたい場合、ステロイドの副作用が強くでた場合には、ステロイド以外の免疫抑制剤を使います。
よく使われる薬剤
ステロイド剤:プレドニゾロンなど
非ステロイド剤:アトピカなど
猫の耳トラブルの相談はオンラインでも
愛猫に耳トラブルが起きたら、適切なケアや治療の方法がわかると安心ですよね。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリで獣医師に症状を診てもらい、適切な対応を教えてもらうことができます。 獣医師が必要と判断した際には、薬を処方してもらうことも可能です。困ったときは利用を検討してみてくださいね。