犬が頭を振るのはなぜ?注意すべき病気や原因、対処法
犬の病気

2025年12月8日

愛犬が頭を頻繁に振っていると、何かトラブルが起こっているのか、受診した方が良いのかなど疑問に思うことがあるかと思います。こちらの記事では、愛犬が頭を頻繁に振る主な原因や受診の目安、自宅でやってはいけないことなどをご紹介します。

犬が頭を頻繁に振るのは病気?原因は?

愛犬が頭を振る仕草は日常的に見られますが、頻繁に振っているときは何らかのトラブルが起こっている可能性があります。犬が頭を頻繁に降るときに考えられる主な原因には以下のようなものがあります。

外耳炎

細菌や真菌の増殖、耳ダニの寄生、アレルギー反応などによって、耳の入り口から鼓膜までの耳道に炎症が起こる「外耳炎」になると、痒みや痛みが生じます。それを振り払おうとして、頭を振ることがあります。
頭を振る以外に、耳の赤みや腫れ、耳垢の色や質感の変化、耳からの悪臭などの症状が現れることもあります。

異物混入

散歩中に砂や草の種などが耳に入ると、違和感や痛みを感じ、耳の中のものを取り除こうとして激しく頭を振ることがあります。
また異物によって外耳炎が起こると、痛みや痒みを感じてそれを振り払おうと頭を振ることがあります。

中耳炎・内耳炎

外耳炎が悪化して、鼓膜の奥にある中耳や内耳にまで炎症が広がった状態です。強い痛みを振り払おうとして激しく頭を振ったり、平衡感覚に異常が出て頭を小刻みに振ったりすることがあります。
頭を振る以外にも、頭をどちらか一方に傾けたままの状態になる、まっすぐ歩けずフラフラする、眼球が小刻みに揺れるなどの神経症状が現れることがあります。

ストレス

飼い主に叱られる、動物病院のような苦手な場所にいる、普段聞かない大きな音を聞いたなど、ストレスを感じることが起こったときに、緊張した体をほぐして気持ちを切り替えようと頭を振ることがあります。

脳の病気のサイン

犬が頭を振る原因はこれまでご紹介したような耳のトラブルが一般的ですが、稀に脳の病気が原因で頭を振ることもあります。
例えば腫瘍や脳炎によって平衡感覚をつかさどる器官に影響が起こると、頭を振る仕草が見られることがあります。
頭を振る以外にも、首を傾げる、体が傾く、フラフラする、同じ場所をぐるぐる回るなどの行動が見られることがあります。

また、てんかんが起こると体や頭の一部だけがけいれんすることもあり、小刻みに頭を振っているように見えることがあります。

犬が頭を振るときの観察のポイント

愛犬が頭を振るときは、下記のようなポイントに気をつけて観察してみましょう。動物病院を受診するかの判断材料になるほか、受診の際に獣医師に伝えると診察に役立つことがあります。

頭を振る頻度と振り方

愛犬が頭を振っているときは、一時的に頭を振っているのか、それとも頻繁に繰り返して頭を振っているのかを観察してください。

また頭の振り方は、何かを振り払おうとするような激しい振り方なのか、小刻みに頭を揺らしているのか、けいれんのような振り方なのかも観察するようにしましょう。
頭部についた水や虫などを振り払おうとして一時的に数回頭を振っているだけであれば問題ないことがほとんどですが、頻繁に頭を振っていたり何時間も続いていたりする場合は、耳や脳に何らかのトラブルが起こっている可能性があります。

耳の中の状態

犬が頭を頻繁に振っているときは、耳の中にトラブルが起こっていることが多いです。耳の中や耳垢の状態に異常がないかを観察してみましょう。下記のような点に注目して観察すると良いでしょう。

  • 耳に赤みや腫れがないか
  • 茶色いベタベタした耳垢や黄色や緑っぽいドロっとした耳垢が出ていないか
  • 黒い耳垢が大量に出ていないか
  • 耳から悪臭がしていないか
  • 耳をしきりに掻こうとしていないか
  • 耳を壁や床に擦り付けていないか

歩き方や平衡感覚の変化

耳の中のトラブルや脳の病気が原因で歩き方や平衡感覚に異常が出ていないか、下記のような点に注目して観察するようにしましょう。

  • 体のバランスは保てているか、フラフラしていないか
  • まっすぐ歩いているか
  • 同じ場所をくるくる回っていないか
  • 首が左右どちらかに傾いていないか

犬が頭を振るときの受診の目安

犬が頻繁に頭を振るときは耳や脳にトラブルが起こっている可能性があります。緊急度に分けて受診の目安をご紹介します。

夜間や休日でも受診した方が良い場合  

愛犬が頭を振っており、下記のような様子がみられる場合は、緊急度が高いため夜間や休日でも救急で動物病院を受診しましょう。 

  • 頭が左右どちらかに傾いたままになっている
  • フラフラする、まっすぐ歩けない
  • その場でグルグル回る
  • 眼球が小刻みに揺れている
  • 激しい痛みを伴う(触られるのを嫌がる、キャンと鳴くなど)

診療時間内に受診した方が良い場合

愛犬が頭を振っていて下記のような様子がみられる場合は、耳の中で炎症が起こっている可能性が高いため、診療時間内でできるだけ早めに動物病院を受診しましょう。

  • 頭を振る回数が増えた、振るのをやめない
  • 耳をしきりに掻く、床や壁に擦りつける
  • 耳が赤い、腫れている、熱を持っている
  • 耳から悪臭がする
  • 耳垢の色が黒、茶色、黄緑
  • 耳垢がネバネバ、ドロっとしている
  • 耳垢の量がいつもよりも多い

様子を見ても良い場合

愛犬が頭を振っていても、下記のような一時的なものの場合は、受診せずにしばらく様子を見てもかまいません。

ただし時間が経って前述のような受診の必要がある症状が出てきた場合は、速やかに動物病院を受診してください。

  • シャンプーや水遊びなどの後に水を振り払おうと一時的に頭を振っている
  • 叱られた後や運動の後に興奮状態を落ち着かせるために一時的に頭を振っている
  • 耳の中が清潔で、フラフラするなど脳の病気を疑うサインも見られない

犬が頭を振るときにやってはいけないこと

犬が頭を振るときに下記のようなことをすると症状が悪化するおそれがあるため、しないようにしてください。

放置して様子を見続ける

犬が頭を振るのが一時的ではなく続いている場合には、放置しないようにしてください。症状が悪化したり、他の病気を併発したりするおそれがあります。速やかに動物病院を受診するようにしましょう。

過度な耳掃除をする

犬が頭を振るときは耳の中が汚れていることが多いですが、綿棒を使う、強く擦るといった過度な耳掃除をするのはやめましょう。耳垢を耳の奥に押し込んでしまったり、耳の中を傷つけてしまったりするおそれがあります。
耳が汚れているのが気になるときは、洗浄液を染み込ませたガーゼやコットンで目に見える範囲だけの汚れを優しく拭き取るようにしてください。

自己判断で薬を使う

犬が頭を振っているときに、自己判断で市販の薬や過去に処方された薬を使うのはやめましょう。必ず動物病院を受診して、獣医師から処方された薬を用法用量を守って使うようにしてください。

無理に押さえつける

頭を振っているのをやめさせようとしたり、耳の中を見ようとしたりして、無理やり頭を押さえつけないようにしましょう。トラウマになり、今後の耳のケアや診察が困難になる可能性があります。

犬が頭を振るときに自宅でできることは?

犬が頭を振るときは、症状の悪化を防ぐために下記のようなホームケアをすると良いでしょう。

耳の中と行動をこまめに観察する

愛犬が頭を頻繁に振っているときは、できるだけ毎日耳の中をチェックするようにしましょう。また頭が傾いていないか、フラフラしていないかなど、いつもと違う行動がないかも気をつけて見るようにしてください。

耳垢の状態や耳のにおいに異常がある場合や、いつもと違う行動が見られる場合は、できるだけ早く動物病院を受診するようにしてください。

耳の中の見える範囲の汚れを優しく拭き取る

耳の中をチェックした際に汚れがある場合は、洗浄液を染み込ませたガーゼやコットンで目に見える範囲の汚れだけを優しく拭き取ります
奥まで無理に汚れを取ろうとしたり、強くゴシゴシ擦ったりしないように気をつけてくださいね。

エリザベスカラーを着用させる

犬が頭を振っているときは耳に痒みや痛みがあることが多く、患部を足で掻いたり触ったりして症状が悪化するおそれがあります。触ったり掻いたりしないようにエリザベスカラーを着用させるのも一つの方法です。

エリザベスカラーを着けると、カラーが邪魔をしていつもと同じように食事や水を摂ることが難しかったり、周りが見えづらく家具にぶつかったりすることがあります。
水や食事の容器を台の上に置いて高さを出したり、ぶつかりそうな家具を移動させたりして、生活しやすいようにサポートしてあげると良いですよ。

耳を濡らさないようにする

耳が濡れると耳の中に湿気が溜まり、細菌や真菌が増殖して炎症が起こりやすくなります。犬が頭を振っているときは、シャンプーや水遊びなど濡れることはできるだけ避けましょう。
汚れが気になるときはドライシャンプーやウェットシートでケアを行ってください。

もし濡れてしまった場合は、タオルやドライヤーで素早くしっかり乾燥させるようにしましょう。

耳の毛をカットする

耳の中に毛が多く耳の通気性が悪いと、細菌や真菌が増殖して炎症を起こし、頭を振ることがあります。耳の毛が長い犬種は、動物病院やトリミングサロンで耳の毛をカットしてもらうのもおすすめです。

アレルゲンを避ける

アレルギーによって炎症が起こって愛犬が頭を振っているときは、アレルゲンをできるだけ避けることが大切です。
フードをアレルギー対応のものに変更する、寝具やカーペットをこまめに洗濯するなどして、できるだけ身の回りのアレルゲンを避けられるようにしましょう。

愛犬の「いつもと違う」はオンラインでも相談できます

愛犬の様子がいつもと違うときに、動物病院に連れて行って診てもらった方が良いのか、自宅でしばらく様子を見ても良いのか、判断するのが難しいこともあるかと思います。そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリで獣医師の診察を受け、直接受診した方が良いのか、自宅でできるケアはあるのかなど適切な対応を教えてもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。