2025年12月24日
「犬は毛皮があるから寒さに強い」と思われがちですが、犬種や年齢によっては寒さに弱く、冬の寒さ対策は欠かせません。この記事では、愛犬を冬の寒さから守り、健康に過ごすための具体的な寒さ対策を解説します。
なぜ犬に寒さ対策が必要なの?
犬の被毛は天然のコートのような役割を持ちますが、厳しい冬の寒さや長時間の冷えから体を守るのには限界があります。人間と同じように犬も寒いと不快に感じるため、快適に過ごしてもらうためには寒さ対策は必要です。
また寒さによる体の冷えは、次のような病気のリスクを高めます。
- 関節炎・リウマチ
- 風邪などの感染症
- 膀胱炎、尿路結石
寒さに弱い犬種や特徴
基本的にどの犬にも寒さ対策は必要ですが、特に寒さに弱い次のような犬にはより手厚いケアが必要です。
短毛種
被毛が短く、熱が皮膚からすぐに逃げてしまううえ、外気温の影響を強く受けます。
チワワ、ミニチュアピンシャー、フレンチブルドッグ、パグ、ボクサー、ドーベルマンなど
シングルコート
保温性の高い下毛がなく、二重構造のダブルコート犬に比べて保温力が低いです。
トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、イタリアングレーハウンド、シーズーなど
超小型犬
体重が非常に軽く、体積に対する体の表面積の割合が大きいため、熱が逃げやすいです。
チワワ、ポメラニアン(特に小柄な個体)など
子犬・高齢犬
体温調節機能や免疫力が未発達、または低下していることが多いです。また高齢犬の場合は運動量が少なく、自力で体温を上げにくいという特徴もあります。
持病がある犬
心臓病や腎臓病、糖尿病などの持病がある犬は、体温の変化が体調に大きく影響します。獣医師と相談し、最適な温度管理を行うことが大切です。
犬の寒さ対策① 室内環境を整える
愛犬の生活の中心である室内環境を整えることが、最も重要な冬の寒さ対策です。次のような工夫をして、愛犬が快適に過ごせるようにしてあげましょう。
1. 快適な室温と湿度を保つ
暖房を使うなどして以下の温度を保てるようにしましょう。ただし犬種や被毛の量、年齢によっても適温は異なるため、愛犬の様子を見ながら調整してください。
- 一般的な目安: 20~22℃
- 寒さに弱い犬種、子犬、老犬:22~25℃
愛犬が寝ている間や飼い主の留守中なども、急激に室温が下がる時間を作らないようにしてください。
また湿度が低下すると、皮膚や鼻、喉が乾燥し、皮膚炎や風邪のリスクが高まります。加湿器を使用するなどして50~60%の湿度に保ちましょう。
2. 暖房器具を安全に活用する
犬は暖かい場所にとどまり続ける習性があるため、暖房器具による低温やけどや熱中症などに注意が必要です。暖房器具を使うこと自体は問題ないですが、以下のような工夫をして安全に活用するようにしましょう。
温風を直接当てない
エアコンやファンヒーターを使用する場合は、温風が犬の寝床や体に直接当たらないように配置してください。熱源に近づきすぎると、熱中症や皮膚の乾燥を引き起こす可能性があります。
低温やけどを予防する
電気カーペットやペットヒーター、湯たんぽを使う場合は、必ず厚手のタオルやカバーで包み、皮膚に直接触れないようにしましょう。このとき、タオルやカバーが濡れたり湿ったりしていないことを確認してください。濡れたタオルやカバーは低温やけどのリスクを高める可能性があります。
また犬が「熱い」と感じたときに自力で離れられるようにしてください。床などで体を冷やせるスペースも確保しておきましょう。
3. 暖かくすごせる寝床を作る
犬が長時間過ごす寝床やお気に入りの場所を、冬仕様にしてあげましょう。以下のような対策がおすすめです。
- 寝床の下に断熱効果の高いマットやすのこなどを敷き、床からの底冷えを遮断する
- フリースやボアなど、保温性が高く、潜り込めるような素材のベッドを用意する
- ベッドに毛布やブランケットを敷く
- 窓際や玄関、廊下などの冷気が強い場所は避け、比較的暖かい場所にベッドを設置する
犬の寒さ対策② 散歩・外出時に防寒する
寒い冬でも、犬にとって散歩は欠かせません。しかし外の冷気や冷たい路面は愛犬の体から熱を奪ってしまうので、寒さ対策をしっかり行いましょう。
1. 散歩の時間帯とルートを見直す
寒い時間帯の散歩はできるだけ避けましょう。一日のうちでも比較的気温が高い10〜15時頃に散歩に行けるとベストです。風の強い場所や長時間日陰になっている冷たいルートを避け、日当たりの良い場所を選んで歩くようにしてください。
特に冷え込む早朝や夜間はできるだけ避けるか、短時間で済ませるようにします。
2. 温度差対策をする
室内と屋外の急な温度差は、犬の自律神経や循環器系などに大きな負担を与えます。暖房の効いた暖かい室内からいきなり極寒の外に出るのではなく、玄関など暖房の効いていない場所で数分立ち止まり、外の寒さに慣らす時間を作りましょう。
3. 防寒着を着せる
愛犬が寒がっているようであれば、防寒着を着せてあげましょう。保温性に優れたフリース、ダウン、裏起毛素材のものがおすすめです。ナイロン素材のウィンドブレーカーも風を通しにくくなります。愛犬の体型にフィットし、動きやすいものを選んであげてください。
4. 足先の冷え対策をする
犬の肉球は冷たさを感じやすく、冷たい路面を歩くことでひび割れたり乾燥したりすることがあります。また地域によっては、雪や融雪剤によるダメージを受けることもあります。
路面が冷たすぎる場合は抱っこして歩く区間を設けるなど、足を長時間冷やさないようにしてあげてください。寒さが厳しい地域の場合は、犬用のブーツや靴の着用を検討するのもいいでしょう。
また散歩の前後や就寝前に肉球専用の保護クリームを塗り、保湿ケアを行ってください。
道路の凍結防止のために融雪剤が撒かれる地域の場合は、散歩後に必ず足をぬるま湯で洗い流し、融雪剤が足に残らないようにしてください。肉球が傷ついたり、舐めると中毒を起こしたりする危険性があります。
犬の寒さ対策③ 留守番中も安全に防寒する
飼い主が不在の間も、愛犬が過ごす室内は暖かく保ってあげましょう。ただ様子を直接確認できないため、安全性の確保が特に重要です。
1. 暖房器具を安全に活用する
留守番中に最も注意すべきは、暖房器具による事故です。「室内環境を整える」の章でご説明したように、暖房器具には直接触れないようにしておくことが鉄則です。エアコンやオイルヒーターなど、接触リスクが低い暖房器具を使うのが安全でしょう。
電気カーペットやペットヒーターを使う場合は必ず低温設定にし、厚手のカバーで包んでください。コードを噛んで感電したり、火災の原因になったりする事故を防ぐため、コードはカバーで覆うか愛犬が届かないように完全に隠してください。
2. 水分補給ができるようにする
暖房で室内が乾燥すると、いつも以上に犬は喉が渇きます。倒れてこぼれるリスクや水が温まりすぎることを考慮し、複数の場所に新鮮な水をたっぷり用意しておくと安心です。
犬の寒さ対策④ 健康管理で体の中から温める
どれだけ外側から温めても、愛犬自身の健康状態が優れていなければ寒さに打ち勝つことはできません。食事や水分補給、運動を通じて、内側から寒さに強い体を作りましょう。
1. 飲水量を確保する
寒い時期は水を飲む量が自然と減ってしまいますが、暖房による乾燥対策や体内の循環のためにも、十分な水分補給が欠かせません。以下のような対策で、冬も飲水量を確保できるようにしましょう。
- 水を人肌程度に温めて与える
- 水飲み場が窓際など冷える場所にある場合は、比較的暖かい場所に移動させる
- ウェットフードを与える
2. 食事量の調整
寒さから体を守るために基礎代謝が上がってエネルギー消費が増える犬もいれば、運動量の減少で逆にエネルギー消費が減り、太りやすくなる犬もいます。愛犬の体重や運動量を観察し、食事量が適切か獣医師に相談しながら調整しましょう。
3. 適度に運動する
寒さで散歩の時間や量が減りがちな冬こそ、体を動かして血行を良くすることが大切です。
屋外での活動が難しいときは、室内遊びを充実させましょう。ボール遊びやロープ遊び、ノーズワークなどを取り入れ、短い時間でも集中して遊ぶ機会を作り、運動量を維持しましょう。
犬の健康に関する不安はオンラインでも相談できます
冬は様々な病気や不調のリスクが高まる季節です。愛犬の様子がいつもと違って心配になることも多いかもしれません。そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からスマホのビデオ通話で獣医師とつながり、オンラインで診察を受けることが可能です。些細なことでもお気軽にご相談ください。