愛犬の皮膚に「シミ」ができたらどうする?良性と悪性の見分け方、原因などまとめ
犬の病気

2025年12月5日

人間と同じく、犬の皮膚にもシミができることがあります。多くは心配のいらないものですが、まれに病気が関係している場合もあるため、気になる変化があれば早めに病院で確認することが大切です。この記事では犬のシミの原因や、良性と悪性の見分け方などをご紹介します。

犬のシミの原因は?

シミとは、メラニン色素が皮膚に沈着してできる、薄茶色や黒っぽい色の斑点のことです。シミの原因は以下の2つに大別されます。

1. メラニン色素が過剰に生成される

通常、メラニン色素は皮膚の新陳代謝によって古い角質とともに剥がれ落ちますが、過剰に生成されると剥がれ落ちきれず、皮膚内に残ってシミとなります。メラニン色素の過剰生成は、下記のような原因で起こります。

● 紫外線

紫外線はメラニン色素を作る細胞を刺激します。そのため長期的に紫外線を浴びると、メラニン色素が過剰に作られてシミができます。

● 炎症

皮膚に炎症が起こると、メラニン色素を生成する細胞が反応してシミができることがあります。炎症の原因には、細菌や真菌、寄生虫の感染、アレルギーによる痒みや掻きこわしなど、さまざまなものがあります。

● ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れがメラニン色素の過剰生成につながることもあります。

犬でホルモンバランスの乱れと関連してよく知られている病気に、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される「クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)」があります。クッシング症候群ではシミ以外にも、脱毛、食欲の増加、多飲多尿などさまざまな症状があらわれます。

2. メラニン色素が排出されにくくなる

皮膚の新陳代謝が遅くなることでメラニン色素の排出が追いつかず、シミができることもあります。皮膚の新陳代謝の遅れは、全身の代謝に関係している甲状腺ホルモンの分泌が低下する甲状腺機能低下症、加齢、栄養不足なといった要因でみられることがあります。

腫瘍がシミのように見えている場合も

腫瘍がシミのように見えていることもあります。良性の場合はメラノサイト―マ、悪性の場合はメラノーマ(悪性黒色腫)と呼ばれ、いずれもメラニン色素を産生する細胞が異常に増えることで引き起こされます。

犬の場合悪性の腫瘍は口の中で発生することが多く、皮膚にできるシミのような腫瘍は良性であることも少なくありません。

シミができやすい犬種や特徴

どんな犬種でもシミができる可能性はありますが、特に下記のような特徴を持つ犬はシミができやすいとされています。

紫外線の影響を受けやすい犬

毛の密度が低いシングルコートの犬種、毛がない犬種、毛色が薄い犬は、皮膚に紫外線が届きやすくシミができやすいといわれています。

● シングルコートの犬種

  • マルチーズ
  • プードル
  • ヨークシャー・テリア 
  • ミニチュア・ピンシャー
  • イタリアン・グレーハウンド など

皮膚トラブルを起こしやすい犬種

体の構造から皮膚が汚れたり蒸れたりしやすい犬種や、遺伝的にアレルギーを発症しやすい犬種は皮膚トラブルを起こしやすく、炎症によるシミができやすいです。

● 皮膚が汚れたり蒸れたりしやすい犬種

  • フレンチ・ブルドッグ
  • パグ
  • シー・ズー
  • トイ・プードル
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー など

● アレルギーを発症する遺伝的素因を持つといわれている犬種

  • フレンチ・ブルドッグ
  • パグ
  • 柴犬
  • ラブラドール・レトリーバー
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ヨークシャー・テリア など

ホルモンの病気を発症しやすい犬種

ホルモンの病気は、他の病気や薬の影響で発症することもありますが、遺伝的な体質が関係して起こる場合もあります。

● クッシング症候群を発症する遺伝的素因を持つといわれている犬種

  • プードル
  • ダックスフント
  • ビーグル
  • ボストン・テリア
  • ボクサー など

● 甲状腺機能低下症を発症する遺伝的素因を持つといわれている犬種

  • グレート・デン
  • ドーベルマン
  • ダックスフント
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ボクサー など

腫瘍を発症しやすい犬種

下記の犬種は遺伝的に悪性・良性どちらの腫瘍も発症しやすい傾向があるといわれています。

  • シュナウザー種
  • ドーベルマン
  • ゴールデン・レトリーバー
  • スコティッシュ・テリア
  • ボストン・テリア など

子犬やシニア犬、持病がある犬

子犬やシニア犬、持病がある犬は、皮膚のバリア機能や免疫力が低下しやすく、皮膚が炎症を起こすリスクが高いです。特にシニア犬は、加齢による皮膚の新陳代謝の遅れからもシミができやすい傾向にあります。

病院に行くべきシミの見分け方

シミにはそのまま様子をみても問題ないものと、病院に行ったほうがいいものがあります。見た目だけで判断するのは難しいですが、一般的には下記のような違いがあります。

様子を見てもいいシミの特徴

紫外線や加齢、炎症などが原因で皮膚表面にメラニン色素が沈着しているだけのシミであれば、そのまま様子をみても問題ない場合がほとんどです。色素沈着のシミには以下のような特徴があります。

  • 色が薄茶~こげ茶で均一
  • 周囲との境界がはっきりしている
  • 平らで盛り上がっていない

このようなシミの場合でも、脱毛やかさぶた、フケなど、シミ以外の症状があるときは、感染症やホルモンの病気、栄養不足などが疑われるため、念のため早めに病院を受診してください。

病院に行くべきシミの特徴

下記のような特徴があるシミは腫瘍の可能性もあるので、すぐに病院を受診する必要があります。

  • 急に大きくなった
  • 色が濃く、まだらになっている
  • 周囲との境界がはっきりしない
  • 表面が盛り上がっている
  • 出血やただれ、かさぶたがある
  • 触ると痛がる
  • しきりに舐める、掻くなど気にしている様子がある

愛犬の皮膚にシミを見つけたらどうする?

愛犬の皮膚にシミを見つけたときは、一度動物病院を受診しておくのが安心です。

犬のシミは紫外線や加齢などによる良性のものが多いですが、先述のとおり病気が関係しているケースもあります。すぐに受診するのが難しい場合は、シミの色、大きさ、形状、触ったときの感触などをこまめに観察し、変化がないか記録しておきましょう。観察したうえで上記の「病院に行くべきシミの特徴」に当てはまる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

犬のシミの相談はオンラインでも

犬のシミは良性のものが多いとはいえ、愛犬のこととなるとどうしても心配になりますよね。「病院に行くほどでなないけれど、専門家に相談したい」と思うこともあるかと思います。

そんなときはペットのオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受けることができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。