猫の耳垢は、健康かどうかを見分けるバロメーターになるため、正常な耳垢の状態を知っておくと愛猫の健康管理に役立ちます。こちらの記事では、猫の正常な耳垢の状態、耳垢でわかる猫の耳のトラブルなどをご紹介します。

猫の正常な耳垢の色・量・形状

一般的に、猫の正常な耳垢の状態は下記の通りです。

色：薄い茶色、薄い黄色
質感：少し粘り気がある
量：少量
におい：無臭

猫の耳垢の正常・異常を見分けるポイントは？

猫の耳垢が正常か異常かを見分けるには、耳垢の色、質感、量、においがポイントです。
愛猫の耳垢が前章でご紹介した状態に当てはまらない場合は、異常をきたしている可能性があります。

また、耳垢の状態が両耳とも同じかどうかを見るのもポイントです。片方の耳だけに異常をきたすこともあり得ます。

耳垢で分かる猫の耳トラブル例

ここからは耳垢の色、量、質感、においでわかる、猫の耳のトラブル例をご紹介します。

マラセチアによる外耳炎

マラセチアという菌によって外耳炎が起こっている場合、茶色い耳垢が出て、発酵臭のようなにおいがします。
マラセチアは健康な猫の皮膚にも存在する菌ですが、免疫力が下がったり、耳の通気性が悪くて湿気が溜まったりすると、異常に増殖して炎症を起こすことがあります。

細菌による外耳炎

細菌に感染して外耳炎が起こると、黄色や緑っぽい色のドロっとした耳垢が出て、膿のようなにおいがします。耳をかゆがる仕草を見せることも多いです。
マラセチアと同様、免疫力が下がったり耳に湿気が溜まったりすると異常に増殖し、炎症を起こします。

耳ダニによる外耳炎

耳ダニというダニが寄生することによって外耳炎が起こると、黒くて乾いた質感の耳垢が出ます。耳垢が大量に増えるのも特徴です。かゆみが非常に強く、頭を振ったり耳を掻こうとしたりします。

親猫から子猫に感染したり、室内飼育でない場合は野良猫から感染したりします。

猫の耳を正常に保つためのケア方法

愛猫の耳を正常に保つためには、日頃から丁寧にケアすることが大切です。異常が出る前から、日常的に下記のようなケアを行いましょう。

こまめに耳をチェックする

愛猫が健康でも、耳の中に異常がないか定期的にチェックしましょう。以上がある場合はできるだけ早く気づいて治療をすることが大切です。
少なくとも週に1回、過去に外耳炎になったことがある場合は週に2〜3回程度耳の中を見て、異常がないか確認しましょう。

汚れを拭き取る

耳の中をチェックした際に汚れがある場合は、洗浄液（イヤークリーナー）を染み込ませたガーゼやコットンで拭き取りましょう。

綿棒を使ったりゴシゴシ擦ったりせず、ガーゼやコットンを押し当てて汚れを浮かし、優しく拭き取るようにしてください。

耳の毛をカットする

耳の毛が長いと耳の中の通気性が悪くなり、耳垢が溜まったり炎症を起こしやすくなったりします。動物病院やトリミングサロンで耳の毛をカットするのも一つの方法です。

特にメインクーン、ペルシャ、ラグドールなどの耳毛の長い種類の猫は、こまめにカットしてあげると良いでしょう。

アレルゲンを避ける

食べ物やダニ、ハウスダストなどのアレルギーが原因で耳に炎症が起こり、耳垢に異常が出る場合もあります。

定期的な耳のケアを続けても耳垢の異常を繰り返す場合や、新しい食べ物を食べたり新しい場所に行ったりした後に異常が見られた場合は、一度アレルギー検査を受けてみるのも良いでしょう。

アレルゲンがわかったら、アレルゲンを含むフードを変更する、空気清浄機を使う、室内をこまめに掃除をするなどしてできるだけアレルゲンを避けるようにすると、耳を正常に保つことに繋がります。

猫の耳に関する相談はオンラインでも

愛猫の耳がいつもと違って気になるとき、動物病院に連れて行って治療をする必要があるのか、ホームケアで様子を見ても良いのか自己判断が難しいこともあるかと思います。そんなときは動物のオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリで獣医師の診察を受け、対処法を教えてもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。