2025年8月15日

猫にイボができるのは珍しいことではありませんが、イボとよく似た別の病気の可能性もあるため注意が必要です。この記事では猫のイボの原因や種類、良性と悪性の見分け方などをご紹介します。
猫のイボとは?どんな状態?
イボは皮膚の表面が小さく盛り上がった状態で、猫にもみられることがあります。
大きさや色、形はさまざまで他の病気と見分けにくいこともあるため、イボができたときは適切に対処することが大切です。
猫にイボができる原因は?
猫にイボができる原因は、主に加齢や遺伝的な要因、免疫力の低下などが関係していると考えられています。イボの種類によって原因は異なり、はっきりわかっていない部分もあります。
猫のイボの代表的な種類
一般的に猫のイボというと、後ほどご説明する「乳頭腫」を指すことが多いですが、見た目がイボに似ている病気は他にもあります。ここでは猫にみられるイボの代表的な種類をご紹介します。
乳頭腫
特に高齢の猫でみられる良性腫瘍のひとつです。一般的には表面がザラザラで、カリフラワーのようにモコモコとした形のイボができます。
パピローマウイルスというウイルスが原因の場合は自然に治ることが多いですが、高齢の猫では免疫力の低下などウイルス以外が原因でできることもあり、その場合は治るまでに時間がかかります。
基底細胞腫
猫に比較的よくみられる良性腫瘍で、境界がはっきりとしたドーム状の黒っぽいイボがあらわれます。イボの表面がえぐれたような状態になることもあります。
できやすいのは頭や首などですが、それ以外の部位にできることもあります。
肥満細胞腫
免疫に関係する肥満細胞ががん化する病気で、白っぽくて扁平なイボがあらわれます。初期は虫刺されのような見た目のため、気づかないことも少なくありません。
進行すると痒みや脱毛などの症状を伴うこともあります。悪性の腫瘍ですが、猫では良性に似た性質を持つことが多いとされています。
扁平上皮がん
皮膚や粘膜の表面にある扁平上皮細胞が増殖する悪性腫瘍です。口の中にできることが多いですが、耳や鼻の先、まぶたなど毛が薄い部分にもできます。
見た目はさまざまで、初期には赤く硬いイボのように見えることがあります。進行するとイボの表面がただれる、かさぶたになるといった症状がみられます。
猫のイボは悪性のこともある?良性との見分け方は?
猫にできるイボの多くは良性ですが、稀に悪性のこともあります。症状のあらわれ方や程度は猫によってさまざまなので見た目だけで判断するのは難しいですが、一般的には下記のような特徴があります。
良性のイボに多い特徴
- 大きくなるスピードがゆっくり、または大きくならない
- 表面がなめらかで柔らかい
- 皮膚の下で動かせる
悪性のイボに多い特徴
- 短期間で急に大きくなる
- 表面がデコボコで硬い
- 痛みや出血、腫れを伴う
- 元気がない、食欲の低下など全身症状がある
- 皮膚とくっついていて動かしにくい
猫のイボは自然に治る?治療は必要?
乳頭腫のように自然に治るイボもありますが、なかには治療しないと治らないイボもあります。
とはいえ自然に治らないからといって、必ずしも治療が必要とは限りません。むしろ良性のイボであれば、そのまま経過観察をするケースがほとんどです。ただし以下のような場合は、良性であっても治療が必要になることがあります。
- 歩行や食事など日常生活に支障をきたしている
- 出血や腫れがある
- 痛がる
- イボが全身に広がっている
また悪性の疑いがある場合は転移などのリスクを考えて、早めに適切な治療を受ける必要があります。猫のイボの治療では症状や原因にあわせて、手術や薬物療法、凍結療法などが行われます。
良性・悪性にかかわらず、サイズが大きいと治療が困難になったり治るまでに時間がかかったりすることがあるので、愛猫のイボに気づいたときは早めに動物病院を受診するのが安心です。
猫にイボができたときに家庭で気をつけたいこと
すぐに治療が必要ない場合でも、イボの悪化を防ぐために家庭での適切なケアが大切です。愛猫にイボができたときは、次のことに気をつけましょう。
イボに変化がないか確認する
良性のイボでも、時間が経つと稀に悪性に変化することがあります。すぐに異変に気づけるようにイボの大きさや形、色などに変化がないかこまめに観察するようにしましょう。またイボを軽く触り、感触や痛がる様子はないかといったことのチェックも大切です。
ただし頻繁に触るとイボを刺激してしまうことがあるので、むやみに触らないようにしてくださいね。
愛猫がイボを触らないように対策する
イボを引っ掻く、擦りつける、舐めるといったしぐさが愛猫にある場合は、エリザベスカラーを着用するなどしてイボが傷つかないように対策しましょう。イボが傷つくと、傷口から雑菌が入って感染症を引き起こしたり、イボが大きくなったりすることもあります。
家庭での対策が難しい場合は、早めに動物病院を受診するようにしてください。
猫のイボの相談はオンラインでも
イボができたときは早めに受診したほうが良いとはいえ、時間がなかったり病院が遠かったりして、なかなか病院に行けないこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受けることができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。