愛猫の耳が赤い!原因や受診の目安、自宅で気をつけることは?
猫の病気

2025年10月11日

愛猫の耳が赤いと、病気なのか、必要なケアはあるのかなど心配になるかもしれませんね。こちらの記事では、猫の耳が赤いときに考えられる原因や受診の目安、自宅でのケアの方法などをご紹介します。

健康的な猫の耳の色とは?

健康的な猫の耳は薄いピンク色であることがほとんどです。
とはいえ猫種や毛色、肌の色素の濃さによっても異なり、色素が濃い子は濃いピンクや茶色がかった色をしていることもあります。愛猫の普段の状態を知っておくことが大切です。

また耳垢は出ていても少量で、においはしません。

猫の耳が赤いのは病気?考えられる主な原因

猫の耳が赤いのは、一時的な場合もありますが、何らかのトラブルが起こっている可能性もあります。考えられる原因としては、下記のようなものがあげられます。

暑さ

夏の高い外気温や冬の暖房などで体温が上がり、耳が赤くなることがあります。

緊張

知らない場所や苦手な場所に行ったとき、犬や他の猫に出会ったときなどに緊張して耳が赤くなることがあります。

興奮

他の猫とケンカをしたときやびっくりしたときに興奮して体温が上がり、耳が赤くなる場合があります。

発熱

風邪などの感染症による発熱が原因で耳が赤くなる場合があります。耳の赤みの他に、元気がない、食欲がないなどの症状も現れます。

外耳炎

細菌や真菌、耳ダニというダニへの感染、異物の混入などによって、外耳炎が起こり耳が赤くなることがあります。
耳の赤み以外に、黒い耳垢、茶色いネバネバの耳垢、黄色っぽいドロっとした耳垢、かゆみ、耳からの悪臭などの症状が現れます。

アレルギー

食べ物や、ハウスダストなどのアレルギーのかゆみで耳を掻いてしまい、耳が赤くなることもあります。
耳が熱をもったり傷ができたりすることもあります。

耳血腫

耳に血が溜まって腫れる「耳血腫」によって耳が赤くなることもあります。
赤み以外に腫れや鈍痛が生じます。

皮膚糸状菌症

皮膚や毛にカビが感染する「皮膚糸状菌症」が原因で、耳が赤くなることもあります。

耳以外の場所にも円形脱毛や発疹などの症状が現れることがあります。

疥癬

ダニが皮膚に寄生して起こる皮膚病の「疥癬」によって、耳が赤くなる場合があります。

掻くことで傷ができたり、小さな赤い斑点のような発疹が現れたりすることもあります。

耳の赤みが出やすい猫種

どの種類の猫でも耳が赤くなる可能性はありますが、折れ耳の猫や反り耳の猫、耳の毛が長い猫は炎症が起こって耳が赤くなりやすいです。それぞれ下記のような種類があげられます。

折れ耳の猫

耳が折れていて通気性が悪く炎症が起こりやすいため、耳に赤みが出やすくなります。

  • スコティッシュフォールド
  • マンチカン

反り耳の猫

耳が後ろに反っていて耳道が狭いので通気性が悪く、炎症が起こって耳が赤くなりやすいです。

  • アメリカン・カール

耳の毛が長い猫

耳の毛が長いと通気性が悪く炎症が起こりやすくなるため、耳に赤みが出やすい傾向にあります。

  • ペルシャ
  • メインクーン
  • ラグドール
  • サイベリアン
  • ソマリ
  • ノルウェージャンフォレストキャット
  • ヒマラヤン など

猫の耳が赤いときの受診目安は?

愛猫の耳が赤くて下記のような場合はトラブルが起こっている可能性があるため、動物病院を受診しましょう。

  • 赤く腫れている
  • 触ろうとすると嫌がる
  • ひどく掻いている
  • 食欲がなく、ぐったりしている
  • 黒い耳垢が大量に出る
  • 黄色や緑っぽいドロっとした耳垢が出る
  • 茶色い粘り気のある耳垢が出る
  • 耳から悪臭がする
  • 毛がたくさん抜ける
  • 赤い斑点がある

食欲があり元気で、耳をかゆがったり触るのを嫌がったりしていない場合は、しばらく様子を見てかまいません。 時間が経って赤みが引き、特に変わった様子がなければ、受診しなくていいでしょう。
なかなか赤みが引かず気になる場合は、一度受診すると安心です。

猫の耳が赤いときにやってはいけないこと

愛猫の耳が赤いときに下記のようなことは避けてください。赤みや他の症状がひどくなってしまう可能性があります。

症状をそのまま放置する

赤みが一時的なものであれば様子を見てもかまいませんが、赤みが数日以上引かない場合は、そのまま放置するのはやめましょう。症状が悪化したり治療の期間が長引いたりする可能性が高まります。
耳が赤く気になる様子がある場合は、できるだけ早めに動物病院で診てもらうのが良いでしょう

耳を強く擦る

猫の耳はデリケートなので、症状を確認したりケアしたりするときにゴシゴシ擦らないようにしましょう。耳が傷ついて症状が悪化するおそれがあります。

綿棒を使って耳掃除をする

炎症が起きて耳が赤くなっているときは耳垢の量が増えることがありますが、綿棒を使って耳掃除をするのはやめましょう。耳垢を逆に奥に押し込んでしまったり、耳が傷がついたりすることがあります。

猫の耳が赤いときに自宅でできるケア方法

愛猫の耳が赤いときには、自宅で下記のようなケアをしましょう。

こまめに耳をチェックする

耳が赤いときには、できるだけ毎日耳の中をチェックするようにしましょう。耳の赤みや耳垢の状態、傷などの症状が悪化していないかを確認し、気になることがあれば早めに動物病院を受診するようにしてください。

汚れを拭き取る

耳をチェックして汚れがある場合は、洗浄液を染み込ませたガーゼやコットンで拭き取ります。このとき耳の奥の方まで拭こうとせず、入り口の目にみえる範囲の汚れだけを優しく拭き取ってください。

薬を投与する

耳の赤みで動物病院を受診すると、抗菌薬や駆虫薬などを処方されることがあります。その場合は獣医師の指示に従い、用法用量を守って投与するようにしてください

エリザベスカラーを着ける

動物病院を受診すると、症状によっては患部を掻いたり触ったりしないようにエリザベスカラーの着用を指示される場合があります。
カラーを着けると、ご飯が食べにくい、家具にぶつかってしまうなど、生活で不便なことが出てくる可能性があります。その場合は食事の容器や水飲み場の下に台を置くなどして少し高さを出したり家具を移動させたりと、サポートしてあげましょう。

耳の毛をカットする

耳の毛が長いと耳の中の通気性が悪くなるので、湿気が溜まって炎症を起こしやすくなります。愛猫の耳の毛が長い場合は、動物病院やトリミングサロンでカットしてもらうのも良いでしょう。

アレルゲンを避ける

特定の食べ物やハウスダスト、花粉、カビなどのアレルギーが原因で炎症が起こり、耳が赤くなる場合があります。
耳を清潔に保てるようケアしていても耳の赤みが続く場合や、新しい食べ物を食べたり新しい場所に行ったりした後に耳が赤くなった場合は、アレルギー検査を受けるのも良いでしょう。

アレルゲンが判明したら、アレルゲンの含まれないフードに変更する、寝具や布類をこまめに洗濯するなどして、できるだけアレルゲンを避けられると良いですね。

外に出さない

屋外に出る猫は、ダニに寄生されたり耳の中に異物が入ったりする可能性が高くなります。室内で生活することで、症状が悪化するのを防げる場合があります。

猫の耳に関する相談はオンラインでも

愛猫の耳の様子がいつもと違うときに、獣医師に早めに診てもらえると安心ですよね。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリで獣医師に症状を診てもらい、必要な対処法を教えてもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。