犬のしこりの原因は?受診の目安や治療方法は?
犬の病気

2025年9月24日

愛犬にしこりを見つけると、悪性なのではないかと不安になる人も多いかと思います。そこでこの記事では、犬のしこりの原因や受診の目安、治療方法をご紹介します。

犬のしこりの原因は?病気なの?

愛犬にしこりがあるからといって必ずしも重い病気とは限りませんが、何かしらの病気が関係している可能性があります。犬のしこりの主な原因は下記のとおりです。

炎症や感染によるしこり

  • 膿瘍(のうよう):細菌感染によって膿がたまったしこり。赤く腫れて熱を持つ。
  • 肉芽腫:ケガやトゲなどの異物が原因で炎症が慢性的になり、しこりが残る。

良性のしこり

  • 脂肪腫(リポーマ):中高齢の犬によくみられる皮下脂肪のかたまり。やわらかくて動かせることが多い。
  • 皮膚嚢胞(表皮嚢胞、毛包嚢胞):毛穴や皮膚の代謝トラブルでできる袋状のしこり。中に角質や皮脂がたまる。
  • 乳頭腫:ウイルス性や加齢によってできる、いわゆるイボ。体の表面に小さな突起状にできることが多い。
  • 組織球腫:若い犬に多い、赤く盛り上がったしこり。数週間で自然に小さくなる場合もある。

悪性腫瘍(ガン)の可能性があるしこり

  • 肥満細胞腫:犬で最も多い皮膚腫瘍のひとつ。見た目はさまざまで、赤み・腫れ・かゆみを伴うこともある。
  • 悪性黒色腫(メラノーマ):黒っぽいしこり。口の中や爪の付け根にもできやすい。
  • 扁平上皮癌、皮膚線維肉腫 など:表面がただれたり、出血したりすることがある。

アレルギーによるしこり

  • 蕁麻疹:食べ物、薬、ワクチン、虫刺されで起こることがある。数分~数時間かけて皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う。しこりというより、地図のような膨らみが全身に出ることもある。
  • 局所的な過敏反応:注射をした部位や虫に刺された部位が、一部だけ赤く腫れてしこりのようになる。数時間〜数日残ることがある。
  • アトピーや食物アレルギーによる二次的な皮膚炎:アレルギーのかゆみで掻いた部位が赤く腫れ、しこりのようになる。

犬のしこりで病院を受診する目安は?

愛犬にしこりがあるときは、気づいたタイミングで一度動物病院を受診しておくのが安心です。しこりの原因を家庭で判断するのは難しく、放置すると症状が悪化するおそれもあります。

特に下記の症状があるときは治療が必要な可能性が高いので、早めに受診しましょう。

  • しこりが大きくなるスピードが早い
  • しこりを触ると痛がる
  • 血や膿が出ている、ただれている
  • 周辺の皮膚に腫れ、赤み、脱毛がある
  • しきりに舐めたり噛んだりしている
  • しこりが大きく、日常生活に支障をきたしている
  • 食欲や元気がない
  • 発熱がある
  • 体重が減っている

犬のしこりの治療方法は?

犬のしこりの治療方法は、原因によって異なります。ここからは犬のしこりの治療方法を原因別にご紹介します。

炎症が原因のしこりの場合

皮膚を小さく切り開いたり針を刺したりして、溜まっている膿を出します。その後患部を洗浄し、抗生剤で治療するのが一般的です。

良性腫瘍が原因のしこりの場合

良性腫瘍の場合、すぐに治療をせずに様子見となる場合が多いです。歩行や排泄など生活に支障をきたす場合や、がん化するリスクがある場合などは、手術で取り除くことがあります。

表皮嚢胞が原因のしこりの場合

しこりが小さければ細い針を刺して内容物を絞り出し、皮膚の中にある袋ごと取り出せることもあります。しこりが大きかったり化膿したりしている場合は、手術が検討されます。

脂肪腫が原因のしこりの場合

ほとんどの場合、治療の必要はありません。しこりが大きくなって犬の動きを妨げたり、見た目が気になったりする場合は、外科手術で切除することもあります。

悪性腫瘍が原因のしこりの場合

しこりの大きさや部位、転移の有無、犬の年齢などにもよりますが、可能であればまずしこりを取り除く手術を行うのが一般的です。手術が難しい、手術をしても再発のリスクがあるといった場合には、抗がん剤や放射線での治療を検討することもあります。

アレルギーが原因のしこりの場合

軽度の場合、アレルギーの原因となっているものを遠ざければ、時間の経過とともに自然と治まることがあります。症状がなかなか治まらない場合や、蕁麻疹以外にも呼吸の乱れや嘔吐下痢などの症状がある場合は、すぐに受診して薬を投与する必要があります。

犬のしこりの相談はオンラインでも

愛犬のしこりに気づいたときは、原因をはっきりさせるためにもまずは動物病院を受診することが大切です。とはいえ忙しくて時間がなかったり、シニア犬で移動が大変だったりして、なかなか動物病院に行けないこともありますよね。
そんなときはオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受けることができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。