2025年9月18日

犬のニキビは比較的よくみられる皮膚トラブルのひとつです。軽症で済む場合がほとんどですが、適切にケアしないと脱毛などの症状を引き起こすこともあるため注意が必要です。この記事では、犬のニキビの症状や治し方、家庭でのケア方法などをご紹介します。
犬にもニキビができるの?できやすい犬種は?
犬にもニキビのようなものができることがあります。
年齢や犬種を問わず発症するリスクがありますが、ボクサー、ブルドック、パグ、ボストンテリアなどの短頭種は特にニキビができやすい傾向にあります。もともと脂性肌であるのに加え、顔にシワが多く、汚れや皮脂、汗などが溜まりやすいためです。特に皮膚のバリア機能が発達途中の若い犬にできやすい傾向があります。
犬のニキビができる場所
犬のニキビは、口の周りから鼻にかけてのマズルや顎によく見られます。顔や首、体にできることもあります。
犬のニキビの原因
犬のニキビは、健康な皮膚にもともと存在しているブドウ球菌などの細菌が過剰に増えることで引き起こされます。皮膚の細菌が増える主な原因は、下記のとおりです。
- 皮脂分泌の増加・傷や摩擦
- プラスチック製の食器(使用するうちに食器の表面に細かい傷がつき、雑菌が繁殖しやすい)
- 不衛生(よだれや汚れが皮膚にたまりやすい)、
- 高温多湿な生活環境
- ストレスによる免疫力の低下
- アレルギー
- 内分泌疾患(ホルモン異常) など
犬のニキビの症状
犬のニキビでは、最初に小さな赤い湿疹や、膿が溜まった水ぶくれのようなもの(膿疱)があらわれます。症状が進むと、水疱が破れて膿が出たり、周囲が赤く腫れたりして炎症が広がります。
重症化するとニキビの周りの毛が抜けて、強い痒みや痛みを伴うこともあります。
犬のニキビと似た病気に注意!
犬のあごや口元に現れる皮膚トラブルは、ニキビだけではありません。以下の病気の可能性もあるため、自己判断せず動物病院で相談するのが安心です。
皮膚糸状菌症(カビ)
真菌が原因で起こる皮膚病です。皮膚の赤みや発疹のほかに、円形の脱毛やフケ、かさぶたなどが見られます。
アレルギー性皮膚炎
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に対して、体の免疫システムが過剰に反応することで起こります。強いかゆみを伴い、脱毛、フケ、色素沈着などが見られます。
ダニなどの感染症
ダニが犬に寄生したり、ダニが病原体を媒介したりすることで、様々な病気を引き起こします。ダニや感染症の種類によって症状はさまざまですが、皮膚の赤みやただれが見られることが多いです。
犬のニキビの治し方は?
愛犬にニキビのようなものが見られたときは、動物病院で相談しましょう。
軽症であれば、薬用シャンプーや抗菌作用のある外用薬で治療するのが一般的です。症状が重い、治療しても改善しないといった場合は、抗菌作用のある内服薬で治療をすることもあります。
痒みが強ければ痒み止めの薬が処方されたり、原因によっては食事療法や行動療法を行ったりすることもあります。
犬にニキビができたときに家庭で気をつけたいこと
愛犬にニキビができたときは、患部を傷つけないようにすることが大切です。ニキビが潰れると、傷口から雑菌が入り、症状の悪化につながるおそれがあります。
特に痒がる様子がある場合は、ニキビを引っ掻いたり擦ったりしないように、エリザベスカラーや洋服を着せるなどの対策をとりましょう。
犬のニキビを予防するには?
ニキビ予防の基本は、皮膚を清潔に保つことです。下記のような方法で対策しましょう。
- 散歩後は手足だけでなく汚れやすい顔周りも拭く
- 濡れたときはドライヤーでしっかり乾かす
- 食事後に顔周りを拭く
- こまめにブラッシングをして不要な毛やフケを取り除く
- 月に1~2回はシャンプーする
- 布団やおもちゃをこまめに洗う
- 口の中の雑菌が皮膚に付かないように歯磨きをする
- 雑菌が付着しにくいステンレスや陶器製の食器を使う
- エアコンや扇風機を使って温度と湿度を調節する
また免疫力が低下しないように栄養バランスの良い食事を摂らせたり、ストレスを溜めないために適度に散歩をさせたりすることも大切です。食物アレルギーが疑われる場合は、フードを見直す必要があります。
犬のニキビの相談はオンラインでも
ニキビのような症状があらわれる犬の病気はいくつかあるため、家庭では見分けるのが難しく、ケア方法に悩むこともあるかもしれません。しかし病院が遠かったり時間外だったりと、受診のハードルが高いこともあると思います。
そんなときはペットのオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受けることができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。