猫の歯周病、放置しないで!受診目安や症状、予防方法など
猫の病気

2026年2月5日

愛猫の歯が変色していたり口臭が気になったりするときは、歯周病の可能性があります。歯周病は、できるだけ早く気づいて適切な治療とケアをすることが大切です。こちらの記事では、歯周病の症状と進行具合、受診の目安、治療の方法などをご紹介します。

猫は歯周病になりやすい?特に注意が必要な猫種とは?

歯周病とは、歯茎や歯を支える骨など、歯の周りの組織に起こる病気の総称です。
歯についた食べかすなどが細菌と混ざってできる歯垢が、数日かけて歯石に変化し、そこに歯周病菌が増殖して起こります。

猫は歯垢から歯石に変わるまでの期間が2〜3日程度と短いため、飼い主が気付かないうちに歯周病になっていることがあります
どの猫も歯周病になる可能性はありますが、特に下記の猫種は歯周病になりやすいとされています。

短頭種

顎が小さい短頭種は歯並びが悪くなって汚れが溜まりやすいため、歯周病になりやすいとされています。

  • ペルシャ
  • チンチラ
  • ブリティッシュショートヘア
  • エキゾチックショートヘア など

遺伝的に歯石がつきやすい猫種

下記の猫種は、遺伝的に歯石が蓄積しやすく、歯周病のリスクが高いとされています。

  • アビシニアン
  • ソマリ
  • メインクーン

猫の歯周病の症状と進行ステップ

猫の歯周病は、進行具合で症状が大きく異なります。それぞれ進行ステップごとにご説明します。

ステップ1:歯肉炎

歯肉炎とは歯周病の初期段階で、歯肉(歯茎)に炎症が起こっている状態です。歯ブラシなどで適切なケアをすることで治る可能性があります。
歯肉炎になると下記のような症状が現れます。

  • 歯肉に軽い赤み、腫れが見られる
  • 少し口が臭う
  • 歯磨きや硬いものを噛んだときに軽い出血がある

ステップ2:軽度の歯周炎

歯肉炎が進行し、歯肉以外の部分にも炎症が広がり始めた状態です。歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が深まり、歯を支える骨が失われ始めます。
軽度の歯周炎になると下記のような症状が現れます。

  • 黄色や茶色の歯石が付き始める
  • 口臭が強くなる
  • 歯肉が赤く腫れる
  • 歯磨きや硬いものを噛んだときに出血がある

ステップ3:中度の歯周炎

歯周炎が進行し、歯を支える骨の25〜50%が失われた状態です。治療のために抜歯が必要になる可能性があります。
中度の歯周炎では下記のような症状が現れます。

  • 生臭いような強い口臭
  • 歯肉が後退して歯の根元が見え始める
  • 歯がわずかにぐらつき始める

ステップ4:重度の歯周炎

歯周炎がさらに進行して、歯を支える骨の50%以上が失われた状態です。歯だけでなく、全身に影響が及びます。
重度の歯周炎になると下記のような症状が見られます。

  • 歯がぐらつく、抜ける
  • 歯肉が大きく腫れる
  • 口臭が非常に強くなる
  • 顔、目の下が腫れる
  • 歯茎や頬の皮膚に穴が開く
  • くしゃみや鼻水が止まらなくなる
  • よだれが増える
  • 元気がない

猫の歯周病が全身に与える悪影響とは?

猫の歯周病は口の中だけの病気ではありません。進行すると全身に下記のような悪影響を及ぼす可能性があります。

日常生活への影響

歯周病が進行すると、歯や歯茎、歯を支える組織などに慢性的な痛みを抱えます。その結果、食欲不振、怒りっぽくなる、毛繕いしなくなるなど、日常生活に影響を与えることがあります。

顔面への影響

歯周病が重度にまで進行すると、目の下や頬の腫れ、口の中と鼻腔がつながって穴が開く「口腔鼻腔ろう」、顔に穴が開き膿が流れ出るなど、顔面に様々な影響が出ることがあります。

内臓への影響

歯周病が重度にまで進行すると、歯周病菌が歯茎のバリアを壊して血管に入りこみ、腎臓、肝臓、心臓に病気を引き起こしたり、既存の病気を悪化させたりすることがあります。

猫の歯周病で受診する目安

ここからは猫の歯周病で受診する目安を緊急度別にご紹介します。

すぐに受診した方が良い場合

下記のような様子が見られる場合は、歯周病が重度にまで進行して顔面や全身に影響が及んでいる可能性があります。当日すぐに動物病院を受診するようにしてください。

  • 大量の出血がある
  • 大量によだれが出ている
  • 鼻水や鼻血が出ている
  • 顔や目の下が腫れている
  • 食欲がない
  • 歯がぐらぐらしている、抜けた
  • 口を触られるのを極度に嫌がる

早めに受診した方が良い場合

下記のような様子が見られるときは、歯肉炎から歯周炎に進行している可能性があり、動物病院での治療が必要です。可能な限り早めに受診するようにしてください。

  • 口臭が強い
  • 歯茎から出血している
  • 歯茎に強い赤みや腫れがある
  • 歯が軽くぐらついている
  • 茶色や黄色の歯石が多く見られる

定期的な検診で相談した方が良い場合

下記のような様子が見られる場合は、歯周病の初期段階のサインです。自宅でのケアを見直すとともに、定期的な検診で獣医師に相談してみると良いでしょう。

  • 以前よりもわずかに口臭が強い
  • 歯茎がわずかに赤い
  • 硬いものを食べたときにわずかに出血がある
  • 歯の一部に歯石が見られる

猫の歯周病の治療方法とかかる費用

猫の歯周病の治療方法とかかる費用は、歯周病の進行度、猫の体重、地域や病院によって異なります。
下記では一般的な目安をご紹介しますが、具体的な治療方法や費用の詳細が知りたい場合は、かかりつけの動物病院に相談してみるのが良いでしょう。

ステップ1、ステップ2:歯肉炎、軽度の歯周炎の場合

歯肉炎は、自宅での歯磨きをしっかり行うことで症状が改善できる場合があります。ケアに適した磨き方が知りたい場合は、獣医師に相談してみましょう。
歯肉炎が進行したり軽度の歯周炎になっていたりする場合は、歯石の除去と研磨、歯周ポケットの洗浄、炎症を抑えるための投薬などを行うことがあります。

費用は15,000〜50,000円程度のことが多いです。

ステップ3:中度の歯周炎の場合

中度歯周炎の場合は、全身麻酔をした上での歯石除去、歯周ポケットの洗浄、一部の歯の抜歯、炎症を抑えるための投薬を行うことがあります。

費用は70,000〜100,000円程度のことが多いです。

ステップ4:重度の歯周炎の場合

歯周炎が重度にまで進行している場合、治療は複数本の抜歯が中心になるを行うことが多いです。症状によっては口の中と鼻腔がつながった穴をふさいだり、歯茎の一部を切り取ったりする手術が行われることもあります。

100,000〜200,000円程度のことが多いです。

愛猫の歯周病を予防しよう!自宅でできるケア方法

愛猫の歯周病を予防するには、日々のケアで口腔内を清潔に保つことが何より大切です。
歯周病になると自宅でのケアでは治らず、治療にも労力がかかるため、下記のようなケアで日ごろから予防に取り組みましょう。

歯磨きをする

歯周病の予防に最も効果的なのは、日頃の歯磨きで歯垢を溜めないようにすることです。
猫の歯垢は2〜3日で歯石に変わるため、できれば毎日歯磨きをするのが理想です。難しい場合も少なくとも2〜3日に1回はできると良いでしょう。
人間用の歯ブラシと似た形のものや指サック型の歯ブラシ、フレーバー付きの歯磨き粉など、歯磨きグッズには様々な種類があるので、愛猫に合うものを探してみてください。

デンタルケアグッズを活用する

歯磨きをするのが難しい場合や歯磨きの効果を高めたいときには、デンタルケアグッズを活用するのも良いでしょう。
液体歯磨きやデンタルケア用のおやつ、サプリメントなど、愛猫がストレスなく使えるものがないか探してみましょう。

食生活を見直す

ウェットフードや手作り食は柔らかくて歯に残りやすい一方、ドライフードは噛むときの摩擦で歯垢が削られやすいため、愛猫が嫌がらなければドライフードを与えると歯周病予防に繋がります
また糖質は歯周病菌を増殖させる原因となるため、糖質の多いフードや甘いおやつなどはできるだけ控えられると良いでしょう。

こまめな水分補給を意識する

口の中が乾燥すると細菌が増殖しやすいため、こまめに水分補給を行い、できるだけ常に口の中を潤しておくようにしましょう。
なかなか水を飲みたがらない場合は、猫用のチキンスープやカツオの茹で汁を少量混ぜる、猫が関心を持ちやすい自動給水器を使う、水を飲む場所を複数用意するなどを試してみてください。

愛猫の健康に関する相談はオンラインでも

愛猫の健康状態で気になることがある場合、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。
とはいえ忙しかったり愛猫が外出を嫌がったりと、すぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」を使うのも一つの手です。スマホのビデオ通話で獣医師に愛猫を診てもらい、症状やケアの方法について相談することができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。