抱っこ中に犬を落とした!すぐに確認すべき症状と応急処置、受診目安を解説

犬の病気

2026年9月17日

抱っこ中の犬の転落は、どんなに注意していても起こり得る事故です。とはいえ実際に愛犬を落としてしまったときは、驚きや焦りからどう対処していいのか戸惑うこともあるかと思います。この記事では、愛犬を抱っこ中に落としてしまったときに確認すべきことや、受診の目安などをご紹介します。

【重要】犬が落ちたときにすぐに確認すべきこと

犬が抱っこから落ちたときは、全身の状態やケガの程度を把握するため、すぐに下記のポイントを確認しましょう。

意識の状態

意識の状態を確認するには、名前を呼んだときの反応を見ます。目を開ける、耳や顔を動かす、声がするほうを見るといった反応があれば、意識はある程度保たれていると考えられます。

一方、下記に当てはまる場合は、意識がはっきりしていないなど脳へのダメージが生じている可能性があります。

  • 呼びかけても反応しない、反応が鈍い
  • ぼーっとしている
  • 目の焦点が合わない、眼球が小刻みに揺れている
  • 嘔吐している
  • けいれんがある

呼吸の状態

胸やお腹の動き、口元を見て、呼吸の状態を確認します
口を開けて呼吸している、肩で息をしている、呼吸が浅い・速い、咳き込む場合は緊急性が高いと考えられます。歯茎や舌が紫色っぽい場合も、呼吸状態が悪化しているサインです。

歩き方や姿勢

自力で歩ける場合は、歩き方や姿勢を確認しましょう
下記の項目に当てはまる場合は、骨や関節、神経がダメージを受けている可能性があります。

  • 足を引きずる
  • 片足を浮かせる
  • ふらついている
  • 立ち上がれない
  • 同じ姿勢のまま動かない
  • 同じ場所をぐるぐる回る
  • 首を傾けている

出血やケガの程度

愛犬が嫌がらない範囲で被毛をかきわけ、腫れや傷、皮膚の変色がないかを確認します
抱き上げると鳴く、特定の部位に触れると嫌がる、震えるといった反応は強い痛みのサインです。

抱っこから落ちた直後の愛犬への接し方

愛犬が抱っこから落ちた直後は、飼い主も動揺してしまうかと思います。しかし急に大きな声を出すと、犬が驚いて立ち上がろうとしたり逃げたりするおそれがあります。また慌てて抱き上げると、ケガをしている部分に負担がかかり症状の悪化につながることもあります。

そのためまずは飼い主自身が落ち着き、愛犬を驚かせたり、むやみに触れたりしないことが大切です。急に抱き上げるとケガが悪化したり愛犬が暴れて再度落ちたりする可能性もあるので、できるだけ動かさないようにしてください

受診のためなどに移動させるときも、頭や体を動かさないようにバスタオルなどで優しく包み、小型犬はキャリーケースなど安定感のある箱に入れて、なるべく揺らさないようにしましょう。
中型犬や大型犬は、毛布や板などに寝かせてからそっと持ち上げ、愛犬が楽な姿勢を保ちながら移動させる方法が推奨されています。

犬の転落で考えられるケガやリスク

犬が転落すると、落ちた高さや着地した場所、体勢によってさまざまなケガが起こることがあります。代表的なものは下記のとおりです。

打撲

打撲は、筋肉や皮膚の下の組織がダメージを受けた状態です。体を強くぶつけたときに起こることがあります。

捻挫(ねんざ)

捻挫は、関節に無理な力がかかり、関節を支えている靭帯や腱などが傷ついた状態です。着地時に足をひねると起こりやすくなります。

骨折、脱臼

骨折は骨が折れたりヒビが入ったりしている状態、脱臼は関節が本来の位置からずれている状態です。いずれも高所からの転落や不自然な体勢での着地などで、足や背中などに強い衝撃が加わったときに起こります。

擦り傷、切り傷

擦り傷は皮膚の表面が擦れてできた傷、切り傷は皮膚が鋭利なもので切れてできた傷です。砂利やコンクリートのほか、石やガラス片など鋭利なものの上に転落したときにできることがあります。

脳震盪(のうしんとう)

頭に強い衝撃が加わることで、一時的に脳の機能に異常が起こった状態です。ふらつきや嘔吐、けいれんといった症状があらわれることがあります。

内臓損傷

肝臓や脾臓、腎臓などの内臓がダメージを受けている状態です。高所から落ちたときや硬い場所へ転落したときに起こることがあります。

神経損傷

首や背中、腰などに強い衝撃が加わり、神経の働きに異常が出る状態です。背骨まわりを強く打ちつけたときに起こることがあります。

愛犬が抱っこから落ちたときに動物病院を受診する目安

抱っこから落ちた後も目立った症状がなく、愛犬の様子が普段と同じであれば、しばらく自宅で様子をみてもいいでしょう。

ただし直後は元気そうに見えても、しばらく経ってから症状が現れることがあります。受診しない場合でも、少なくとも落としてから24〜48時間は目を離さず観察が必要です。変化に気づいたときは、すぐに受診しましょう。

下記に当てはまる場合は緊急性が高いと考えられるため、至急動物病院を受診してください。夜間でも可能であれば救急病院を受診するのが望ましいでしょう。

意識の異常がある

  • 呼びかけへの反応がない、鈍い
  • ぼーっとしている
  • 元気がなく、ぐったりしている

呼吸の異常がある

  • 呼吸が速い、荒い
  • 肩で息をしている
  • 口を開けて苦しそうに呼吸をしている
  • 咳き込んでいる
  • 歯茎が紫色っぽい

骨折が疑われる

  • 関節が不自然な方向に曲がっている
  • 足を引きずる、浮かせている
  • 立ち上がれない、同じ姿勢のまま動かない
  • 関節や手足が腫れている
  • 触ると鳴く、嫌がる

神経症状がある

  • けいれんしている
  • 体が硬直している
  • 目の焦点が合わない
  • 瞳孔の大きさが左右で違う
  • 眼球が小刻みに揺れている
  • ふらつきがある
  • 同じ方向にぐるぐる回っている
  • 鼻や耳から血または透明な液体が出ている
  • 首を傾けている

全身状態の異常がある

  • 震えている
  • 嘔吐している
  • よだれが多い
  • 食欲や元気がない
  • 歯茎や舌が白っぽい
  • 尿や便に血が混じっている

その他

  • 硬い地面に転落した
  • 小型犬、シニア犬、子犬である

犬の転落で受診したときの検査や治療方法

動物病院では、ケガの種類や症状の程度に合わせて、一般的に下記のような検査や治療を行います。

検査

  • 身体検査:意識、呼吸、体温、歩き方、痛みの有無などを確認
  • 神経学的検査:意識レベル、瞳孔サイズ、反射や反応などを確認
  • レントゲン検査:骨や関節、胸、お腹の異常を確認
  • 超音波検査:内臓の状態を確認
  • 血液検査:貧血や炎症など全身状態を確認
  • CT・MRI検査:頭部や脊髄などの詳しい状態を確認

治療

  • 打撲:鎮痛薬、抗炎症薬、安静管理
  • 骨折、脱臼:包帯やギプスでの固定、鎮痛薬、手術
  • 擦り傷、切り傷:傷口の洗浄、消毒、縫合
  • 頭のケガ:鎮痛薬、抗炎症薬、点滴などでの全身管理
  • 内臓損傷:手術、点滴などでの全身管理

ケガの程度や全身状態などによっては、上記以外の検査や治療が検討されることもあります。症状が重い場合は、入院して治療を行うこともあります。

愛犬が抱っこから転落した後の自宅での過ごし方

受診目安の章でもご説明した通り、抱っこから落ちた後は、元気そうに見える場合でも実は体にダメージを受けている可能性があります。しばらくの間は自宅で安静に過ごし、食欲、元気、歩き方、呼吸、嘔吐の有無、排泄の様子をこまめに観察しましょう
走ったりジャンプしたりしないよう、ケージやサークルなど愛犬が落ち着ける場所で休ませるのがおすすめです。
3日ほど経っても愛犬の様子に変わりがなければ、短時間の散歩から少しずつ再開するとよいでしょう。

犬のケガの相談はオンラインでも

どんなに気をつけていても、予想外の行動で愛犬がケガをしてしまうこともあるかと思います。
「このまま自宅で様子を見ても大丈夫かな」「今すぐ受診したほうが良いのかな」と迷ったときはペットのオンライン診療サービス「ペットドクター」が便利です。自宅からオンラインで獣医師の診察を受け、対面病院の受診の目安などについて相談することができますよ。全国どこからでも利用できるので、困ったときは検討してみてください。