2026年4月21日
お散歩時や家の中で遊んでいるときなどに、愛犬が予期せぬケガをしてしまうことはよくあります。愛犬がケガをした際は、飼い主ができるだけ早く気づいて適切な対処をすることが大切です。こちらの記事では、犬によく起こるケガの症状や応急処置方法、ケガの予防のためにできることなどをご紹介します。
犬に多いケガ①:骨折
原因
下記のような場面での落下や転倒によって、骨折することがあります。
- ソファやベッドなど高さのある場所から飛び降りた
- 階段や窓などから落下した
- 抱っこしていたところから暴れて落下した
- 走っていて床で滑って転んだ
症状
- 足を引きずっている
- 足が腫れている
- 足が不自然な方向に曲がっている
- 患部を触ると声をあげたり嫌がったりする
応急処置方法
安静にする
できるだけ歩かせず、ケージやクレートの中、クッションの上など愛犬が落ち着ける場所で静かに休ませます。
固定する
割り箸や段ボールなどを患部に沿わせて、包帯や布で軽く巻いて患部を固定します。ただし強く巻き過ぎたり嫌がるところを無理に固定したりしないようにしてください。
受診の目安
骨折の受診の目安を緊急度別にご紹介します。
夜間や休日でも急いで受診する場合
- 足が不自然な方向に曲がっている
- 足を全く地面につけない
- 骨が皮膚を突き破って外に見えている
- 事故や高いところからの落下の直後
- 呼吸が荒い、フラフラする
診療時間内に受診する場合
- 足を引きずっている
- 激しく痛がる、鳴く、触ろうとすると怒る
- 足が腫れている、熱を持っている
上記の症状がなくても、落下や転倒をして骨折が疑われる場合は一度動物病院を受診しておくと安心です。
犬に多いケガ②:脱臼、捻挫
原因
犬は落下や転倒をすることによって、脱臼や捻挫することがあります。
例えば下記のような状況で起こります。
- フローリングで走って滑った
- 高さがあるところから飛び降りて着地に失敗した
- 交通事故に遭った
- 急に回る、急にストップするなどの激しい遊びをした
症状
捻挫
- 足を引きずっている
- 足が腫れている
- 患部を触ると声をあげたり嫌がったりする
脱臼
- 足がピンと後ろに伸びている
- ケンケンをして歩いている
応急処置方法
安静にする
できるだけ体を動かさず、ケージやクレートの中、クッションの上など愛犬が落ち着ける場所で静かに休ませます。
冷やす
腫れや赤みがある場合は、タオルやガーゼで包んだ保冷剤やビニール袋に入れた氷をタオルやガーゼで包み、患部に5〜10分当てて冷やします。
保冷剤を直接または長時間当て続けると凍傷になる恐れもあるので、冷やしすぎないように注意してください。
固定する
割り箸や段ボールなどを患部に沿わせて、包帯やガーゼで軽く巻いて患部を固定します。固定するのが難しいときは無理に固定せず、安静にすることを優先してください。
患部を高く上げる(捻挫の場合)
可能であれば抱っこして患部を心臓より高い位置に上げると、血流量が減って痛みや腫れが抑えやすくなります。
受診の目安
受診の目安を緊急度別にご紹介します。
夜間や休日でも急いで受診する場合
- 足を地面につけず、ケンケンで歩いている
- 足が明らかに不自然な方向を向いている
- 触ると激しく鳴く、怒る
- 患部が熱を持って腫れている
- 事故や高いところからの落下の直後
- ぐったりしている、食欲がない
診療時間内に受診する場合
- スキップのような歩き方をするときがある
- 立ち上がるのに時間がかかる、痛そうに見える
- 散歩の途中で座り込む
犬に多いケガ③:靭帯損傷・断裂
原因
靭帯損傷には、2種類の原因があります。
慢性断裂
年齢を重ねることで徐々に靭帯が弱くなっているところに、床で滑った、ジャンプや飛び降りで着地に失敗したなどの衝撃が加わって靭帯が損傷することがあります。
犬の靭帯損傷・断裂はこの慢性断裂の場合が多いです。
急性断裂
走っているときに急に向きを変えるなどの急に足を捻る動きや、交通事故のような強い衝撃によって、靭帯が損傷することがあります。
症状
- 後ろ足を地面につけず、浮かせて歩く
- 足を引きずって歩く
- スキップのような歩き方をする
- 関節が腫れる、熱を持つ
- 後ろ足を横に投げ出して座る
- 立つことや階段の上り降りを嫌がる
応急処置方法
安静にする
歩いたり走ったりしないよう、ケージやクレートなど落ち着ける場所に愛犬を入れてあげて、安静にさせましょう。
冷やす
愛犬が嫌がらなければ、ガーゼやタオルで保冷剤を巻いて患部を10分ほど冷やします。
このとき長時間冷やしすぎて低温やけどをしないよう気をつけてください。
受診の目安
受診の目安を緊急度別にご紹介します。
早急に受診する場合
- 交通事故にあった、高いところから転落した
- 触ろうとすると激しく嫌がる、怒る
- 足を上げて地面につけることができない、3本足で歩く
診療時間内に受診する場合
- 足を引きずって歩く
- スキップのような歩き方をする
- 後ろ足を横に投げ出して座る
- 関節が腫れている、熱を持っている
- 立つことや階段の上り降りを嫌がる
犬に多いケガ④:切り傷・すり傷
原因
下記のような行動や状況が原因で、切り傷・すり傷ができることがあります。
- 物にぶつかる
- 走っていて転ぶ
- ガラスや金属など鋭利なものが刺さる
- シャンプーや殺虫剤などの化学物質が目や皮膚に触れる
- 鼻先を壁や床に擦り付ける
症状
- 鮮血がポタポタ垂れるような出血(切り傷)
- じわじわと血や滲出液が滲み出る出血(すり傷)
- 傷の周囲が赤く腫れる、熱をもつ
- 肉球の皮がめくれる
- 触られるのを嫌がる、怒る
- いつもよりも食欲や元気がなくなる
重症化すると下記のような症状が現れることがあります。
- 傷口から黄色や緑色の膿が出る
- 傷口から悪臭がする
- ぐったりする
応急処置方法
傷口を洗い流す
感染予防のために傷口についた汚れを流水で洗い流します。石鹸を使ったり擦ったりするのはやめましょう。
止血する
出血がある場合は、清潔なガーゼや布を患部に当て、指で優しく圧迫して止血します。5分ほど圧迫して、出血が止まるか確認してください。
受診の目安
切り傷、すり傷の受診の目安を緊急度別にご紹介します。
夜間や休日でも急いで受診する場合
- 5分以上圧迫しても出血が止まらない、大量に出血している
- 傷が深い、大きく開いている、骨が見える
- 元気がない、ぐったりしている
- 異物が深く刺さっている
診療時間内に受診する場合
- 傷口から膿が出ている、悪臭がする
- 傷の周りが赤く腫れている、熱を持っている
- 元気がなく、熱っぽい
- 触られるのを極端に嫌がる、怒る
様子を見ても良い場合
- 出血がすぐに止まった
- 異物が傷の中に残っていない
- 傷が浅く、皮膚の表面を擦った程度
- 元気そうにしている
犬に多いケガ⑤:噛み傷
原因
他の犬や動物から噛まれて起こるケガです。
散歩中やドッグランで他の犬と接触した、犬の多頭飼いをしている、犬と他の動物を一緒に飼っている場合などに起こります。
症状
噛まれた直後には下記のような症状が現れます。
- 出血
- 赤み、腫れ
- 患部が熱を持つ
数時間〜数日経って下記のような症状が現れることがあります。
- 膿が出る
- 発熱
- 食欲不振、元気がない
応急処置方法
傷口を洗う
まずは流水で傷口を洗い流します。傷口に汚れや噛んだ動物の唾液がついていると、細菌が入って膿む可能性があるため、できるだけ綺麗にしましょう。
このとき、無理に擦ったり傷口を広げたりしないようにしてください。
止血と傷口の保護をする
出血がある場合は、傷口を清潔なガーゼや布で軽く圧迫して止血します。その後、清潔なガーゼや布などで患部を抑えて保護してください。
受診の目安
他の犬や動物に噛まれてケガをした場合は、傷が浅く見えても細菌感染などのリスクがあるため、必ず動物病院を受診してください。
特に下記のような場合は、急いで受診してください。
- 出血が止まらない
- 傷口が深い
- ぐったりしている
- 呼吸が荒い、苦しそう
- 噛んだ犬が狂犬病ワクチン未接種、または接種しているかわからない
犬に多いケガ⑥:やけど
原因
下記のようなものに接触してやけどをすることがあります。
- ストーブやヒーター
- 電気ポットなど高温になる家電
- 高温になったアスファルトや金属
- 調理中にはねた油
- 漂白剤や洗剤などの化学薬品
上記以外にこたつ、湯たんぽ、ホットカーペットなどに長時間同じ姿勢で触れていて低温やけどをすることや、電気のコードを噛んで接続部から感電してやけどをすることがあります。
症状
やけどは進行度合いによって症状が異なります。
軽度の場合
- 皮膚に赤みや腫れがある
- 皮膚に熱がある
- 毛が薄くなる
中度の場合
- 水ぶくれができる
- 皮膚が剥がれる
- 皮膚がジュクジュクする
重度の場合
- 皮膚が黒くなったり白っぽくなったりする
応急処置方法
冷やす
まずはすぐに流水で10〜15分ほど冷やしましょう。その後、保冷剤や氷がある場合はタオルやガーゼで包んで患部を冷やすと良いでしょう。このとき、体の冷えすぎや低温やけどを防ぐために、氷や保冷剤は当て続けずに10分ほどで一度外して、皮膚の様子を見ながら冷やすようにしてください。
患部に触れない
患部には触らないようにしましょう。皮膚がめくれていても、無理に剥かないでください。愛犬が自分で舐めないように、エリザベスカラーを着用するのも良いでしょう。
受診の目安
やけどは時間が経ってから症状が悪化することもあるため、できるだけ早めに受診するようにしましょう。
特に下記のような場合は、急いで受診してください。
- 犬の手のひら1枚分以上の広範囲にわたってやけどをしている
- 皮膚の色が白または黒っぽく変わっている
- 皮膚に水ぶくれができている
- 元気がない、ぐったりしている
- 呼吸が荒い
- 薬品や感電が原因でやけどをした
愛犬が元気そうにしていても、時間が経ってから症状が出てくることがあります。やけど後2~3日間は注意深く観察するようにしてください。
犬のケガを予防するために飼い主ができることとは?
ここからは、愛犬のケガを予防するために飼い主ができることをご紹介します。室内環境や散歩中の行動を意識してケガが起こらないようにしましょう。
室内の滑り止め対策をする
自宅の床がフローリングで滑りやすいと、転倒してケガをするリスクが高まります。犬が過ごす部屋には滑りにくいマットやカーペットを敷きましょう。
高いところにスロープや階段を設置する
ソファやベッドなどの高い場所を上り降りするときは、スロープや階段を使うと捻挫や骨折の可能性が低くなります。
スロープや階段を設置したら、おやつなどのご褒美を使ってそこを通る練習をさせると良いでしょう。高い場所から飛び降りず、安全に移動する習慣が身につきます。
危険なものに届かないようにする
足を引っかけそうな電気のコード、ぶつかって割れそうな鉢植えや花瓶、鋭利な刃物などの危険なものは、愛犬が届かない場所に置くか、引き出しの中などにしまうようにしましょう。
また犬用のおもちゃを定期的にチェックして、古くなってヒビが入ったプラスチックのおもちゃなど、口の中を傷つける可能性があるものは処分するようにしてください。
ゲートを設置する
キッチンや階段など愛犬が入ってケガをする危険性がある場所には、犬用ゲートを設置して立ち入らせないようにしておくと安心です。
散歩やドッグランで目を離さない
散歩中は必ず首輪とリードを着け、愛犬から目を離さないようにしましょう。他の犬との距離が近づきすぎたり車と接触したりしないように気をつけてください。
ドッグランのようなリードを離して遊ぶ場所でも、愛犬の側から離れず目を離さないように注意してください。
夏場の散歩に注意する
夏場はアスファルトが高温になります。地面を触って温度を確かめ、熱いと感じたら歩かせないようにしましょう。日陰や芝生など比較的温度の低い場所を歩かせる、早朝や夕方など地面の温度が下がる時間帯に外に出るなど工夫するようにしてください。
愛犬が嫌がらなければ犬用の靴を履かせて外に出るのも一つの方法です。
暖房器具の使い方に注意する
犬は、こたつ、ホットカーペットなどの暖房器具が原因で低温やけどをすることが多いです。冬場は暖房器具の使い方に注意してください。
湯たんぽにはタオルを巻く、ストーブやファンヒーターの周りに柵をつけるなどして、愛犬が直接触れないようにしましょう。
ホットカーペットやこたつは、温度設定を弱や中にして熱くなりすぎないようにしてください。
就寝時や留守番中など飼い主が見られないときは、長時間連続で暖房器具を使わないようにしましょう。電源を切るか、タイマー機能などを利用してください。
興奮させすぎない
犬は遊びや運動に熱中すると、興奮して高いところから落下したり周囲のものにぶつかったりすることがあります。
愛犬が「興奮してきたな」と感じたら、まずは飼い主が静かにして「おすわり」や「ふせ」など動きを止めるコマンドを出しましょう。
コマンドを覚えさせておく
前述のコマンド「おすわり」や「ふせ」の他に「おいで」や「まて」などのコマンドを覚えさせておきましょう。危険なものに遭遇したときに、指示を出して近づかないようにすることができます。
犬のケガの相談はオンラインでも
愛犬がケガをすると、自宅で対処できるものなのか、病院に連れて行った方が良いのか悩むこともあるかと思います。
そんなときはまずはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」を使うのが便利です。家にいながらスマホのアプリでペットの様子を獣医師に診てもらい、必要な対応を教えてもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。