2025年10月8日

秋になると愛犬が体を痒がることがあるかもしれません。実は秋は、犬のアレルギーが悪化しやすい季節です。そこでこの記事では、犬の秋のアレルギーの主な原因や自宅でできる対策、動物病院に行く目安などを解説します。
なぜ秋に犬のアレルギーが悪化することがあるの?
犬の秋のアレルギーには、いくつかの原因があります。
秋の花粉
花粉と聞くと春に飛散するスギやヒノキをイメージする方が多いかもしれませんが、秋もブタクサやヨモギ、カナムグラといった草の花粉が飛散し、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
これらの植物は住宅地やオフィス街にも生えている身近な植物なので、散歩のときに犬の体に付着しやすいという特徴があります。
室内アレルゲン
秋は気候的な条件から、以下のような室内アレルゲンが増加しやすいタイミングです。
・ダニの死骸やフン
一般的にダニは夏に繁殖し、気温や湿度が下がる秋に死滅します。そのため秋はダニの死骸やフンが増えるタイミングで、これが犬のアレルギーの原因になることがあります。
・カビ
カビは、気温が20〜30℃、湿度が70%以上の環境で繁殖します。夏に溜まった湿気と秋の気温がカビにとって最適な環境を作り出すため、秋になると目に見えない場所でカビが繁殖し、アレルギーの原因となることがあります。
寒暖差による皮膚のバリア機能低下
季節の変わり目の急激な寒暖差は、犬の自律神経に負担をかけ、皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。皮膚のバリア機能が弱まると、外部からのアレルゲンが侵入しやすくなり、アレルギー症状が悪化することがあります。
犬の秋のアレルギーはいつからいつまで?
犬の秋のアレルギーは、主に8〜11月頃に症状が出やすくなります。
一般的にブタクサやヨモギといった花粉の飛散量がピークを迎えるのは9月頃なので、花粉によってアレルギー症状が出る場合はこの時期が特に注意が必要です。気温が下がり始める10月以降は、室内でのダニやカビの繁殖が増えてきます。
秋にアレルギーが起こりやすい犬種
アレルギーは犬の遺伝的な体質が大きく関係しているため、特定の犬種でアレルギーを発症しやすい傾向があります。以下の犬種は特に注意が必要です。
- フレンチブルドッグ
- 柴犬
- ゴールデンレトリーバー 、 ラブラドールレトリーバー
- シーズー
- ミニチュアシュナウザー など
犬のアレルギーで見られる症状
犬のアレルギー症状は、以下のような形で現れることが多いです。
体を執拗に舐める・噛む
執拗に舐めたり噛んだりしているときは、体を痒がっているサインです。特にアレルゲンが付着しやすい足先や脇、内股などを過剰に舐めたり噛んだりすることがあります。
耳を掻く・頭を振る
耳が痒くなると、頻繁に掻いたり、頭を振ったりすることがあります。掻き過ぎると耳が赤くなり、熱を持つようになることもあります。
皮膚の赤み・ブツブツ
皮膚が炎症を起こして部分的に赤く腫れることがあります。炎症がひどくなると、小さなブツブツやかさぶたのようなものが現れることもあります。
フケの増加
アレルギーで皮膚のバリア機能が低下すると皮膚の水分が蒸発しやすくなり、乾燥しやすくなります。乾燥がひどくなると、大量にフケが出ることがあります。
毛の変色やただれ
痒くて舐めすぎてしまうと、唾液の影響で毛が茶色く変色したり、皮膚がただれたりすることがあります。
秋のアレルギー症状を和らげるために家庭でできる対処法
アレルギー症状を完全に治すことは難しいですが、適切なケアをすれば症状を和らげたり悪化を防いだりすることは可能です。秋に愛犬にアレルギー症状が見られる場合は、家庭で以下のような対策を行えるといいでしょう。
1. アレルゲンを除去する
アレルギー症状を緩和させる何よりの方法は、アレルギーに触れないことです。以下のような方法で、愛犬からアレルギーを除去してあげましょう。
・散歩の場所やタイミングを変える
愛犬が花粉に触れる機会を減らすために、秋は花粉が多い日や草むらでの散歩を避けられると安心です。
花粉の飛散状況は気象情報のwebサイトなどから確認できます。また一般的に、花粉の飛散量は1日の中でも「午前中~お昼過ぎ」と「夕方」にピークを迎えるため、できるだけ早朝や夜間に散歩に出られるといいかもしれません。お散歩コースは、草が少ない場所を選びましょう。
・散歩後にしっかり拭き取る
散歩から帰ったら、体や足に付着した花粉を濡らしたタオルやウェットシートなどで丁寧に拭き取りましょう。毛が密集している部分や指の間は特に念入りに拭いてください。玄関先で軽くブラッシングするのもいいでしょう。
・室内の掃き掃除と拭き掃除をしっかり行う
こまめに掃除機をかけ、ダニの死骸を始めとするハウスダストを除去しましょう。
ハウスダストはホコリとして空気中に舞い上がるため、ウェットシートや濡らした雑巾などでの拭き掃除も取り入れられるとより安心です。床だけでなく家具なども拭くといいでしょう。
・換気と除湿をする
カビやダニの繁殖を防ぐために、晴れた日や過ごしやすい気温の日は窓を開けて換気を行いましょう。空気の流れができるとハウスダストが溜まりにくくなりますし、換気は除湿にもつながります。
雨の日が続いたり室内の湿度が60%を超えたりしている場合は、除湿機やエアコンの除湿機能も活用して湿度を下げてください。
2. スキンケアをする
アレルギーによる痒みや皮膚炎を和らげるには、家庭でのスキンケアが重要です。
・低刺激性のシャンプーを選ぶ
アレルギーがある犬の皮膚は非常にデリケートです。洗浄力が強すぎるシャンプーを使うと皮膚に必要な油分まで洗い流してしまい、トラブルが悪化する可能性があります。アレルギー肌用の低刺激性シャンプーや、セラミドなどの保湿成分が配合された製品を選びましょう。
・保湿を徹底する
シャンプー後は、皮膚が乾燥しないようにすぐ保湿ケアを行いましょう。保湿は外部からの刺激に強い肌を作るために不可欠です。犬用の保湿スプレーやローションを皮膚に直接つけて、マッサージするように馴染ませてあげてください。
3. 掻き壊しや舐めすぎを物理的に防止する
掻き壊したり舐めすぎたりすると、炎症がひどくなったり、感染を起こしてさらなる皮膚トラブルの原因となったりすることがあります。物理的に触ったり舐めたりできないようにするのも、症状を悪化させないための一つの方法です。
・エリザベスカラーを使う
体を執拗に掻いたり舐めたりしている場合は、エリザベスカラーを装着して掻き壊しを防ぐのもいいでしょう。愛犬のストレスにならない範囲で使用できるといいですね。
・靴下や服を着用させる
エリザベスカラーを嫌がる場合は、足先に靴下を履かせたり、痒い部分が覆える服を着させたりして、患部を保護することも有効です。ただし通気性の悪い服はかえって皮膚炎を悪化させる可能性があるので、綿素材など通気性の良いものを選ぶようにしましょう。
こんなときは要注意!動物病院を受診する目安
アレルギーは薬の服用で症状が緩和されることがあります。愛犬がしきりに痒がっている場合やつらそうな場合は、一度動物病院を受診するといいですよ。特に以下の症状が見られる場合は早めに受診すると安心です。
- 症状が全身に広がっている
- 症状が日に日に悪化している
- 痒みで夜も眠れない
- 常に舐めたり掻いたりし続けている
また以下のような症状が見られる場合は、アレルギーではなく他の病気が隠れている可能性があります。早めに動物病院を受診してください。
- 皮膚がただれて出血している、膿が出ている
- 食欲がない、元気がないなど全身症状がある
- 呼吸が苦しそう、顔が腫れている
犬のアレルギーの相談はオンラインでも
愛犬にアレルギーの症状が見られたら、早く治してあげたいとは思うものの、病院を受診するハードルが高く感じることもあるかもしれません。
そんなときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。自宅からビデオ通話で獣医師の診察を受け、獣医師が必要と判断した場合は薬も処方してもらえます。病院につれていくことなく専門家に相談できるので、困ったときは利用を検討してみてくださいね。