2026年4月30日
丸いフォルムや折れ耳が可愛らしいスコティッシュフォールド。人懐っこい性格で飼いやすい猫種ですが、体質的な特徴から、他の猫種と比べて注意したい病気があります。
こちらの記事ではスコティッシュフォールドがなりやすい病気の症状や受診目安、予防方法などをご紹介します。
スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールドには、下記のような特徴があります。
折れ耳
スコティッシュフォールドは、約3割が「折れ耳」というふたが閉じたような耳の形をしています。
折れ耳はスコティッシュフォールドならではのチャームポイントですが、実は「骨軟骨異形成症」という関節に関連する遺伝性疾患によるものです。そのため全ての折れ耳のスコティッシュフォールドに、骨軟骨異形成症の発症リスクがあります。
また耳のふたが閉じたような形になっているため、耳の通気性が悪く耳のトラブルが起こりやすいとされています。
おとなしい性格
スコティッシュフォールドはおとなしい性格をしており、活発に動き回るよりは静かにのんびりしている方が好きな傾向にあります。
そのため運動不足になりやすく、肥満になりがちな猫種です。太ると関節や内臓に負担がかかってトラブルの元となるため注意が必要です。
甘えん坊で寂しがり
スコティッシュフォールドは人懐っこくて甘えん坊ですが、寂しがり屋の一面も持ち合わせています。
そのため長いお留守番の後などはストレスが溜まりやすいです。
上記でご紹介した特徴を踏まえて、次の章からスコティッシュフォールドがなりやすい病気をご紹介します。
スコティッシュフォールドがなりやすい病気①骨軟骨異形成症
骨軟骨異形成症は、遺伝的な要因によって軟骨や骨に異常が生じ、痛みや変形、関節の違和感を引き起こす病気です。
猫の中でも特にスコティッシュフォールドに多く、特徴でもある「折れ耳」はこの病気によって作られています。
つまり折れ耳のスコティッシュフォールドは生まれたときから骨軟骨異形成症を持っており、痛みや関節の違和感がみられる子もいます。
原因
遺伝が原因で起こります。
親猫が折れ耳の場合は、骨軟骨異形成症に関連する変化を持つ子猫が生まれる可能性が高いとされています。特に親猫が両方折れ耳の場合は、子猫の軟骨や骨の異常が強く現れる傾向にあります。
症状
下記のような症状が見られることがあります。
- 後ろ足のかかとや手首がコブ状に硬くなる
- 尻尾が太く短く変形する
- 関節がスムーズに動かせなくなる
- 関節を曲げるときに痛みを感じる
関節が上手く動かせない違和感や痛みを感じているときには、下記のような行動が見られることがあります。
- 足を引きずったり歩くのを嫌がったりする
- お尻を地面につけて後ろ足を前に投げ出して座る(スコ座り)
- 高いところに上らない、ジャンプしない
- 走らない
- 爪切りを嫌がる
- 触ろうとすると極端に嫌がる
- 痛みで激しく鳴く
受診の目安
骨軟骨異形成症が疑われる上記のような症状・行動が見られた場合には、動物病院を受診しましょう。
特に下記のような様子が見られる場合は、痛みが強くなっている可能性が高いです。早めに受診すると良いでしょう。
- 後ろ足のかかとや手首が極端に硬くなる
- 突然歩けなくなった、足を地面につけない
- 激しく鳴く
- 触ろうとすると怒る、極端に嫌がる
生まれつき折れ耳の場合は、予防接種や定期健診などで受診するタイミングで、子猫のうちから獣医師に相談しておくといいでしょう。
予防方法
骨軟骨異形成症は遺伝性の病気のため、予防方法はありません。
日ごろから愛猫の様子や行動を観察して、違和感を覚えたらできるだけ早く動物病院で診てもらうことが、症状を抑えることに繋がります。
またフローリングにマットを敷く、段差が高いところにスロープや階段を設置するなど、関節に負担をかけないような環境作りをしましょう。
太り過ぎると関節に負担がかかるため、こまめに体重を測って体型管理をするのも大切です。
前述の通り、折れ耳のスコティッシュフォールドは生まれながらに骨軟骨異形成症を発症しています。飼い始める早い段階で住環境を整えて、できるだけ関節に負担がかからないようにしましょう。
治療方法
骨軟骨異形成症の治療は、痛みの緩和などの対症療法を行うことがほとんどです。
動物病院を受診すると、痛みや炎症を抑える薬が処方されます。関節保護や抗炎症のためのサプリメントが出されることもあります。
症状や受診する病院によっては、放射線治療や手術が行われることもあります。
スコティッシュフォールドがなりやすい病気②肥大型心筋症
肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が異常に厚くなり、心臓のポンプ機能や血流に異常が起こって体に上手く血液が送れなくなる病気です。
軽度のうちは無症状ですが、重症化すると命に関わることもある危険な病気です。
原因
肥大型心筋症の原因には遺伝が関わっていると考えられており、スコティッシュフォールドは遺伝的に肥大型心筋症になりやすい猫種です。
甲状腺機能亢進症や高血圧など、他の病気に関連して起こることもあります。
症状
肥大型心筋症になってもは初期症状はほぼ見られません。進行すると下記のような様子が見られることがあります。
- 呼吸が速い
- 口を開けて呼吸をする、呼吸が苦しそう
- 食欲が落ちる
- 体重が減っている
- 元気がない
- じっとしている時間が増える
- 後ろ足が急に動かなくなる
- 激しい痛みで鳴き叫ぶ
受診の目安
先にご紹介した肥大型心筋症が疑われるような症状がある場合は、動物病院を受診しましょう。特に下記のような症状が見られる場合は、緊急性が高いため早急に受診してください。
- 呼吸が速い
- 口を開けて呼吸をする、呼吸が苦しそう
- 後ろ足が急に動かなくなる
- 激しい痛みで鳴き叫ぶ
予防方法
肥大型心筋症は遺伝性の病気のため、予防をするのは難しいとされています。
そのため発症する前に病気を発見することが大切で、1年に1〜2回は健康診断で心臓のエコー検査を受けることが推奨されています。
治療方法
薬を使って症状の進行スピードを遅くする治療を行うことがほとんどです。症状によって血管拡張薬、心拍を整える薬、利尿剤、抗血栓薬などが使われます。
スコティッシュフォールドがなりやすい病気③外耳炎
外耳炎は耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に何らかの原因で炎症が起こる病気です。
原因
外耳炎になる原因には下記のようなものがあります。
- 細菌・真菌への感染
- 耳ダニの寄生
- アレルギー
特にスコティッシュフォールドに多いのは、細菌・真菌への感染による外耳炎です。
折れ耳で耳が閉じたような形をしている子が多いため、耳の中の通気性が悪くなり、細菌や真菌が増殖して炎症を起こしやすくなります。
症状
外耳炎になると下記のような症状や行動が現れます。
- 耳や耳周りを頻繁に掻く
- 痒みで耳を壁や床に擦りつけようとする
- 痒みや違和感で頭を頻繁に振る
- 耳垢の量が増える
- 耳垢の色が黄色、黄緑色、黒色になる
- 耳の中に赤みがある
- 耳から悪臭がする
- 耳周りの毛が薄くなる
症状が進行して中耳炎や内耳炎になると下記のような症状が現れることがあります。
- 痛みで耳を触られるのを激しく嫌がる
- 耳道が腫れて狭くなる
- 耳だれが出る
- まっすぐ歩けない
- 顔が左右どちらかに傾く
- 同じところをぐるぐる回る
- 眼球が小刻みに揺れる
受診の目安
外耳炎は自然に改善しないことが多いため、症状がある場合は動物病院を受診することが推奨されています。先にご紹介した外耳炎が疑われる症状がある場合は、診療時間内で動物病院を受診しましょう。
また下記のような症状が見られる場合は、外耳炎が進行している可能性が高いため、特に早急に受診するようにしてください。
- 耳だれが出る
- まっすぐ歩けない
- 顔が左右どちらかに傾く
- 同じところをぐるぐる回る
- 眼球が小刻みに揺れる
予防方法
週に1、2回を目安に耳の中をチェックしましょう。折れ耳の場合は、嫌がらなければ耳の折れている部分もめくって、耳の中を見るようにしてください。
チェックした際に汚れがある場合は、洗浄液で湿らせたコットンやガーゼで目に見える範囲の汚れだけを優しく拭き取ってください。
治療方法
動物病院を受診すると、耳の掃除・洗浄と薬での治療が行われることがほとんどです。
外耳炎の原因や状態によって、抗菌薬、駆虫薬、痒み止め、抗炎症薬などが処方されます。
症状が進行している場合には、手術を行うこともあります。
スコティッシュフォールドがなりやすい病気④多発性嚢胞腎
腎臓にたくさんの嚢胞(液体をためた袋)が作られて腎臓が大きくなり、腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。
症状が進行すると、元気がなくなったり食欲が低下したりすることがあります。
原因
多発性嚢胞腎は遺伝が原因で発症します。
親猫が多発性嚢胞腎を発症している場合、子猫が発症する確率は50%とされています。
症状
初期は無症状ですが、病気が進行して嚢胞が増え始めると下記のような症状が現れます。
- 水をたくさん飲む
- 尿の量が増える
- 毛のツヤが悪くなる
- お腹が張る
- 食欲にムラが出る
- 体重が減ってくる
症状がさらに進行して腎機能が低下すると下記のような症状が現れます。
- 食欲がなくなる
- 嘔吐する
- よだれが出る
- 動きたがらない、元気がない
- 口の中の乾燥や粘つき、眼球がくぼむ(脱水症状)
- 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
- けいれんや意識障害が起こる
受診の目安
先にご紹介した多発性嚢胞腎が疑われる症状がある場合は、すでに病気が進行している可能性があるため、動物病院を受診しましょう。
特に下記のような症状は、重症化して腎機能が低下している可能性があるため早急に受診してください。
- 食欲がなくなる
- 嘔吐する
- よだれが出る
- 動きたがらない、元気がない
- 口の中の乾燥や粘つき、眼球がくぼむ(脱水症状)
- 目や口の粘膜が白っぽくなる(貧血)
- けいれんや意識障害が起こる
予防方法
多発性嚢胞腎は遺伝性の病気のため、確実な予防方法はありません。
早期発見して早めの治療を開始することが大切なので、半年〜1年に1回ほどは腎機能の検査を受けるのがおすすめです。
また腎臓への負担を軽くするために、自宅では十分に水分を摂取できる環境を整えましょう。
家の中にいくつか水飲み場を作っておく、ささみの茹で汁を薄めた味つきの水を用意する、ウェットフードを食べさせるなどすると良いでしょう。
治療方法
現時点では多発性嚢胞腎を根本的に治すための治療方法はありません。
症状の進行を遅らせたり緩和させたりするために、療法食に変える、点滴で尿量を増やして老廃物を排出させる、症状に応じた薬を服用するなどの治療が行われます。
状況によっては嚢胞内にある液体を注射で吸引する治療が行われることもあります。
スコティッシュフォールドが元気に過ごすために家庭でできる病気予防
ここからはスコティッシュフォールドが健康に過ごすために、家庭でできることをご紹介します。
定期健診を受ける
目立ったトラブルがない場合でも、1年に1回は動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。7〜8歳ごろのシニア期に入ったら、半年に1回の頻度で受けると安心です。
病気が早い段階で発見できる他、長く元気で過ごすためのアドバイスをもらうこともできます。
適度な運動をさせる
スコティッシュフォールドはおとなしい性格のため、運動不足になりやすいです。1日5分でも良いので、猫じゃらしやボールなどのおもちゃを使って遊んであげると良いでしょう。
キャットタワーや家具の配置を工夫して、自然と飛び移る運動ができるようにするのもおすすめです。
食事の管理をする
スコティッシュフォールドは太りやすいので、食事の管理が大切です。フードは適切な量を、1日数回に分けて与えるようにしましょう。
適切な量は月齢や体重によって異なり、フードのパッケージに記載されています。
獣医師に相談しながら、愛猫の体質や健康の課題に対して適切なサプリメントを取り入れるのも良いでしょう。
ストレス発散をさせる
スコティッシュフォールドはストレスに敏感な一面もあるため、意識的にストレスを発散させましょう。
長時間の留守番の後には飼い主とスキンシップをとる時間を作る、ボールやおもちゃを使って運動をさせる、ブラッシングやマッサージをするなどで、ストレスを発散させることができます。
また甘えん坊な反面、ひとりで静かに過ごすのを好むともいわれています。
ストレスを感じたときや静かに過ごしたいときに隠れられる場所や寝床を用意してあげると良いでしょう。
スコティッシュフォールドの健康や病気の相談はオンラインでも
愛猫の健康状態で気になることがあるとき、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえすぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあるかと思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリで愛猫の様子を獣医師に診てもらい、症状や必要なケアなどについて相談することができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。