2026年4月15日
愛犬が口の周りをしきりに掻いていたり壁や床に擦り付けたりしていると、心配ですよね。柴犬は特に皮膚がデリケートで、アレルギーや皮膚疾患になりやすいため、必要な治療や自宅でできるケアが気になる方も多いかと思います。こちらの記事では、柴犬が口周りを痒がる理由や受診の目安、自宅でのケア方法などをご紹介します。
柴犬が口の周りを痒がるのはなぜ?
柴犬が口の周りを痒がる場合、アレルギーや細菌感染、ストレスなど様々な原因が考えられます。特に柴犬は下記のような理由から、口の周りが痒くなりやすい犬種といえます。
アレルギー体質になりやすい傾向がある
柴犬は、遺伝的にアレルギー体質になりやすい犬種です。親犬がアレルギー体質の場合は、子犬もアレルギー体質になる傾向があるとされています。
アレルギー症状のひとつとして口の周りが痒くなりやすいです。
皮膚のバリア機能が弱い
皮膚のバリア機能は、アレルゲン、細菌、紫外線などの外部からの刺激から体を守り、体内の水分が蒸発するのを防いで保湿をする役割を担っています。
柴犬はバリア機能の必須成分である「セラミド」が生まれつき少なく、バリア機能が弱い傾向にあります。そのため皮膚が刺激に弱く、口の周りが痒くなりやすいです。
ダブルコートという毛の構造をしている
犬は毛の種類が2種類あり、「シングルコート」の犬と「ダブルコート」の犬がいます。柴犬は「ダブルコート」の犬です。ダブルコートの犬は、日光など外部の刺激から皮膚を守る外側の硬い毛(トップコート)と、防寒の役割がある内側の柔らかく密集した毛(アンダーコート)の、2種類の毛を持っています。
ダブルコートは毛の密度が高いため皮膚の通気性が悪く、湿気がこもりやすくなります。湿気がこもると細菌やカビが繁殖しやすくなり、炎症が起こって口の周りが痒くなることがあります。
次の章で、具体的な原因について詳しくご紹介します。
柴犬が口の周りを痒がるときに考えられる原因
柴犬が口の周りを痒がるときに考えられる原因には、下記のようなものがあります。
食物アレルギー
特定の食べ物を口にすると、体が過敏に反応して顔や耳に痒みが生じて口周りを痒がることがあります。赤みや脱毛、湿疹、下痢、嘔吐が起こることもあります。
アレルギー反応を起こす食物は、牛肉や鶏肉、羊肉、豚肉、乳製品、小麦、とうもろこし、大豆、卵など様々です。
環境アレルギー(アトピー)
ハウスダスト、花粉、カビなどが原因で顔周り、耳などが痒くなり、口周りを掻こうとすることがあります。目の周りや足先を痒がることもあります。
接触性皮膚炎
食器の素材(プラスチックや金属)、植物、特定の洗剤などに皮膚が触れて炎症を起こし口周りが痒くなることがあります。
口唇炎(細菌感染)
唇に傷ができた際に、傷口からブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が入り込んで炎症を起こし、口周りに赤みや痒みが出ることがあります。
マラセチア皮膚炎
高温多湿な環境や皮脂の過剰分泌によって、健康なときも皮膚にいるマラセチア(カビの一種)が増殖し、赤みや痒み、皮膚のベタつき、独特なにおいなどを引き起こします。強い痒みが特徴で、口周りを掻いたり、床や壁に口を擦り付けたりしようとします。
寄生虫
ダニやノミなどの寄生虫が異常に増殖し、強い痒みを引き起こすことがあります。痒み以外にも脱毛や発疹、フケが見られることがあります。
急性湿疹(ホットスポット)
高温多湿な環境下で皮膚が蒸れたときに皮膚上の細菌が増殖し、痒みを引き起こします。他にも皮膚のただれ、赤み、脱毛、かさぶたなども見られることがあります。
換毛期
毛の構造がダブルコートの柴犬は、春と秋には毛が生え変わる「換毛期」という期間があります。
この時期は皮膚がデリケートになりやすく、皮膚トラブルが起こりがちです。皮膚トラブルによって痒みが起こり、口周りを搔くことがあります。
ストレス
ストレスや不快感を感じると、その感覚を紛らわせようとして口周りを搔くことがあります。
こんなサインは要注意!受診の目安は?
愛犬に下記のような様子が見られたら、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
- 1日に何度も、または長時間口の周りを掻いている
- 口の周りに赤みがある
- 口の周りに発疹がある
- 口の周りの毛が薄くなっている、毛が抜けている
- 掻きすぎて血や膿が出ている
- 口周りがただれている
- 口周りの皮膚が黒ずんでいる
- 乾燥してフケが出ている
- 発酵したような独特の臭いがする
- 口周りを触ろうとすると激しく嫌がる
- 食欲不振、元気がない
上記のような様子が見られなくても、愛犬が口周りを痒がっていて心配なことがある場合は、一度動物病院を受診しておくと安心です。
柴犬が口の周りを痒がるときに自宅でできるケア方法
ここからは、愛犬が口の周りを痒がるときに自宅でできるケア方法をご紹介します。
食後や散歩後に口周りを拭く
フードのかけらやよだれ、散歩中についた草の種などが口周りに付着したまま放置していると、細菌が繁殖して症状が悪化することがあります。
食後や散歩の後は、ペット用のウェットシートで愛犬の口周りを優しく拭いてあげましょう。
こまめにシャンプーをする
低刺激の薬用シャンプーなどで週に1回を目安に口周りを洗って清潔にしておくことで、痒みが改善される場合があります。皮膚の状態によってシャンプーの適切な頻度が異なるため、獣医師に相談しながら行うと良いでしょう。
シャンプーの後はタオルやドライヤーを使ってしっかりと乾燥させ、保湿剤で保湿するようにしましょう。
保湿を徹底する
皮膚が乾燥していると、バリア機能が低下して症状が悪化しやすくなります。犬用の保湿クリーム、ローション、軟膏などを使ってしっかりと保湿しましょう。
特にシャンプーの後は乾燥しやすいため、乾かした後にたっぷりと保湿剤を塗るようにしてください。
食後や散歩後に口周りの拭き取りをした後も、保湿までセットで行えると良いでしょう。
こまめにブラッシングをする
柴犬はダブルコートで毛の密度が高いため、皮膚に湿気がこもりがちです。湿気がこもると皮膚が蒸れてトラブルが悪化しやすくなります。
そのためこまめなブラッシングでいらない毛を取り除き、通気性を良くすることが大切です。
換毛期はできるだけ毎日、それ以外の時期も週に1〜2回はブラッシングしてあげると良いでしょう。
こまめに洗濯をする
花粉やノミ、ダニはアトピーによる痒みを引き起こす原因となります。
寝具や愛犬用の服、カーペットなど愛犬が触れるものはこまめに洗濯して、身の周りのアレルゲンをできるだけ取り除くようにしましょう。
食事を見直す
特定の食べ物を食べて口の周りを痒がる場合は、食物アレルギーの可能性があります。この場合は動物病院でアレルギー検査を受けるのも一つの方法です。
アレルギー反応が出る食材がわかったら、獣医師に相談しながらフードやおやつの見直しを行いましょう。
ストレスを発散させる
ストレスが溜まると痒い部分を掻いてしまい、症状が悪化するおそれがあります。
長めの散歩に行く、外でボール遊びをする、飼い主とのスキンシップの時間を増やすなどしてストレスを発散させてあげるようにしましょう。
エリザベスカラーを着用する
痒みがある部分を掻くと、症状が悪化するおそれがあります。愛犬がどうしても掻いてしまうときは、エリザベスカラーを着用させて患部に触れられないようにするのも一つの方法です。
エリザベスカラーを着用すると、視界が狭くなりいつものように行動できないことがあるため、水や食事の器を台の上に置いて愛犬が届きやすいようにする、ぶつかりそうな家具は移動させるなどして、生活をサポートしてあげてくださいね。
柴犬の痒みの相談はオンラインでも
愛犬の皮膚にトラブルが起こっている際に「病院に行くほどではないかもしれないけれど、少し相談したい」「病院に行けるのが少し先になりそう」ということもあるかと思います。
そんなときは、ペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛犬の様子を獣医師に診てもらい、そのときの状態が急を要するものか、自宅でできるケアはあるのかなどのアドバイスをもらうことができます。獣医師が必要と判断した場合は、お薬の処方も可能です。困ったときは利用を検討してみてくださいね。