マンチカンがかかりやすい病気5選|予防方法や受診目安も解説

猫の病気

2026年7月2日

足が短く愛らしいフォルムのマンチカンですが、その独特な体型ゆえに注意しておきたい健康上のリスクがあります。愛猫の健康を守るために、マンチカンの体質や、かかりやすい病気を知っておくと安心です。
こちらの記事では、マンチカンがかかりやすい病気の症状や予防方法、病院の受診目安などをご紹介します。

マンチカンの特徴

マンチカンには次のような体質や性格の特徴があります。

短い足

マンチカンは短い足が特徴的です。その特徴から、高い場所に登ったり段差を上がったりするのが苦手です。
また足が短いことで関節や背骨に負担がかかりやすく、病気につながることもあります。

食欲旺盛

マンチカンは食欲旺盛な子も多く、運動量とのバランスによっては体重が増えやすくなることがあります。
太り過ぎると足腰への負担が大きくなるため、フードの量や運動習慣に注意して体重を管理することが大切です。

人懐こく好奇心旺盛

マンチカンは猫の中でも人懐こくて好奇心旺盛な性格とされています。
活発に走り回るほか、おもちゃを使った遊びも大好きなので、ボールや猫じゃらしを使って運動をさせるのがおすすめです。

マンチカンがなりやすい病気①椎間板ヘルニア

どんな病気?

背骨と背骨の間にあり、クッションのような役割を担っている「椎間板」が、骨の間から飛び出して神経を圧迫してしまう病気です。
猫の椎間板ヘルニアは犬ほど頻繁に見られる病気ではありませんが、発症すると痛みや神経症状につながることがあります。

原因は?

椎間板ヘルニアは、下記のような要因で椎間板に負担がかかることで起こります。

  • 交通事故や高い場所からの落下などによる衝撃
  • 急な方向転換や高い場所からの飛び降りなど、足腰に強い衝撃が加わる動き
  • 太り過ぎ
  • 滑りやすい床での生活の蓄積

年齢を重ねると椎間板が弱くなって飛び出しやすくなるため、シニア猫は発症リスクが高まる可能性があります。

症状は?

初期段階では下記のような症状やサインが見られることがあります。

痛み

  • 背中を触ると嫌がる
  • 抱っこを嫌がる
  • 段差の昇り降りを避ける
  • 歩きたがらない
  • ジャンプするのをためらう
  • 急に鳴く

歩行や座り方の異常

  • 足を引きずる
  • 後ろ足がふらつく
  • 腰を落として歩く
  • 足を前に投げ出して座る
  • 後ろ足を横に崩して座る

意欲の変化

  • 横になっている時間が増える
  • 食欲が落ちる

また症状が進行すると、下記のような様子が見られることがあります。

  • 自分で歩けない、立ち上がれない
  • 排泄ができない

受診の目安は?

椎間板ヘルニアは発症すると自然に回復することはなく、放置していると症状が進行してしまいます。
早めの対処が大切なので、椎間板ヘルニアが疑われるような症状が見られたら、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう

特に自分で歩けない、排泄ができないなどの症状が見られる場合は、重症化している可能性があるため早急に受診してください。

予防方法は?

椎間板ヘルニアを予防するには、日ごろの生活で下記のようなことを意識して足腰に負担をかけないようにすることが大切です。

  • おやつやフードのあげすぎは避けて太りすぎないようにする
  • 適度に運動させて筋力をつける
  • ソファやベッドなどから飛び降りないようにスロープを設置する
  • 滑らないように床にマットやラグを敷く

治療方法は?

症状が軽度の場合は、薬を投与して一定期間安静にすると症状が改善することがあります。
症状が進行している場合は、手術での治療が行われることがあります。

マンチカンがなりやすい病気②骨軟骨異形成症

どんな病気?

軟骨や骨に痛みや変形を引き起こす病気です。遺伝的な要素が関係するため、飼い主の育て方が原因で発症する病気ではありません。
発症すると強い関節痛や歩行困難を引き起こし、多くの場合生涯にわたって病気と付き合っていく必要があります。

原因は?

遺伝が原因で発症します。
マンチカンの中でも足の短いタイプの子は、この病気を発症しやすいとされています。

症状は?

下記のような症状が見られることがあります。

  • 後ろ足のかかとや手首がコブ状に硬くなる
  • 尻尾が太く短く変形する
  • 関節がスムーズに動かせなくなる
  • 関節を曲げるときに痛みを感じる

関節が上手く動かせない違和感や痛みを感じているときには、下記のような行動が見られることがあります。

  • 足を引きずったり歩くのを嫌がったりする
  • 高いところに上ることやジャンプするのをためらう
  • 爪切りを嫌がる
  • 触ろうとすると極端に嫌がる
  • 激しく鳴く

受診の目安は?

骨軟骨異形成症が疑われる症状や行動が見られたら、動物病院を受診しましょう
特に下記のような様子が見られる場合は、痛みが強くなっている可能性が高いです。早めに受診するようにしてください。

  • 後ろ足のかかとや手首が極端に硬くなる
  • 突然歩けなくなった、足を地面につけない
  • 激しく鳴く
  • 触ろうとすると怒る、極端に嫌がる

予防方法は?

骨軟骨異形成症は遺伝性の病気のため根本的な予防方法はありません。
いつ発症するかわからないので、日頃から関節に負担がかからないようケアしておくのがいいでしょう。発症後の進行を遅らせることに繋がります。

具体的には日ごろから下記のようなことを意識してあげると良いですよ。

  • 床で滑らないようマットやラグを敷く
  • ベッドやソファなど高さのある場所にスロープを設置する
  • 段差の低いキャットタワーを選ぶ
  • 太りすぎないよう食事やおやつは適正量与える
  • 太りすぎないよう適度な運動を取り入れる

また日頃から愛猫の様子をよく観察し、違和感を覚えたらできるだけ早く動物病院で診てもらうことが大切です。

治療方法は?

痛みや炎症を抑える薬で症状を緩和する、対症療法を行うことがほとんどです。
関節保護や抗炎症のためのサプリメントが出されることもあります。
症状によっては、放射線治療や手術が行われることもあります。

マンチカンがなりやすい病気③毛球症

どんな病気?

毛繕いをしたときに飲み込んだ自身の毛が胃腸に残ってしまい、様々な症状を引き起こす病気です。
マンチカンの中でも特に長い毛を持つ子に起こりやすいとされています。

原因は?

毛球症の原因は、自身の毛を大量に飲み込むことです。
ブラッシングが不足していたりストレスが溜まっていたりすると、毛繕いの頻度が高くなって飲み込む毛の量が増えるため、毛球症のリスクも高まります。

症状は?

毛球症の主な症状は下記の通りです。

  • 毛玉や液体を頻繁に吐く
  • 食欲が低下する
  • 便秘になる
  • 下痢になる
  • 元気がない
  • 腹部が膨らむ、硬くなる
  • 腹痛でお腹を触ると嫌がる

受診の目安は?

先にご紹介した毛球症が疑われる症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診すると良いでしょう。毛球症の治療は早期に始めるほど負担が軽くなります。

下記のような場合は緊急性が高いため、早急に動物病院を受診してください。

  • 頻繁に吐くが毛が出ない
  • 食欲がない、水を飲まない
  • ぐったりしている
  • 便秘が続いている
  • 腹痛でお腹を触ると嫌がる

予防方法は?

毛球症を予防するためには、こまめなブラッシングで抜け毛を取り除くことが大切です。
短時間で良いので、できる限り毎日ブラッシングできると良いでしょう。
毛玉ケア用のフードやサプリメントを取り入れるのもおすすめです。

またストレスが溜まると毛繕いの頻度が高くなり、毛球症が起こりやすくなります。
人懐こくて好奇心旺盛なマンチカンは、飼い主と一緒に過ごす時間を増やしたり、ボールや猫じゃらしなどのおもちゃで一緒に遊んであげたりすることがストレス解消に繋がります。

治療方法は?

症状が軽い場合は、便と一緒に毛を排出させる薬が処方されたり、経過観察されることが多いです。他にも排便をサポートするために専用のフードやサプリメントを勧められることがあります。

薬の投与で症状が改善しない場合は、手術で毛のかたまりを取り出すことがあります。

マンチカンがなりやすい病気④肥大型心筋症

どんな病気?

心臓の筋肉が異常に厚くなり、心臓のポンプ機能や血流に異常が起こって体に上手く血液が送れなくなる病気です。
軽度のうちは無症状ですが、重症化すると命に関わることもあります。

原因は?

発症するかは遺伝的な要因が強く関わっています。
マンチカンはこの肥大型心筋症を発症しやすい遺伝子を持つ子が多いとされています。

高血圧や甲状腺機能亢進症などの病気が原因で起こる場合もあります。

症状は?

肥大型心筋症は初期症状はほぼ見られません。
進行すると下記のような様子が見られることがあります。

  • 呼吸が速い
  • 口を開けて呼吸をする、呼吸が苦しそう
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減っている
  • 元気がない
  • じっとしている時間が増える
  • 後ろ足が急に動かなくなる
  • 痛みで鳴く

受診の目安は?

肥大型心筋症が疑われる症状がある場合は、動物病院を受診しましょう
特に下記のような症状が見られる場合は、緊急性が高いため早急に受診してください。

  • 呼吸が速い
  • 口を開けて呼吸をする、呼吸が苦しそう
  • 後ろ足が急に動かなくなる
  • 痛みで激しく鳴く

予防方法は?

肥大型心筋症は遺伝的な要因で発症する病気のため、予防するのは難しいとされています。そのため発症する前に病気を発見することが大切です。

肥大型心筋症は見た目は健康そうでも進行していることがあります。「元気だから大丈夫」とは限らないため、1年に1〜2回は健康診断で心臓のエコー検査を受けるのが良いでしょう。

治療方法は?

薬で症状の進行スピードを遅くする治療を行うことがほとんどです。
症状によって血管拡張薬、心拍を整える薬、利尿剤、抗血栓薬などが使われます。

マンチカンがなりやすい病気⑤下部尿路疾患(膀胱炎・尿結石)

どんな病気?

下部尿路疾患とは、膀胱から尿道までの尿の通り道に炎症や結石が生じる病気の総称です。尿道や膀胱の結石症、特発性膀胱炎、尿道炎などのことを指します。
猫はどの種でもなりやすく、マンチカンも例外ではありません。

原因は?

下部尿路疾患の中で多く見られるのは、特発性膀胱炎と尿結石症です。

特発性膀胱炎の明確な原因は特定されていませんが、ストレスや環境の変化などが関係していると考えられています。
尿結石症は、尿がアルカリ性や酸性に傾く食事や体質、水分不足、トイレを我慢することなどが影響しているとされています。

症状は?

下部尿路疾患になると、下記のような症状が見られます。

  • 血尿が出る
  • 頻尿になる(少量しか出ない)
  • 排尿時に痛みで鳴く
  • 下腹部を舐める
  • トイレを失敗する(トイレ以外の場所で排尿する)
  • 排尿の姿勢をとっている時間が長い

症状が進行すると、下記のような症状が現れることがあります。

  • 嘔吐する
  • 食欲不振になる
  • 体温が低下する

受診の目安は?

下部尿路疾患は放置すると症状が悪化して危険なため、排尿の様子や状態がいつもと違うと感じた場合は早めに動物病院を受診しましょう

特に下記のような様子が見られる場合は、急激に症状が悪化していて危険な場合もあるため、早急に動物病院を受診してください。

  • トイレに頻繁に行くが尿が少量しか出ない
  • 排尿姿勢をとるが何も出ない
  • 排尿時に痛みで鳴く
  • 血尿が出る
  • 排尿の異変に加えて嘔吐している、食欲がない
  • ぐったりしている

予防方法は?

日ごろから水分をしっかり摂らせることを意識しましょう
水飲み場を家の中に複数設置する、ウェットフードや水分を多く含むおやつを活用するのがおすすめです。

トイレが汚れていると、ストレスが溜まったり排泄を我慢したりする原因になるため、トイレは常に清潔にし、砂の種類やトイレの大きさなどを愛猫好みのものにできると良いでしょう。

またストレスを軽減するために、飼い主と一緒に過ごす時間を増やす、おもちゃを使って適度に運動をさせる、家の中に安心して隠れられる場所を作るなどしてあげてください。

治療方法は?

軽度の場合は、抗炎症薬や抗菌薬の投与を行います。薬の投与と並行して、療法食への変更や、水分摂取・トイレ環境の見直しなどが必要になることがあります。

症状が重い場合は、原因に応じてカテーテルや超音波を使った結石の除去や尿の排出、尿道を広げる手術などを行う場合があります。

マンチカンに元気に過ごしてもらうために家庭でできる病気予防

愛猫にできるだけ長く健康に過ごしてもらうためには、これまでご紹介した病気の予防方法に加えて、下記のようなことを習慣にできると良いでしょう。

定期的に健康診断を受ける

基本的には1年に1回、7歳以降のシニア期に入ったら半年に1回健康診断を受けるようにしましょう。血液検査や尿検査、必要に応じて画像検査も行うことで、見た目では分からない変化を確認できます。

病気の早期発見ができる他、獣医師から愛猫にあったケア方法などのアドバイスをもらうこともできます。

バランスの良い食事を適量与える

健康な体を維持するためには、バランスの良い食事を適正量与えることが大切です。ライフステージに合わせたフードを、体重に対して適量与えるようにしましょう。

前述の通り、マンチカンは食欲旺盛な子が多く太りやすい猫種といわれています。
おやつをあげる量が多い日はフードの量を減らすなど、1日の中で調整するようにしてください。

適度な運動をさせる

マンチカンは足が短く足腰に負担がかかりやすいため、適度な運動で筋力を維持することが大切です。
猫じゃらしやボールのおもちゃで遊んであげる、低めのキャットタワーで上下運動を促す、猫用のトンネルをくぐらせるなど、日常的に運動させてあげてください。

マンチカンの健康や病気の相談はオンラインでも

愛猫の健康状態がいつもと違うときは、できるだけ早く獣医師に相談できると安心ですよね。とはいえ、すぐに動物病院に連れて行くのが難しいこともあると思います。
そんなときはペットのオンライン診療アプリ「ペットドクター」が便利です。家にいながらスマホのアプリを通して愛猫の様子を獣医師に診てもらい、必要な対応についてアドバイスをもらうことができます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。